定例会

12月県議会最終日 知事提出議案・請願討論

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●2022年12月19日、県議会本会議で行った、知事提出議案・請願の討論を紹介します。

【1】知事提出議案

 知事提出議案について、日本共産党は1号、8号、10、11号の反対討論を行います。

 1号補正予算については、豪雨災害からの復旧、集中豪雨に対する治水・治山対策の事業については当然賛成ですが、新型コロナ感染第8波に対し、7波の教訓を生かした積極的な対応はみてとれず、医師会・病院協会からの要望であった、医療機関への財政支援は盛り込まれませんでした。

 物価高騰対策についても、県民の暮らしを直接支援する姿勢は極めて不十分であり、完成が前倒しされた金沢港 大浜大水深岸壁に関る 大浜航路13メートル化の浚渫工事などは、その優先度が問われます。

 生活を守る点で、職員費の給与増が盛り込まれたことは当然ですが、問題は知事・副知事・教育長、議員の期末・勤勉手当増をもぐりこませたことです。

 本来なら別建ての条例と補正予算とするべき点からも、第10号には反対します。

 11号指定管理者の指定については、県営住宅など本来県が直接管理・運営すべきものが含まれていることから賛同できません。

 8号については、現行の県の個人情報を廃止し、国の法律通りに、県の保有する個人情報を加工、「匿名加工情報」として本人の同意を得ずに第3者提供、目的外利用に道を開く施行条例となりました。

 国の法律も、この施行条例も、個人のプライバシーを守ることや、どんな自己情報が集められているかを知り、不当に扱われないように関与する権利=自己情報コントロール権を保障するには極めて不十分です。

 加えて、この個人情報に関わる事務は、県の裁量が認められる自治事務であるにも関わらず、個人情報を強力に保護するための県の真剣な姿勢は見受けられません。

 いくら加工されて個人は特定されないとは言え、行政のもつ個人情報を外部に提供することが、行政の役割でしょうか。

 この立場から反対するものです。

【2】請願

 次に、請願5件の紹介議員として賛成討論を行います。

 第54号少人数学級の推進を求める請願について。今議会でも、全国小中学校の不登校児童生徒数が過去最高の25万人近く、県内でも約3000人と過去最多を更新したことについて議論がありました。

 この問題の解決には、1人ひとりの子どもたちが大切にされる環境づくり=小人数学級が不可欠であり、

 学校現場では、「軍事費どうのこうのの前に、教育予算を増やして先生を増やせ」「もたもたしている国にまかせず、県として少人数学級は出来ないのか」との声が多数となりはじめています。

 鳥取県では「県と市町村の協働により、国より一歩先行する形で」、2025年度までに小学校全学年で30人学級を実現する方針を決め、

 富山県でも、「国の計画に2年先行した小学校5年生の35人学級の実施」を表明しています。

 請願には署名2,078人が添えられており、県のいう「国の財源措置を前提として」との姿勢をあらためさせるためにも、各位の賛同を求めるものです。

 請願55号も同様に、特別支援教育の教員・教室不足などを求める署名1838人分が添えられ、請願者が同時に取り組んだ教員からのアンケートには、切実な声が寄せられています。

 …教員不足で、昨年度代替教員が2週間未配置だったケーズが9件

 …図書館で行う授業がある。特別教室を普通教室にあてるしかなく、そこで美術や作業をす  る。日常生活の指導の活動のひとつ、体力をつけようが日常的に廊下で行われている。

 …6人中5人は目が離せず、トイレ介助でもう1人の教員がいない時に、他の子がトイレに行きたいと言っても連れていけない。

 この切実な声にこたえようではありませんか。

 請願53号介護保険制度の改善を求める意見書採択については、予算委員会での質疑のとおり、負担増については「影響を否定できない」との答弁があり、反対の世論の広がりのなかで「年内の結論とりまとめを先送りする方針を固めた」「利用者や関係団体から利用控えや適切なサービスを受けられなくなると反発され、大半の実施を見送ることにした」と報じられました。

 こんな大改悪を中止させるためにも、わが県議会から意見書を出そうではありませんか。

 請願56号について、学校給食関連法の規定は、「経費の負担区分を明らかにしたもの」とされており、県のいうとおり市町の政策判断で無償化できるよう、県の財政的な後押しが必要と考えます。各位の賛同を求めます。

 最後に52号、インボイス制度の実施中止を求める意見書採択について。

 文書質問の回答にもあるとおり、県内事業者数の60%にあたる4万4千の免税事業者が、課税事業者になって消費税を納めるか、免税業者のままで取引先から値引きや取引中止を迫られる事態となります。

 11月16日には、インボイス制度の問題点を検討する超党派の議員連盟が発足し、政府とフリーランスからのヒアリングを実施しました。議連会長の立憲民主党・末松義規衆院議員は、「500万人近くが影響をうけると言われている。強行するなんてとんでもない」と強調、閣僚からも導入延期を求める声も出ています。

 各位の賛同を求め、討論を終わります。

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