定例会

12月定例会 昨年度、決算認定の討論大要

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 臨時国会が12月14日まで延長されるという、安倍政権の暴走のなか、本日11月30日に石川県議会が開催されました。昨年度の決算認定にあたり討論にたちましたので、以下その大要を紹介します。
 日本共産党は、平成27年度一般会計決算、港湾整備特別会計決算の2件に反対、残余の決算には賛成します。 その理由を、決算特別委員として審査に参加するなかで明らかになったことも踏まえ述べます。 2014年12月の総選挙を前後して編成された2015年度国家予算は、2014年4月からの消費税増税による景気悪化とアベノミクスによる貧困と格差の拡大のなか、社会保障費自然増半分圧縮・大企業減税・軍拡という「3悪予算」となり、2015年4月のいっせい地方選をみこした「地方創生」予算となったのが、その特徴でした。 このもとで、安倍政権の暴走からくらしを守る防波堤としての役割を果たしてきたのかどうかが問われます。
 反対する理由の第一は、消費税8%増税による増収分が社会保障充実にあてられず、暮らしや中小零細企業の悲鳴に、積極的にこたえようとする姿勢が弱かったことです。 消費税増収分が初めて1年分入った額98億円、社会保障費増35億円との差額63億円は、国と同様「社会保障費の安定財源の確保」としたことは、既存の社会保障財源を置き換えたに過ぎず、到底県民の納得を得ることはできません。加えて、各種手数料・歴博入館料などを値上げしたことも見過ごせません。 世論と運動におされ、子どもの医療費窓口無料化に足を踏み出したものの、通院500円、入院1,000円の自己負担に固執しました。「三本の矢」などとして、中小企業振興条例も策定しましたが、その具体化も極めて不十分なものでした。県水の責任水量制の見直しをしても、水道用水会計は純利益5億円となり、累積欠損は5億円まで減少しました。今度は、単価引き下げなどの決断を求めるものであります。 県立図書館資料費は、この間のシーリングの対象となり、3,900万円から3,670万円に減少していたことも明らかになりました。新県立図書館の移転にあたり、さらなる予算の充実を求めるものであります。決算総額21億円の「地方創生」予算は、知恵を出して、中間層の疲弊や、貧困の拡大の解消に直接つながるものに活用すべきでした。
 反対する第2は、急ぐ必要のない大型開発優先の浪費構造が温存された決算になったことです。総務省による「統計でみる都道府県のすがた」の最新のデータでは、わが県はついに土木費1位、民生費38位、教育費37位という決算構造となりました。当初の土木予算577億円が最終的に815億円と238億円増え、その8割近い188億円を翌年度に繰り越すこととなり、監査委員の審査意見書にも「その目的に敵うよう計画的な執行に努められたい」と指摘されるほどです。この傾向は、ここ数年続いていることも審査のなかで明らかになり、予算の単年度主義を崩すものとして改善が求められます。これらの反省もなく、総工事費も明らかでないまま調査・設計・用地測量をすすめる加賀海浜産業道路の手取川架橋、1分の時間短縮に100億円もの税金を投入することになる白山トンネル調査費300万円、住民合意のないままの北陸新幹線敦賀延伸への負担金25億は円は認定できるものではありません。大企業コマツに1円の負担を求めていない金沢港大浜大水深岸壁の13メートル化工事は、11億5千万円を要したものの、水深12メートルでないと入れなかった貨物船はわずか年4隻しかないことも明らかになりました。その整備も2017年度完了予定だったものが、さらに4年延長され、県民負担がさらに膨れ上がることになりました。これに関連する港湾整備特別会計決算にも反対するものであります。
 反対する第3は、国まかせの原子力安全・防災対策、原発再稼働容認の決算となったことです。原子力防災・安全予算は決算約9億4,700万円余、うち県費は676万円余でしかありませんでした。核燃料税収入7億7千万円、電力移出県等交付金6億9,500万円余、保育所運営事業費などに使われる、周辺2市1町への電源立地地域対策交付金1.5億円など、原発マネーに頼らない財政運営への転換が必要です。志賀原発からの撤退を決断してこそ、県の「再生可能エネルギー推進計画」も本腰を入れたものになると強調しておきます。
 
 最後に数点意見表明を行います。市町村合併に関し、合併特例交付金に関わる元利償還金全額助成として、県が10市町に85億円800万円もの支援をしてきたことも明らかになりました。合併による様々な弊害が出てきているもとで、合併を推進してきた県として住民の声にきちんとこたえる責任があります。 輪島市門前地区の産業廃棄物処理場問題では、昨年度の県の環境審議会が開かれた際、処理場の浸出水を下水道接続することが議題となったことに関し、浸出水を下水道に接続することによって、どう安全になるのか、科学的根拠を示せなかったことは重大です。 農業分野においても、大企業コマツなどとの技術連携は熱心ですが、地域の伝統や文化なども支える中小規模農家の担い手育成という点では、なお相当の努力が求められていることを指摘しなくてはなりません。 県議の海外視察費1760万円余も認定できないことを述べ、討論とします。

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