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2019年第2回定例会 討論を公開します。

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ー議会議案討論ー

 日本共産党は第2号の共同提案に加わり、第1号に賛成。第3号は反対、第4号ないし第6号は発議者とて賛成します。まず、第3号「家庭教育支援法の早期制定を求める意見書」の反対討論を行います。2016年10月に自民党は「家庭教育支援法(仮称)」を作成、2017年2月にはこの修正版をつくり、法案提出を目指していますが、すでに多くの関係者から批判があがり、法案提出ができないでいます。それはなぜでしょう。「同一の世帯に属する家族の構成員の数が減少したこと、家族が共に過ごす時間が短くなったこと、家庭と地域社会との関係が希薄になったこと等」の、社会的・政治的問題を何ら問うことなく、すべて家庭教育の問題に矮小化しています。そして家庭責任を強調し、あるべき家庭教育を国家が設定したうえに、地域住民まで動員して、国家・自治体が家庭教育の内容にまで介入しようとすることに、本当の狙いがあるからです。今求められていることは、家庭教育の変化をもたらした、労働・福祉等の在り方に根本的な解決策を講じ、長時間労働からライフワークバランスへ、保育所等の拡充・整備、教育費の削減などなどをすすめ、子どもの権利条約に規定されているように、全ての子どもの学び、健やかな成長を保障することこそにあります。この意見書の撤回を求めるものであります。

 次に、発議者として賛成討論を行います。第4号、日米首脳会談の内容を明らかにするよう求める意見書について。5月末の首脳会談の内容は記者会見などで明らかになっているといいますが、何がどう明らかになっているのでしょうか。アメリカ・トランプ大統領自ら「8月にはよい発表ができるだろう」と述べたように、参院選が終わるまで国民に隠さなければいけないほど、深刻な打撃となる日米交渉をすすめていることを 事実上認めたことに他なりません。5月24日には、農民運動全国連合会と、アメリカの農民団体・全米家族農業者連合会(NFFC)が日米FTA・自由貿易協定に反対する共同声明を発表しました。意見書案にあるように、今回の交渉は、トランプ政権がTPPから一方的に離脱したことに端を発しており、この交渉はいったん打ち切る。そのうえで、共同声明が求めているように、家族農業と食料主権を尊重し、前進させるアプローチをやり直すことが求められます。各位の賛同を求めます。

 第5号、介護保険制度の充実を求める意見書について。介護保険制度は負担を分かち合うもの、国庫負担を10%引きあげることは現実的でない、財源もないと言いますが、高い介護保険料がそもそも払えず、負担を分かち合えなくなっており、払っても必要なサービスを受けられない…今の介護保険制度の実態そのものが、現実的に無理があると言えないでしょうか。かつて、介護保険制度の創設を主導した元厚労省高官も、「シルバー産業新聞」2015年11月10日号で、“このままでは、介護保険は「国家的詐欺」の制度になる”と危惧の声をあげていました。この解決の方向は、意見書の内容にこそあると訴えます。介護疲れによる殺人や心中が後をたたない…こんな悲劇を繰り返さないためにも、各位の賛同を求めるものです。

 第6号、最低賃金全国一律1000円以上に引き上げることを求める意見書について。全国一律は困難とも言われますが、今年2月7日、自民党内に「最低賃金一元化推進議員連盟」が発足し、会長に就任した衛藤征士郎元衆院副議長は、「デフレの完全脱却…東京の一極集中是正…を視野に、一元化を考えなければならない。英国、フランス、ドイツなど先進諸国はいすれも全国一律制だ」と発足の趣旨だと報じられました。この議連が開いた5月22日のヒアリングで、全国町村会の荒木会長も、賃金格差が労働人口の流出の原因として、全国一律導入に賛成する意見があることを紹介し、最賃の全国一律化は「将来的に望ましい」と指摘したと伝えられました。加えて、6月17日に発表された自由民主党政務調査会の「総合政策集2019 Jファイル」にも、「2020年代のできるだけ早期に 全国加重平均1000円を実現…全ての都道府県における最低賃金1000円の実現に向けて挑戦する」と明記されているではありませんか。自民党諸氏の賛同を得ることも可能と考えます。賛同を求め、討論を終わります。

ー知事提出議案討論ー

 日本共産党は、第1号、2号、6・7号、報告2号に反対。以下その理由を述べます。第1号、手数料条例改正については、消費税増税分を県民に強いるものであり反対であります。第2号県税条例の改正は、国の地方税改正、すなわち、法人事業税の一部を国税化し、その全額を譲与税として、人口指標で各自治体に配分する制度が創設されることに伴うものです。これは「新たな地域間の 税源の格差是正措置が実施されるに伴い、法人事業税の税率を変更する」と説明されますが、事の本質は、消費税増税で 地方自治体の税収格差拡大を深刻化させる一方で、本来地方交付税制度を通じて、国が責任を持って行うべき自治体間の財政調整の責任を、一部の自治体に押し付けるものであり、賛同できません。加えて、車体課税の見直しも、消費税増税による需要の反動減対策であり、消費税増税に反対する立場から賛同しかねます。同趣旨で、報告2号県税条例改正の専決処分にも反対するものであります。第6号は、クルーズターミナルに27億円を超える総工費加え、900台の駐車場整備に税金を投入しておきながら、使用料という形で県民に負担を強いるのはいかがなものでしょうか。せめて、展望デッキ、ターミナル広場前などは、市民に開放すべきであり、賛同できません。第7号については、「ダブルラダー輝きの美知」構想を急ぐべきではないとの立場から反対します。

ー請願討論ー

 次に、請願2件の紹介議員として賛成討論を行います。第1号、日米地位協定の抜本改定を求める意見書採択の請願について。請願の内容は、平成30年7月27日の全国知事会の「米軍基地負担に関する提言」の中身そのものです。 この提言は、「日米安全保障体制は、国民の生命・財産や領土・領海等を守るために重要であるが」としながら、「日米地位協定を抜本的に見直し、航空法や環境法令などの国内法を原則として米軍にも適用させることや、事件・事故の自治体職員の迅速かつ円滑な立入の保障などを明記する」としています。全国知事会が求めているものを、わが県議会が反対する理由はどこにもありません。立場の違いを超えて、心ある諸氏の賛同をお願いするものです。

 第2号、消費税増税中止を求める意見書採択の請願について。家計消費が減り、実質賃金も下がり、景気の悪化が現実になっている時に、5兆円にも上る消費税増税を家計と消費に押し付けるのは、あまりに無謀です。請願者である民青同盟の若者たちが、街頭でアンケート活動に取り組みましたが、若者からどんな声が寄せられているでしょうか。「学費を稼ぐためにバイト漬け。学業と両立できない」「こんな賃金じゃ暮らせない」…こういう実態にある若者たちにも、容赦なく増税の負担がのしかかります。「消費税増税に賛成」という人たちからも「こんな時に増税していいのか」との声があがり、「立憲野党4党1会派の政策に対する市民連合の要望書」の中にも、「2019年10月に予定されている消費税率引き下げを中止、所得、資産、法人の各分野における総合的な税制の公平化を図ること」と明記されました。各位の賛同を求め、討論を終わります。

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