日本共産党を代表して質問いたします。
隠蔽、セクハラ問題など、歴史上かつてない異常国会と同時並行の県議会となりました。公文書の改ざんは国民と行政との信頼関係、民主主義を掘り崩す国益を損なう大問題であります。県議会に身を置く我々からすれば,知事の答弁に合わせて事実がゆがめられ、公文書が改ざんされて県議会に提出されることであり、党派を超えて批判されるべき問題であります。安倍首相の責任が問われるもと、全国知事会副会長の知事にお聞きしておきたいことがあります。
学校法人加計学園の獣医学部新設問題では、二〇一五年二月二十五日に安倍首相が加計孝太郎理事長と面談し、首相が「新しい獣医大学の考えはいいね」と語ったという記載のある愛媛県の面会文書記録をめぐって、面談の事実はなかったと加計学園側が説明するなど、県知事を巻き込んだ国政私物化、地方政治をゆがめる大問題となってまいりました。総理を守るため、虚偽答弁にうそでつじつまを合わせ、地方政治がゆがめられるという今の事態を同じ知事として、また知事会副会長としてどう見ているか、見解をお聞きしたいと思います。
また、知事選挙後初めての県議会でもあります。我が党は新しい知事を誕生させる会に参加して選挙戦を戦い、得票率で二〇%、投票に行った五人に一人がこくらえみ候補に投票するという結果となりました。投票後、三月十二日の会見で知事は「棄権した人からは暗黙の支持を得られた」と述べましたが、知事の「県民の皆様方の声に謙虚に耳を傾ける」という言葉が本当なら、そんな発言にはならないと考えます。原発問題について選挙中語らないなど、争点をそらしたことが投票率が下がった理由の一つと考えませんか、知事の見解をお尋ねいたします。
投票率や投票の度合いで予算などをそんたくしているのではないかとの疑念が指摘をされました。事実、選挙中の報道で、各市町長が「高い数字が出れば次の四年間に特段の配慮があるはず」とあり、これこそ六期二十四年の多選の弊害と声が上がるのも当然であります。今まで知事は投票率、得票の結果によって市町への支援に差をつけてきたのでしょうか、明快にお答えください。そうでないと言うのであれば、首長の姿勢、報道等に真っ向から抗議をして今後そういうことは言うべきではないと明言すべきであります。見解をお聞きいたします。
原発問題に関し、知事は選挙公報などにも一言も触れないばかりか、新聞社の政策アンケートに「賛成でも反対でもない」と答えたことは原発立地県の知事として自分の判断を示さない無責任な態度と言わなければなりません。
そこで具体的にお聞きをいたします。北陸電力の金井豊社長は四月二十日の東京都内の記者会見で、直下に活断層があると指摘されている志賀原発一号機について「運転期間を延長して六十年運転できると思っている」と述べたと報道されました。運転開始から二十五年ですから、あと約四十年も原発に固執するという驚くべき発言でした。知事はこの発言をどう受けとめましたか。知事の議案提案説明どおりの繰り返しなら、まさに国の方針どおり原発賛成ということにほかなりません。知事の言葉で明快な判断をお聞かせ願いたいと思います。
知事は提案説明で「今後、個性、交流、安心のさらなる進化」と述べましたが、順番が逆さまであります。知事の言うとおり、県民が安心して暮らし、心豊かに生涯を過ごすことができる社会をつくり上げることが行政の基本的な責務であり、一番に安心が掲げられなければなりません。
日本共産党は県政における唯一の野党として、借金と土木費が全国トップクラス、暮らしを支える施策は全国最低クラスという税金の使い方のゆがみをただして、安倍政権の暴走から憲法と暮らしを守る防波堤としての施策を求める立場から、以下質問をいたします。
安倍政権はみずからの疑惑にふたをしたまま、TPP11承認案、カジノ法案とともに働き方改革なるものを強行しようとしております。安倍総理は「過労死の悲劇を二度と繰り返さない」と言いますが、全国過労死を考える家族の会の寺西笑子代表は衆議院の意見陳述で「過労死防止法に逆行する働き方改革関連法案強行採決は絶対にやめてください」と訴えるなど、首相の言葉は遺族には響いておりません。
長時間労働の規制が不十分なために今何が起こっているでしょうか。昨年実施された日本医労連の看護職員の実態調査では、県内でも「健康に不安」が五八・〇%に上り、驚くべきことに妊娠した人の五割が夜勤免除されず、三〇・八%の女性が切迫流産、一五・四%が流産している実態が明らかになりました。公務職場でも「平日は帰宅が朝三時、五時となり、軽く仮眠をとってもまた出勤。土日も仕事」との家族の悲鳴が上がっています。こうした状況を放置したまま、安倍政権が進める高度プロフェッショナル制度は労働時間の規制を全面的に適用除外し、過労死が自己責任にされてしまうものであります。
月残業時間百時間を合法化することとあわせ、安倍政権の働き方改革なるものは長時間労働・過労死促進法案という認識はあるでしょうか、お聞きをいたします。
厚生労働省が二〇一五年にまとめた労働経済白書では、一九九五年を一〇〇とした場合、一人当たりの実質労働生産性は一一九に伸びている一方で、一人当たりの実質雇用者報酬は約九九と横ばいであり、賃金が労働生産性との連動を失っていると指摘しています。まさに安倍政権の働き方改革なるものは、生産性の向上、多様な就業形態の普及に名をかりた破綻したトリクルダウンの焼き直しにすぎず、その政策をそのまま持ち込む谷本県政も問われます。
今必要なことは、過労自殺、ブラック企業に象徴される長時間労働を規制することであり、日本共産党は五月十一日、「「働かせ方」大改悪をやめさせ、まともな働き方改革を実現するために」とした労働基準法等改正大綱を発表いたしました。一日八時間働けばまともに暮らせるルールづくりを基礎に労働者の賃上げ、社会保障の充実で国民生活を立て直し、内需拡大による日本経済の再生を目指すために全力を挙げるものであります。
パートや契約社員など有期雇用で働く人が無期雇用に転換できる改正労働契約法の運用が四月から始まりました。この運用の趣旨を県出資の財団法人などへどう周知徹底したのでしょうか、お聞かせください。
トヨタなど自動車メーカー七社は、契約終了から六カ月たてば再雇用しても有期転換が適用されないという法律の抜け穴を利用して、同じ人を有期雇用で長期間使える仕組みを導入しています。県内でこのような事例はないでしょうか、お聞きをいたします。
会計年度任用職員制度の二〇二〇年実施に当たり、国の示したスケジュールによれば今年度中に関係条例の議会承認の上、来年、二〇一九年四月以降から募集開始と考えられます。
この会計年度任用職員には幾つかの大きな問題があります。第一は、任期の定めのない常勤職員を中心とする公務運営という公務労働の原則が崩され、限りなく非正規化が進むおそれがあり、結果として公務員が提供する住民サービスの低下が起こることであります。第二に、労働時間が数分短く、パートタイマーとされた者は期末手当のみとなり、退職手当も支給されるフルタイム勤務との間での待遇差が温存されることなどであります。
そこで、関連する条例制定に当たっての姿勢についてお聞きをいたします。衆議院の附帯決議にあるとおり、公務の運営は任期の定めのない常勤職員を中心とするよう、臨時、非常勤の正規化、正規職員の定員拡大を求めるものであります。見解を求めます。
さらに、非正規職員の処遇改善につながるようにし、不利益が生じることなく適正な勤務条件の確保を行うべきであります。答弁を求めます。
知事は「本県経済にはかつてない勢いがある」と言いますが、県民の実感とかけ離れていることはかねてから指摘しているように県内総生産の成長に比べて県民所得はほとんどふえていないという金沢大学の調査結果のとおりであります。事実、内閣府が五月十六日に発表した二〇一八年一─三月期の国内総生産、GDP速報は伸び率がマイナスとなり、個人消費など国内需要が軒並み落ち込んでいるではありませんか。知事が引用する日銀金沢支店の金融経済月報で「景気は拡大している」、「雇用者所得は着実に増加」というものの、その根拠の一つとなっているのは一人当たりの名目賃金指数であり、実質賃金ではありません。有効求人倍率一・九九倍も、この間指摘してきたように離職率の高い業種が繰り返し求職を出し続けていることが要因でもあります。総額四百億円と胸を張るいしかわ中小企業チャレンジ支援ファンドにとどまらない中小企業で働く労働者の賃上げへ、県としての直接支援が必要であることを強調し、次の質問に移るものであります。
議案八号にかかわって、地域未来投資促進法に関してお尋ねいたします。この企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律は、従来の企業立地促進法にはあった産業集積の定義も文言も全て削除されるなど、ものづくり集積地や産地への支援を放棄したものと言わなければなりません。
二〇一八年一月の予算委員会質疑で、県は新たに支援対象となる地域経済牽引事業者は一月末時点で機械分野で一件、IT分野で二件とのことでありました。法第十五条に牽引事業者からの地方公共団体への事業環境整備提案制度があり、その内容には何ら制約がないことから工場の立地を予定していた地域のゾーニングが住宅専用地域ならゾーニングの変更提案がされる、あるいは優良農地の安易な転用につながるとの懸念があります。県内における地域経済牽引事業者から具体的な提案はあったのでしょうか。その提案の是非を議論する仕組み、議会への情報提供、関与についてはどう考えているのでしょうか、見解をお聞きをいたします。
国民健康保険都道府県化が四月から始まりました。保険料の値上げにならないようにとの世論に押され、国による激変緩和措置が県内では十三の市町に適用されたとのことですが、今後の取り扱いについては未定とのことであります。加入者への保険料通知が始まりつつある中、加賀市では国保税算定に関する均等割、一人年間三万六千五百円を十八歳未満の子供は半分とする支援策を六月議会の補正予算に盛り込みました。子供が多いほど保険料が高くなるこの均等割の減免を市町が行えるよう、県として支援策をとるべきであります。見解を求めます。
石川県医療計画がパブリックコメントも受け、四月に策定されましたが、ようやく五月二十五日にホームページに公表されました。この中に既に策定されている地域医療構想も盛り込まれており、厚生労働省の二月七日付通達「地域医療構想の進め方について」では、年四回は地域医療構想調整会議を実施すること、地域住民の協力が不可欠であることから会議資料や議事録についてはできる限りホームページ等を通じて速やかに公表することとあります。住民からすれば近くの病院がなくなるのではないか、病気になったとき、ちゃんと病院にかかれるのかなどの不安が拭えないわけです。各都道府県のホームページ等で確認したところ、会議資料を公開していないのは茨城、石川、福井、徳島の四県だけであり、公表している富山県では富山大学病院のベッド再編計画も示されています。
そこで、厚労省の通達どおり地域住民の意見を酌み取るためにも四つの医療圏ごとの調整会議の資料などを公表するよう求めます。見解を伺います。
続いて、障害者雇用についてお聞きします。障害者に実際の職場に必要な職務を経験させることにより就業の自信を与え、事業主には障害者の職業能力等について理解を深めてもらうために障害者職場実習制度があり、今年度は昨年とほぼ同様、一千四百五十万円の予算が組まれています。しかし、ことし二月にある障害者の方がこの制度を使おうとしたら「予算がないので新年度の四月まで待ってほしい」と言われたとのことでした。昨年度の制度の活用実績はどうなっているのでしょうか、お聞きをいたします。
また、ことしの四月一日から障害者法定雇用率が引き上げになったことに鑑み、この制度の積極的な活用のための工夫が必要ではないでしょうか、あわせてお尋ねをいたします。
関連し、県民の声を謙虚に聞くというのであれば六十五歳以上心身障害者医療費助成制度の窓口無料化が求められます。予算を組み替え、窓口無料化のための予算を計上するよう求めて、次の質問に移るものであります。
知事の提案説明では、北陸新幹線敦賀延伸、東京オリンピック・パラリンピックを錦の御旗にして「道路や港湾などの整備をさらに進め、交流を一段と盛んに」と言いますが、今後の高齢化や人口減、過疎化の進行、高速道路や空港との整合性含め、バラ色に描くことができるでしょうか。今求められていることは安全と公共性の確保を前提とした鉄道行政の転換であり、並行在来線の経営分離を前提とせず、JRに社会的責任を果たさせていく立場から質問するものであります。
まず、この冬の積雪によるJR西日本の運休が続きました。かつての国鉄時代には考えられなかったことであり、JR西日本が新幹線中心となって赤字路線である北陸本線をおろそかにして除雪体制を弱体化させた結果ではないでしょうか。車両数を減らしたり、敦賀─金沢までの長距離運行も運休が続いた要因の一つではないでしょうか、県の認識をお伺いをいたします。
北陸新幹線は積雪に強いと対応をしてきたから運休がなかったのは当然であります。問われるべきは、北陸本線が積雪に対応できなくなっていることであり、北陸本線金沢以西区間がIRいしかわ鉄道になる際にこの教訓をどう生かすのかが重要であります。また、乗客の命と安全を最優先にするという点で県内のJR線、IRいしかわの無人駅はどこか、この際、県民の前に明らかにしてください。
また、駅員がいてもJR職員やIR職員ではない駅もあり、乗客の案内が中心になっているとも聞きますが、IRいしかわ鉄道では事故などが起こった際にはどのような対応がなされるのでしょうか、お聞きをいたします。
ここでも金沢以西区間を引き継ぐに当たり、乗客の安全を最優先にした対応を求め、次の質問に移るものであります。
補正予算では、投資的経費が三百八億円計上され、当初予算含め十年ぶりに一千億円台を超えました。県知事選挙で指摘したとおり、ゆがんだ税金の使い方をこのまま続けていいのかが問われます。今後、新幹線敦賀延伸に伴う建設費の増加、総工費が明らかでないまま加賀海浜産業道路を進めるのは幾らでも県税投入が可能という異常な事態のもと、県が目指している投資的経費を全国中位をめどに抑制することが本当に達成できるのでしょうか。四年連続県債残高を減らしたと言いますが、今後は増加に転じるのではないでしょうか。県債残高の見通しについてもあわせてお聞きをいたします。
身の丈に合った投資的経費に転換していく立場からお聞きするのは、金沢港の整備に当たってクルーズ船二隻同時接岸の対応と言いますが、実際年にどれぐらいあると想定しているのでしょうか。近代工芸館移転や鼠多門橋などを含め、投資的経費の見直しで全国平均並みにするという県自身の方針を実行するよう求めて、最後の質問に移ります。
先日、県内の特別支援学校にお伺いをしてまいりました。相次ぐ増築の跡が見られると同時に、子供の数がふえることを展望し、増築予算が組まれたものの、冬に体育館の一部を職員室として使わざるを得ず、来年春には現在の職員室が子供たちの教室として使われるとのことでありました。特別支援教育関係の児童生徒数は二〇〇八年の二千百四十七人から二〇一七年には三千四百六十五人と十年間に一・六倍に急増、一方で対応が追いつかず、教員の標準法定数から見ても教職員数は昨年度四十六人不足、一教室に複数のクラスが入っているところが昨年は二十二もありました。小松特別支援学校に通う能美在住の保護者からは、スクールバスはあっても学校まで一時間近くかかる。積雪のときは本当に大変だった。もっと近くに特別支援学校があればとの切実な声があります。
そこでお聞きをいたします。特別支援学校にかかわる児童生徒数が今後さらにふえることが考えられますが、どんな見通しをお持ちでしょうか。
また、今ある特別支援学校の増築だけでなく、通いやすいように地域性も考えて特別支援学校を新たに開設する必要性について現在どんな考えをお持ちか、お答えをお願いしたいと思います。
以上、知事、関係部長の答弁を求め、私の全ての質問を終わるものであります。
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