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2019年第2回定例会一般質疑答弁を公開します。

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◎知事 佐藤議員の一般質問についてお答えいたします。消費税増税についての御質問がございました。国、地方を通じた厳しい財政状況の中。急速な少子高齢化の進展に伴い増加をしております社会保障関係経費の財源を安定的に確保するためには、予定されている消費税、地方消費税率の引き上げは避けられないものでありまして、全国知事会においてもこうした認識を共有いたしておるところであります。一方、前回の消費税率引き上げの際に駆け込み需要とその反動が生じたことを踏まえ、安倍総理は「前回の税率引き上げ時の経験を活かし、あらゆる施策を総動員をし、経済に影響をし、経済に影響を及ぼさないよう全力で対応する」と述べられております。これを受けまして、国の平成30年度補正予算及び令和元年度当初予算におきましては税率引き上げによる経済への影響を平準化させる対策として、低所得者、子育て世代向けプレミアム付き商品券の発行、防災・減災や国土強靭化のための緊急対策などが盛り込まれていると理解しておるわけであります。今後とも消費税率の引き上げにより景気を腰折れされることのないよう、経済動向を注視をして対応に万全を期していただきたい、このように考えておるところであります。

◎総務部長 お答えします。県立大学の学費を半分にするにはというお話でございますが、総務部では2つの県立大学を所管しております。これらの大学の安定的な運営等のためには、県からの運営交付金に加えまして、学生側にも相応の学費を負担していただくことが必要であるというふうに考えております。その上で、学費を半分にするための必要な金額を平成30年の実績で機械的に申し上げますと、看護大学が役9,200万円、県立大学が約1億5,200万円であることから、合わせまして約2億4,400万円ていどというふうになっております。

 次にF35戦闘機の導入を中止するようにというお話でございますが、防衛に関する事項は国の専管事項でございます。4月に発生いたしましたF35A戦闘機の墜落事故につきましては、防衛省より、「操縦士が機体の高度や姿勢を把握できなくなる状態になった可能性が高く、機体に異常が発生した可能性は極めて低い」という中間報告を行ったと承知しております。さらに、国会におきまして防衛大臣より「機体に不具合が生じた場合には、その原因に報じて適切な対処策を講じることによって飛行の安全性を確保し、運用を継続することが一般的である」という答弁がなされたというふうに承知しております。いずれにいたしましても、戦闘機の配備を含む防衛に関する事項は国の専管事項であり、国において適切に対応されるものというふうに考えております。

◎健康福祉部長 私からは11点お答えをいたします。まず最初に介護労働者の処遇改善につきましては、10月の消費税率引き上げ時にあわせて新た場処遇改善加算が行われますが、県では既に所管する全ての対象事業者に対しまして申請方法や申請期限などを通知したところでありまして、加えて円滑な実施に向け、7月に説明会を開催することとしております。また、新潟県柏崎市の介護事業者に対する夜勤手当の補助制度、御紹介がございましたが、介護保険制度は介護サービスを社会全体で支えていくため、保険料と公費によって賄っていくという制度設計がなされていることから、県として独自の財政支援を行うことは想定しておりません。県としては介護人材の確保、定着を図るため、できるだけ多くの事業者に今回の新たな加算を活用して賃金の引き上げ等による処遇改善につなげていただくよう、しっかりと働きかけてまいりたいと考えております。

 次に国民健康保険について数点お尋ねがございました。まず、保険料水準の統一についてですが、本県においては現時点において各市町の医療費水準や保険料水準に相当の差がみられることから、当面は県が示す標準保険料率を参考に各市町がそれぞれの地域の実情に応じてみずからの判断で実際の保険料を決定する、つまり保険料水準の統一は行わないとしているところでございます。なお、将来的な保険料水準のあり方については国の考え方を踏まえ、引き続き検討してまいりたいと考えております。

 次に、均等割、平等割についてでございますが、国は国民健康保険制度における保険料については全ての加入者がひとしく保険給付を受ける権利があり、加入者全体の相互補助で支えられていることから、全ての加入者に応分を保険料を負担していただく必要があるとしているところでございます。こうした考え方に基づき、保険料については法令によりまして世帯の所得に応じた所得割に加え、加入者数に応じた均等割を必ず算定することとされているほか、各市町の判断によりまして各世帯に定額の負担を求める平等割や保有資産に応じた資産割を任意で算定することが可能であると、このように認識しているところでございます。

 次に保険料の支払いにより所得が生活保護水準を下回る世帯になる問題ですが、国民健康保険制度につきましては、高齢者が多く医療水準が高い一方で、無職や非正規雇用の労働者など所得の低い方が多く加入しているから、他の医療保険制度に比べまして加入者の保健料負担が重くなるといった構造的な問題を抱えております。このため、特に所得に低い方に対しては所得に応じた保険料の軽減措置が制度として設けられており、県としてもこの制度に対しまして毎年多額の財政負担を行っているところでございます。こうした中、さらに所得の低い方の負担軽減を目的として、税により国保の加入者以外の方にも新たな負担を設けて県独自の支援を行うことは考えておりません。

 次に総合看護専門学校、保育専門学校の学費を半額にするにはどのくらいの予算が必要かというお尋ねですが、健康福祉部では看護師の資格取得を目指す方を対象とした総合看護専門学校と保育士の資格取得を目指す方を対象とした保育専門学校を所管しておりまして、仮に各校の授業料を半額にした場合に追加で必要となる予算額では昨年度の授業料収入の決算額から機械的に算出いたしますと、総合看護専門学校が970万円、保育専門学校が約620万円となっているところでございます。

 次に、幼児教育・保育の無償化についてのお尋ねがございました。無償化による待機児童の増加の懸念につきましては、本県では3歳から5歳児についてはほとんどの子どもが既に保育所、認定こども園、または幼稚園に入所していること、またゼロ歳から2歳時については幼児教育・保育の無償化の対象が住民税非課税世帯に限定されていることから無償化による保育ニーズへの影響は限定的ではないかと考えております。いずれにしましても、幼児教育・保育の無償化の影響も注視しつつ、引き続き市町において保育ニーズに見合ったサービスが適切に提供されるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、制度の周知と給食費の減免などの配慮でございますが、給食費の取り扱いにつきましてはこれまでも基本的に保育料の一部として保護者が負担してきたことから、幼児教育・保育費の無償化に当たっても保護者負担の考え方を維持することが基本とされております。このため、3歳から5歳児については給食費のうち副食費は原則として無償化の対象となる保育料からは除外されますが、低所得者世帯の負担が増えないよう、年収360万円未満の世帯にたいしては副食費の免除が行われることとなっております。なお、ゼロ歳から2歳児につきましては無償化の対象が住民税非課税世帯に限定されており、給食費は保育料に含まれる形で無償化が行われることとなっております。こうした制度の内容につきましては、県としては市町が保護者に対し、わかりやすい資料などを用い、丁寧な周知説明に努めるよう必要な助言や援助を行ってまいりたいと考えております。

 次に、幼児教育・保育の無償化の財源につきましては、本年10月に予定されている消費税率の引き上げによる財源を活用して行われることとされております。実施に要する経費につきましては、初年度となる今年度は全額国費で負担されますが、来年度以降の県、市町の負担分については国の責任において地方財政措置が講じられ、必要な地方財源措置が講じられ、必要な地方財政が確保されることとなっております。また、無償化に伴う民営化の推進につきましては県内の各市町への聞き取りによりますと、今般の幼児教育・保育の無償化を受けて、公立保育所の民営化を検討している市町村はございません。私からは以上でございます。

◎商工労働部長 5点についてお答えをいたします。まず、最低賃金についてのお尋ねがありました。最低賃金は最低賃金法に基づき賃金の最低額を保障するものとして、地域における労働者の生計費及び賃金、並びに通常の事業の賃金支払いの能力を考慮し、全国各地域別に定められているものであり、各都道府県労働局長が決定をしているものであります。全国一律の最低賃金を定めることにつきましては国会において議論がなされており、安倍総理からは「最低賃金を地域ごとの賃金や物価水準の差を反映せずに一律に定めることは、中小企業を中心として労働コストの増加により経営が圧迫をされ、かえって雇用が失われる面があるなど地域の経済事情等を考慮すれば困難であり、大切なことは雇用・所得環境の底上げを図ることにより賃上げの動きを地方にも浸透させることである」旨の答弁がなされていると承知をいたしております。いずれにしても、最低賃金のあり方については国において議論がなされるべき課題であると考えているところであります。

 次に、業務改善助成金の県内の状況についての御質問にお答えいたします。国の制度であります業務改善助成金は、中小企業、小規模事業者が生産性向上に資する設備投資を行い、事業場内で最も低い従業員の時間単価の賃金を30円以上引き上げた場合に一定額が助成されるものでございます。企業が各都道府県の労働局へ直接申請をし、交付を受けるものであります。石川労働局によりますと、県内における平成30年度の支援実績は23件、1,470.7万円とのことであります。

 次に、中小企業の賃上げを支援する施策のお尋ねがございました。賃金につきましては、基本的には各企業の労使間において、実績や将来展望などさまざまな要素を総合的に勘案して自主的に決定されるものと考えております。県としては、県内企業が成長していくことができる環境整備が重要であると考えており、今後とも喫緊の課題であるAI・IoTの導入など生産性向上に向けた支援、また新商品開発、販路開拓支援など企業の意欲ある取り組みを、積極的に支援をしてまいりたいと考えております。

 次に、ジャパンディスプレイに関する御質問にお答えをいたします。ジャパンディスプレイによれば6月1日時点で白山工場においてはパートタイマ―、アルバイトを含め非正規雇用はいないとのことであります。また、白山工場から現在、県内企業への下請発注もないともお聞きしております。そして今後、希望退職者が出て、引き続き県内といて働きたいという方がおられれば、雇用主として責任をもって再就職の支援をおこなうよう既にジャパンディスプレイに対し要請をしたところであります。県としてもハローワークと連携をし、ILACなどを通じて再就職の支援を行ってまいりたいと考えております。

 最後に日欧EPAの発効による県内産業に与える影響のお尋ねがございました。本年2月1日に発行した日欧EPAにより欧州から日本へ輸入する際の関税につきましては、機械製品は従前より無税でございますが、御指摘のワインなどの加工食品、さらには衣料品などの繊維製品や陶磁器などについてはそれまでの関税が即時撤廃されたところであります。これらによる県内企業の影響をお聞きしたところ、例えば県内ワインメーカーからは「原料作りからこだわっており、輸入される格安の商品とは競合しない」、また繊維関係の業界団体の方からは「欧州からの輸入品が少ないため、大きな影響は生じない」。また伝統産業の関係者からは「欧州の洋食器と和食器とは用途が異なるため、競合はしない」などの声をお聞きしており、こうしたことから県内産業への特段の影響はないものと考えているところでございます。以上でございます。

◎農林水産部長 私からは国の農業次世代人材投資事業の制度の見直しに伴います影響についてお答えいたします。国の農業次世代人財投資事業は、平成24年度に新規就農者に対しまして営農が軌道に乗るまでの間、1年あたり最大150万円を交付し、経営を下支えすることを目的に創設されたものでございます。平成29年度の改正では定着率向上を図るためのフォローアップ調査を強化いたしまして、就農状況が不適切な場合、支給対象から外すことが交付要件に加えられましたが、現在のところ県内においてこれを適用されたものはございません。また、今年度の改正では前年の世帯全体の所得が600万円以下であるものを予算の範囲内で優先的に採択する目安が新たに追加されましたが、現在市町等が支給対象者について精査しているところであり、改正による影響については今のところ不明でございます。

 これまでも県では新規就農者を確保、育成するため、石川耕稼塾を始め農業総合支援機構によるワンストップ相談対応やILACと連携した移住就農者へのサポート等に取り組んできたところであり、本制度も活用し、今後さらなる新規就農者の確保、育成を図ってまいりたいと考えております。

◎教育長 はじめに、義務教育の無償化及びこれに関連して学校給食費の無償化について御質問がございました。憲法第26条第2項には義務教育はこれを無償とするとされており、教育基本法第5条第4項では国又は地方公共団体の設置する学校における義務教育については授業料を徴収しない、また義務教育諸学校の教科用図書の無償に関する法律第1条には義務教育諸学校の教科用図書は無償とするとされており、これらの法令により授業料及び教科用図書が無償となっていると承知をしております。

 また学校給食費については学校給食法第11条第2項に学校給食に要する経費は保護者の負担とされておりますが、実際の負担内訳は材料費でございまして、その他の人件費や光熱水費は公費負担となっていると理解しております。さらに学校給食費については就学援助制度により生活困窮者に対しまして全部または一部が援助されております。いずれも法令等に基づき適切に制度化されているものと考えております。なお県内では加賀市、志賀町、中能登町がそれぞれ一定の基準を設け、第3子や第2子を無償に、また6市1町では石川県産米二等米を地元産一等米にかえて使用する際の差額分について支援しているところでございますが、県教委が実施をしました 29年度の学校給食実施状況調査に基づき、仮に県内の公立小中学校全てで学校給食を無償とした場合に新たに必要となる財源を試算いたしました約42億円となったところであり、財源確保が大きな課題と考えております。

◎選挙管理委員会委員 佐藤議員からの御質問についてお答えいたします。県選挙管理委員会では、例えば県議会議員選挙の場合では告示日に選挙広報掲載申請書を受理後、広報の掲載準備を決定した上で速やかに印刷を開始し、2日後には市町の選挙管理委員会に引き渡しを行っているところでございます。市町の選挙管理委員会は、選挙広報の受け取り後、民間や郵便事業者への委託や、あるいは町内会に依頼するといった方法により各世帯に配布を行っていると承知しております。選挙公報は法令上、選挙期日の2日前までに配布することとされておりますが、期日前投票者数が増えていることもあり、出来る限り早く各世帯配布されるよう市町の選挙管理委員会に働きかけてまいりたい、このように考えております。以上でございます。

◎教育長 すみません。1問答弁漏れがございました。申し訳ございません。学校給食における外国産小麦の使用についてお答えをいたします。現在、県学校給食会が取り扱っております学校給食用のパンに使用しております小麦につきましては外国産でございまして、カナダ産が半分、アメリカ産が半分と言う状況にございます。外国産の小麦の使用にあたりましては、議員から御指摘もございました国の検査に合格したものを購入しており、さらに学校給食会でも年1回、残留農薬検査を行っているところでございます。議員御指摘のグリホサートにつきましては、ここ10年間の最大値は0.16ppmでございまして現行の基準値である30ppmはもとより、改正前の基準値5ppmも全てクリアしているところでございます。国内産と遜色がなく、また価格面では国内産小麦の半額以下でありますことから使用しているところでございます。以上でございます。

◎佐藤正幸 知事にジャパンディスプレイの問題について再質問したいと思います。質問でも指摘しましたけれども、JDIは国策企業で支援しているファンドも官製といっても過言ではないと言うふうに思うんです。単なる一民間企業ではないと、その認識の上に立って、国の責任も問われているのに国の当事者意識が全く伝わってこないんです、私には。ですからここは県も国に従って誘致した責任はもちろんありますけれども、国に当事者意識をもっと持って国として中小企業あるいは労働者を守る支援策を取るべきだと言うふうに国にどんどん要請すべきではないかと私思いますので、そこをもう1点お聞きしておきたいと思います。

◎知事 ジャパンディスプレイが国策企業と呼べるかどうかについてはいろんな議論があると思いますけれども、国が出資をしております革新機構、これが設立には関わったと言う事は事実でありますけれども、だけどジャパンディスプレイと言うのは株式会社でございますから、今日も株式株主総会があったようであります。株主がおられるわけでありますからまずは株主に対する責任をしっかり果たしていかなければいけない。そしてジャパンディスプレイはなぜこういう状況になったのかと言うことについては、それぞれやっぱり検証していかなければならないと思います。ただし、我々としては当面やらなきゃいかんのはなんといっても希望退職を募っておられると言うことでありますから、もし希望退職される方がおられるとすればその方々の第二の就職先を見つけて差し上げる、これが今県としてやるべき最大の仕事、ではないかと思いますし、最も急ぐべき事柄ではないのかなと私はこのように思うわけであります。またジャパンディスプレイの設立に至る経緯についても私は詳細には承知しておりませんので、革新機構が、政府がどこまで関わっておられるのか、これはつぶさにはわかりません。今私どもがやらなきゃいけないのは再就職をしっかりサポートしていく、このことに尽きるんじゃないかなと思いますね。

◎佐藤正幸 認識が私、大変甘いと思います。後始末を地元に押し付けているみたいなもんですよ、はっきり言えば。国の責任をどうして取れないんですか、知事は。そこが私は知事の役割だと言うふうに思います。いかがでしょう

◎知事 国の責任を問えとおっしゃっても、株式会社ですからね。株主がJDIの経営者責任を問うということはもちろんあるというふうに思いますよ。だけどどういったいきさつであなた簡単に国策企業だとか国が関与したとか、いとも簡単におっしゃっていますけれども、どういういきさつでこうなったのかということもしっかり分析をして検証してからではないとそういうことは軽々に私は言えないと思いますよ。見れば株式会社なんだから、株主もおられるわけですから、まず株主に対する説明責任を経営者としてやっぱり果たしていかなきゃいけない。今の経営者は800億円調達できれば再建は可能だと、こうおっしゃっておるわけでありますから、経営者のまずその言葉がどういう形で実行されるのか、そこをしっかり見極めていく必要が私はあるのではないか、佐藤議員のように一刀両断で言うのは非常に気持ちが良くて、小気味がいいかもしれませんけれども、なかなかそういう形で一刀両断に物事が判断できない、そこにこのジャパンディスプレイの難しさも私はあるんじゃないかと思いますがね。



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