◎知事(谷本正憲君) 佐藤議員の一般質問にお答えいたします。
第一点は、知事の政治姿勢、特に知事選挙の投票率についてのお尋ねがございましたが、私としては十七日間の選挙期間中、県内をくまなく回りまして、これまでに取り組んできたこと、そしてこれからの四年間に取り組むべき課題とこれにどう対応すべきかを県民の皆さん方に率直に訴えをさせていただきました。おかげさまで多くの皆様方から御信任をいただき、引き続き県政のかじ取り役を担わせていただくということになりました。
市や町への支援につきましては、これまでも市町からの御要望に基づき地域の実情も踏まえ適正に執行してきたところでございます。今後とも県民福祉の向上とさらなる県勢の発展に向けまして、石川県を日本海側のトップランナーとして飛躍発展をさせていくため、これまで同様、公平公正を旨とし、市や町とも連携協力を図りながら県政運営に当たってまいりたい、こういう思いでございます。
次に、働き方改革についての御質問がございました。時間外労働の上限規制や高度プロフェッショナル制度の創設などを内容とする働き方改革関連法案については、衆議院において一部修正の上可決され、現在、参議院において審議がなされているところであります。これまで労使双方の立場からさまざまな議論がなされてきたものと承知をしております。
いずれにしましても、働き方改革は県民や企業に身近な関心の高いテーマでもございます。政府におかれては十分に説明を尽くしていただき、国会において丁寧な議論がなされることを私としては期待いたしておるところでございます。
◎総務部長(東高士君) まず初めに、学校法人加計学園の関係で御質問がございました。学校法人加計学園の愛媛県今治市での獣医学部の新設をめぐりまして、国会において審議がなされておりますこと、それから政府の国会答弁と国会に提出されました愛媛県の文書の記載との間で相違があると指摘されていることは報道で承知しているところでございます。しかしながら、本県といたしましては報道以上の詳細について把握をしておらず、また見解を申し上げる立場にもないことを御理解いただきたいと思います。
次に、いわゆる無期転換ルールの県出資財団法人等への周知についてお尋ねがございましたが、本年四月、改正労働契約法が施行されまして五年が経過しましたことから、有期労働契約が反復更新されて通算五年を超えた場合に労働者の申し込みにより期間の定めのない労働契約、無期労働契約へ転換をするという、いわゆる無期転換ルールの適用が始まっているところでございます。県が出資する外郭団体への無期転換ルールの周知につきましては、四月から円滑に制度が導入されるよう各部局から所管の団体に対して文書等で周知を図っております。これは昨年度からやっておるところでございまして、各団体におきまして対応がなされているものと考えているところでございます。
それから、二〇二〇年の会計年度任用職員の導入に関しまして、任期の定めのない常勤職員を中心とする公務運営がなされるよう臨時・非常勤職員の正規化を図るべき、また非正規職員の適正な勤務条件を確保すべきとの御質問がございました。
公務運営につきましては、これまでも中立性の確保、職員の長期育成、県民サービスの質の担保等の観点から任期の定めのない常勤職員である正規職員を中心に行ってきたところでございます。臨時、非常勤の職員につきましては、パスポート発給の窓口業務ですとか各所属における簡易なデータ入力など専ら特定の業務を行う者や、定型的または補助的業務等で必ずしも正規職員の配置を必要としない業務に配置をしておりまして、正規職員と役割を分担しながら限られた職員での業務の執行に努めてきたところでございます。会計年度任用職員の導入がなされましても、任期の定めのない常勤職員を中心とする公務の運営という原則が変更されることはないと考えてございまして、引き続き各所属におけます具体的業務内容を考慮した適正な職員配置に努めてまいりたいと考えてございます。
また、会計年度任用職員の勤務条件等につきましてはその具体的な検討はこれからでございますが、臨時・非常勤職員制度の適切な運用を確保し、公務の能率的かつ適正な運営を推進するという法改正の趣旨を踏まえ、二〇二〇年四月の法施行に向けまして他県の状況等も注視しながら検討を進めてまいりたいと考えてございます。
最後に、投資的経費及び県債残高の抑制についての見込み、見通しについてのお尋ねがございました。本県の投資的経費につきましては、他県が公共投資を抑制し始めた平成十一年度以降も国の経済対策に呼応しまして積極的に公共投資を続けていきました結果、全国に比して高い水準にあったことから、財政運営の基本方針としまして地域経済、雇用情勢にも配慮をしながら標準財政規模に対する投資的経費の割合を全国中位をめどとして順次抑制を図るとしてございます。ここでいう全国中位というのは具体的な数値ではなくて、他県との比較の中での中位ということでございまして、国が定める地方財政計画、他県の動向によって変動する相対的なものでございます。さらには、北陸新幹線を初め本県の発展を支える基盤整備については時期を逸することなく対応する必要があるとともに、県民生活の安全・安心を確保するための公共投資については着実に進めていく必要があるところでもございます。
目標とする全国中位を達成できる見込み等を申し上げることは困難と考えております。
また、県債残高につきましては地方交付税のかわりに発行を余儀なくされております臨時財政対策債を除いたいわゆる通常債の残高、これにつきましては平成二十九年度まで十五年連続で前年度を下回る水準に抑制をしてございます。また、臨時財政対策債の残高がふえ続ける中でこれを上回って通常債を減少させておりまして、県債残高の総額についても四年連続で減となってございます。
今後の県債残高につきましては、臨時財政対策債の発行額を決定する国の動向に影響されること、また公共投資の水準など地方財政計画の動向にも作用されますことから、こちらも同様に今後の状況を見通すことは困難でございますが、引き続き行政経営プログラムの趣旨を踏まえ、適切な財政運営に努めてまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
◎危機管理監(山本次作君) 私のほうからは志賀原子力発電所一号機についての質問にお答えをいたします。
志賀原子力発電所一号機について、北陸電力から原子力規制委員会に対し、法律に基づく新規制基準への適合性の審査に係る申請はされておらず、県として意見を申し述べる状況にはないと考えております。
なお、二号機については現在、規制委員会において法律に基づく新規制基準への適合性に関する審査が行われており、規制委員会には科学的な根拠に基づき厳格な審査を行い、地元住民はもとより国民の理解と納得が得られるようしっかりと説明責任を果たすことを引き続き強く要望してまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
◎企画振興部長(吉住秀夫君) 私のほうからは北陸新幹線の延伸と並行在来線についてお答えいたします。
まず最初に、今冬の積雪による北陸本線の運休は除雪体制を弱体化させたことが要因でないかという御質問がございました。本年二月の大雪により、県内ではJR北陸本線が三日間にわたり終始運転を見合わせるなど、通勤・通学や関西方面との行き来に大きな支障を来したところでございます。こういった状況を踏まえ、県としてはJR西日本に対し、安全を最優先することはもちろん、利用者でございます県民や観光客の利便性も適切に確保してもらえるよう申し入れたところでございます。
御指摘の北陸新幹線は高架橋内に貯雪スペース等が設けられており、大雪の際にその機能を発揮した一方、北陸本線では在来線の構造上そもそもそういったスペースを設ける仕組みとなっていないため雪の影響を受けやすい構造となっております。JR西日本からは、「今回の運休は記録的な大雪となったことにより効果的な除雪ができなかったことによるもので、これを教訓として今後対策を講じる」というふうに聞いております。具体的には、除雪計画を立てる際にきめ細やかな情報を入手し、効率的な除雪を行うために積雪計あるいは監視カメラといったものを増設すること、利用者への適切な情報提供を行うため、ホームページに積雪状況などの画像情報を掲載することなどの対策の検討を進めているというふうに聞いております。
県といたしましては、JR西日本には安全性の確保に加え、利用者の利便性を確保するようハード面、ソフト面両面からの対策を早急に実行に移すなど、しっかりと対応していただきたいというふうに考えております。
次に、県内におけるJR線、IRいしかわ線の無人駅はどこかという御質問がございました。県内のJR西日本が管理する駅については、北陸本線では三駅、七尾線では十駅が無人駅であるというふうに承知しております。また、IRいしかわ鉄道が管理する四駅のうち倶利伽羅駅が無人駅となっておりますが、いずれの駅におきましても乗務員を中心に乗客の安全性に配慮した運行が行われているものというふうに承知しております。
最後に、駅員がいても自社職員でない場合もあるがIRいしかわ鉄道では事故などが起こった際、どのような対応がなされるのかという御質問がございました。IRいしかわ鉄道が管理業務を委託している駅においては、委託先社員が必要な研修等を受けた上で自社社員と同様に改札や乗車券の販売等の営業業務といったものを行うほか、乗客がホームから線路に転落した際には列車を停止させる手配や乗客の救護といった緊急時の対応を行うことというふうになっております。また、万が一駅構内において事故が発生した場合には乗客に対して列車遅延状況等の案内を行うほか、列車の運行を管理する指令所や消防、警察への連絡を行うといったことになっておりまして、委託の場合でも必要な対応が図られる体制というものになっているというふうに考えております。
なお、IRいしかわ鉄道では輸送の安全の確保が最も重要なサービスであるという認識のもと、JRから引き継ぐこととなる金沢以西区間においても、金沢以東区間で培った経験やノウハウを生かしながら安全の確保を最優先にして引き継ぎに向けた検討を進めていくものというふうに承知しております。
◎健康福祉部長(片岡穣君) 私からはまず医療分野のお尋ねのうち、国民健康保険における子供の均等割保険料の市町が行う軽減措置への支援の考え方についてお答えいたします。国民健康保険における子供の均等割保険料の軽減措置につきましては、個々の自治体の取り組みだけではおのずと限界もあることから、国全体の問題として検討すべきものと考えておりまして、これまでも全国知事会を通じて国の責任において全国一律の制度として導入するよう要望してきたところであり、今後とも引き続き国に対し要望してまいりたいと考えてございます。
また、地域医療構想調整会議の資料等の公表についてのお尋ねがありました。団塊の世代の方々が後期高齢者となる二〇二五年を見据え、新たな病床機能のあり方を示す地域医療構想につきましては医療機関による実質的な取り組みが基本となっており、これまで医療関係者や住民代表、市町等から成る二次医療圏ごとの協議会等を設置し、それぞれの圏域において各医療機関の機能分担や機能ごとの病床数などについて情報共有し、協議を行っているところでございます。協議会資料などにつきましては、本年二月の国からの通知において「できる限り速やかに公表すること」とされましたことから、本県におきましても今年度から公表することとしているところでございます。
以上でございます。
◎商工労働部長(徳田博君) まず、改正労働契約法施行による無期労働契約への転換に関する御質問にお答えいたします。本年四月には改正労働契約法が平成二十五年四月に施行されて五年が経過しますことから、有期労働契約が通算で五年を超えた労働者からの申し込みの無期労働契約の転換が始まっておりますが、石川労働局においては現時点で無期労働契約の転換の回避に関するトラブルは把握をしていないとのことであります。また、県の労働相談に関する窓口である職業能力開発プラザにおきましても現時点でそうした相談は受けていないところでございます。
なお、石川労働局においては制度改正に伴うトラブルを未然に防止をするため、随時労働相談を行っており、必要な場合は企業に対し助言、指導を行っていくと聞いておるところであります。
次に、地域未来投資促進法の地域経済牽引事業者からの提案制度のお尋ねがございました。御指摘の制度は、地域未来投資促進法第十五条におきまして事業者が事業の実施に当たりまして必要な環境整備を地方公共団体に提案できることとなっているものであります。県では県政各分野におきまして県民や企業などさまざまな方々から要望、提案をいただいておりますが、その対応に当たりましては県民福祉向上の観点から検討を行い、必要な場合は予算や条例の提案という形で議会の御判断をいただいているところであり、今回の制度についても仮に提案がありました場合には同様の対応となるものであります。
なお、これまでに計画を承認した地域経済牽引事業者からは具体的な提案はないところでございます。
次に、障害者職場実習制度の昨年度の実績などの御質問にお答えをいたします。障害者職場実習制度につきましては、就職前の一カ月間、実際の職場での実習を行い障害者の雇用促進を図るものであり、就職率は八割を超えているところでございます。これまで希望する方が全員実習をできるよう必要な予算を措置しているところでありまして、平成二十九年度の状況を申し上げれば当初予算額一千五百万円に対して執行額は一千二百八十万余となっているところであります。また、本年四月から障害者の法定雇用率が引き上げられたことを踏まえまして、県内企業の障害者雇用の一層の促進を図るため、ハローワークを初めとする関係機関に改めて本制度の周知を図ったところでありますけれども、今後とも本制度の周知に配意をしてまいりたいと考えております。
最後に、金沢港の整備に関連しまして、クルーズ船の二隻同時接岸をどの程度想定しているのかという御質問にお答えいたします。金沢港におけるクルーズ船の同時接岸につきましては、これまでの実績を申し上げれば平成二十八年は三回、平成二十九年は七回、そしてことし、平成三十年も現時点で四回が予定されているところであります。
県といたしましては今後一層クルーズ船の誘致を図ることとしており、同時接岸の回数も一定程度見込まれるものと考えているところでございます。
以上でございます。
◎教育長(田中新太郎君) 特別支援学校の児童生徒数の増加とその対応について御質問がございました。
県内には国立を含め特別支援学校は十校、三分校ございまして、その在籍児童生徒数の合計はことしの五月一日現在で千三百十五人、十年前と比較しまして三百四十九人、三六%の増加となっております。少子化により子供の数が減少している中で御指摘のように増加傾向にあるということでございます。これは全国的な傾向でございまして、国ではその要因として保護者の特別支援教育に対する理解が進んできていること、特別支援学校でのきめ細かな教育が卒業後の就職に結びついていることなどを挙げているところでございますが、今後も同様の傾向が続くかどうかにつきましては少子化による子供の数の減少が続くことから、いましばらく推移を見きわめる必要があると考えているところでございます。
こうした中、御指摘の遠距離通学の問題につきましては、特別支援学校がなかった奥能登地域におきまして、御案内のとおり珠洲市と輪島市に七尾特別支援学校の分校を設置し、その解消を図ったところでございますし、また先般、議員が御視察をされました小松特別支援学校につきましては、児童生徒数の増加により来年度以降教室が不足することが避けられない見込みとなりましたことから、今年度、大規模改修にあわせ一部増築を行い、児童生徒が一堂に会して給食をとることができるよう食堂を移転拡張しますとともに、厨房の床の乾式化やオール電化等を行い、衛生面や安全管理にも配慮することとしたほか、二つに分かれておりました職員室を一つにまとめるなどの改修もあわせて行いまして、必要な教室数の確保とともに教育環境等の整備充実を図ることとしたものでございます。
今後ともそれぞれの学校における入学者の推移を注視しながら必要な対応を行ってまいりたい、このように考えております。