県議会2026年1月第1回定例会で一般質問に立ちました。その一般質問と答弁を公開します。
○副議長(八田知子君) 佐藤正幸君。
◆佐藤正幸君
高市政権が内政、外交とも行き詰まり、とても国会審議に堪えられない、支持率の高いうちに議席の多数を得てしまえとの国民不在の総選挙。投票日まであと数日となりました。知事は高市総理との親密さをアピールし、自民党政治を県政に持ち込むのか、それとも国にあらがうべきときはあらがい、県民の暮らしを守るのかが直後の知事選でも問われます。
暮らしの面では、国民の世論に押されて二年限定の食料品消費税ゼロの検討促進を公約に掲げましたが、消費税減税が物価高対策に効果があると認めざるを得なかったことにほかなりません。これは知事も同じ認識でしょうか、見解を伺います。
しかし、財源をどうするのかは不明確であり、「二年間」、「食料品だけ」では効果は限定的であります。二年後に増税不況を県内にもたらすことになるとは考えないでしょうか、知事の認識を伺います。
今、世界ではタックス・ザ・リッチ──「富めるものに課税を」の声が広がっています。日本共産党は、大企業や富裕層への減税と優遇を正す公正な課税で財源をつくり、消費税の廃止を目指し、直ちに五%減税、インボイス廃止へ全力を上げるものであります。
賃上げに関しては、知事の言う事業者の稼ぐ力の強化という弱肉強食の振るい分けではなく、県内経済を下支えする中小企業への直接支援をさらに充実させるべきと強調して、次の質問に移ります。
暮らし応援に関して、デジタル地域通貨アプリで手続を済ませた方に一人七千円相当の給付を行うと言いますが、アプリをインストールできない高齢者の方、マイナンバーカードを持たない方などはその恩恵を受けることができません。慎重に検討すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
三年間で二倍に増えた軍事費をさらに増やして、「私には国際法は必要ない」と豪語するアメリカ・トランプ政権に一言も批判できない高市首相に、主要政党が問題にできず、日本の政治が右へ右へとなびく中、我々は暮らし、平和、人権、ぶれずに国民のために働く党としてのその役割を発揮したいと考えています。
次に、能登半島地震の被災者支援と復興に関してお尋ねをいたします。
一月十三日に公表された、県が昨年、二〇二五年一月から二月にかけて実施した被災者健康調査では、健康リスクがある要確認者が全体の一一・二%に当たる千八百三十人に上りましたが、結果公表に一年を要しました。「継続して調査」として、昨年度は十一月から十二月に調査したとのことです。
調査の目的である適切な支援を実施するためには、速報値を出して今後の対策に生かすべきと考えます。見解をお聞きをいたします。
この調査の結果、特に要確認者の状況や対応方針は被災者データベースに反映され、活用されている認識でいいのでしょうか。回答を求めるものであります。
七千百六十八戸整備された応急仮設住宅に約一万九千五百人の被災者が避難生活を余儀なくされ、仮設住宅での生活もやがて二年となり、いまだ次の住まいの展望を持てずにおります。昨年六月末に被災者の医療費・介護利用料免除が打ち切られ、県保険医協会によって九月から十一月までに取り組まれた影響調査が昨年末に公表されました。二千三百五十五件の回答のうち、六九・四%が「通院や診療内容に影響があった」とし、「通院回数を減らした」が八百九十一件、「通院をやめた」百六十九件。その理由は「一部負担金がかかるから」と全体の八八・三%を占め、自由記入欄には被災者の悲鳴がつづられております。「重度の糖尿病だが、一か月二万五千円もかかるので通院をやめました」、「肝硬変で半年に一回検査をしなければならないが、お金がかかるのでやめた」、「医療費免除が終了し、受診の回数を減らしたら体調が悪化し、入院することとなりました」、「物価高で生活費が増え、年金だけの暮らしは大変です。出費を抑えるために七月から通院をやめました。体調が悪くなっているのを感じますが、仕方ありません」。
懸念されていた受診抑制が実際に起こり、負担金が発生したことによって必要な医療が受けられなくなっている。これが偽らざる被災者の悲鳴であります。自由記入欄に書かれたこの思いを、知事はどう受け止めるでしょうか、所見をお聞かせください。
医療費の免除復活について、知事は「市町からの要望はない」と言いますが、被災者の要望は厳然と存在します。一月二十二日には、県内はもとより全国から市町等の保険者が免除再開できるよう、国や県に対して財政支援を求める旨の五万人を超える内閣総理大臣、知事宛ての署名が健康福祉部長に提出されました。奥能登の被災者は、「これ以上ぜいたくは言えない」など声を上げるのをためらう、この被災者の気持ちを酌む県政の温かさが必要であります。
市や町の担当者からは、国や県からの財政支援があれば再開したいとの思いも寄せられ、議会での国や県に財政支援を求める請願は九月の内灘町に続き、志賀町、羽咋市、宝達志水町、かほく市議会、珠洲市議会では趣旨採択となり、合計三市三町となりました。議会での請願採択を知事としてはどう受け止めるでしょうか、見解を伺います。
医療費の増加による国民健康保険税、後期高齢者医療保険料の引上げの懸念を理由にする向きもありますが、過剰診療が行われたわけではなく、被災による健康状態の悪化などで医療にアクセスできた結果であります。長引く避難生活で今後も医療ニーズが高まっていく下で、免除を打ち切ることは受診抑制を強いることになり、ひいては災害関連死にもつながりかねません。
災害対策基本法第三条に、国の責務として「国土並びに国民の生命、身体及び財産を災害から保護する使命を有する」とあるように、今県がやるべきことは免除再開のできない理由を述べるのではなく、国に免除再開に向けた財政支援を求めるべきと考えますが、知事の所見を伺います。
県や市町は、免除対象外の住民から不公平の声が上がっていると言いますが、それは「自分たちも対象にしてほしい」という支援の拡充を求める声として受け止めるべきとの指摘に真っ正面から向き合う必要があると考えます。
応急仮設住宅の入居期限について昨年七月十日、「引き続き一年を超えない範囲での入居が可能になった」と言いますが、なぜ一年の細切れにするのか。入居者は「これからも住み続けることができるのか」との不安を払拭できないでいます。「次の住まいが見つかるまで追い出すことはしない。最後まで私が責任を持つ」、このメッセージを知事が発信すべきと考えます。知事の熱意を聞かせてください。
復興公営住宅の家賃を三年間無償とする予算が計上されたことは「家賃が高過ぎる」との悲鳴に押されたものですが、なぜ三年間なのか。家賃が高くなる理由の一つには、工事費用について標準建設費の二倍近くになり、市町の負担が大きくなるからであります。国に対して、標準建設費のかさ上げを求めるのはもちろん、実際にかかった建設費に対し、必要な国の支援が入るよう求めるべきと考えます。県の姿勢を伺います。
無償化措置が終わる三年後には、被災者にとって何か経済的理由が好転する見通しがあるのでしょうか。家賃軽減策を四年目以降も行えるように、建設費用の国の支援が東日本大震災並みに行えるように国に求めるべきと考えます。知事の見解を伺います。
また、空き部屋が生じて家賃収入が減ることも家賃が高くなる足かせの要因であります。国土交通省の「中長期的活用を見据えた災害公営住宅の供給上の工夫について」とパンフレットもあるようですが、住民の声などに応えて、集会所としての活用、介護事業所の入居など有効な活用ができるよう、市町を財政的にも支援する県の役割発揮が求められます。所見を聞かせてください。
木造型の仮設住宅に入居している方から、「永住できるというが、玄関と言えるものがない。もっと血の通った建て方をしてほしい」との声が忘れられません。復興公営住宅の建設に当たっては、能登の人たちの要望を聞くとともに、その願いに応えた建て方になるよう、市町への県の支援が必要であります。県の姿勢を伺います。
能登支援に関わっている方からは、高齢者の入浴に関する要望が出されております。仮設住宅の風呂は狭く、介護者は入れない。独り暮らしの方はヒートショックや段差、風呂おけの高さの問題もあり、仮設住宅の集会所にお風呂を設置することを要望していたとのことであります。集合住宅型の復興公営住宅では、共同の風呂を設置し、民間の力も借りて簡易デイサービスのような活用、集会所のお茶会と入浴を結びつけるようなやり方などが期待されます。復興公営住宅に移った後も、高齢者に福祉の手が届くよう、県と市町が知恵を出し合うことが必要と考えますが、見解を伺います。
奥能登四病院再編に関しては、救急搬送を新病院だけにすることでいいのか。例えば、外浦地域では新病院への救急搬送、降雪期においては中山間地からの搬送などに時間がかかり過ぎるのではないかとの不安が寄せられております。現在の四病院にも、救急搬入の機能を持たせる必要があるのではないかと考えますが、県の所見を伺います。
一月二十一日には、厚生労働省の諮問機関である中央社会保険医療協議会が診療報酬改定に向けた公聴会を開催、石川県の医療関係者から人口減少や医療人材の流出に直面し、厳しい現状が訴えられたとのことでした。例えば、平時に病床稼働率を九〇%以上で経営を維持しようとすると、病床や人員削減が進み、感染流行時などで患者の受入れが困難になるとして、稼働率七五%から八〇%でも経営が成り立つ制度が必要との訴えでありました。新病院の経営ではこうした観点を盛り込むべきと考えますが、見解をお聞きをいたします。
さきの昨年十一月のタスクフォース会議では、例えば特別養護老人ホームでは被災により職員数が減少し、看護師の配置基準が満たない場合であっても介護報酬を減算しないという特例措置が厚労省通知によって講じられてきたとのことでした。介護サービスを再開した事業所においても職員不足が顕著になっていることから、介護サービス事業所の人員基準の緩和を被災後六十か月程度続けてほしいとの要望が出されております。国の対応状況はどうでしょうか、お聞きをいたします。
被災地における仮設商店街は、被災事業者にとっても地域住民にとっても支援ボランティアにとっても重要な役割を果たし、復興基金の市町メニューによって補助率十分の十、上限額一商店街当たり一千二百万円の支援が行われております。被災事業者の再建にはまだ時間がかかることから、許可期間の延長を求める声が上がっていると聞きました。
プレハブ型応急仮設住宅の耐用年数は、簡易建築物のため七年間とのことですが、仮設商店街の耐用年数はどの程度か。また、許可期間は設定されているのか。加えて、リース料など事業者の負担はどうなっているのかも併せてお聞きをいたします。
被災地でのボランティア活動をはじめ、復旧・復興に携わる人たちの宿泊先が不足しており、連休などでは車中泊を余儀なくされたり、他自治体からの応援職員もホテル泊の方もおり、ムービングハウスなど長期滞在可能な宿泊施設の確保を増設してほしいとの要望が出されております。
仮設住宅の空き家活用、起業向けのムービングハウス整備の予算も計上されましたが、今後、自宅の新築や家の修繕など民間の建築工事を加速させるためにも、事業者や人手の確保が求められている中、さらなる長期滞在可能な宿泊施設の確保への支援を国に要望すべきと考えますが、見解を伺います。
復旧の建築工事の入札不調も続き、新築住宅の建設、家の修繕なども数年後になるなど、順番待ちの状況があるようです。公費解体は、関係協会の協力も得て一定のロットで受注するなど様々な調整が行われ、復興公営住宅建設では災害公営住宅建設推進協議会が設立されたようですが、民間の建築、修繕関係でも工事が加速できるような環境を整える必要があると考えます。
次に、復興基金の市町メニューに被災宅地復旧支援事業があり、のり面、宅地または擁壁の復旧に対し、少額工事相当額五十万円の所有者負担を控除した額に対し、三分の二を乗じた額を交付するとのことでありました。しかし、宅地が公共用道路を挟んで一体的に活用されている場合は補助の対象外となるとして、タスクフォース会議でも要望が出されておりました。県の決断で補助の対象とすることは可能と考えます。県の姿勢を伺うものであります。
次に、農林水産の復興についてお聞きをいたします。
営農再開で不作付地八百ヘクタールのうち、避難などにより耕作者がいないなどの人的な理由によるものが約四割に当たる三百ヘクタールとなっています。この問題の解決に向けて、今ある農業法人が作付に当たる、新規就農者に担ってもらうなどの対策が必要と考えますが、取組状況をお尋ねをいたします。
漁港の復興には、地元の人たちの同意を大切に、漁を続けたいとの思いに応える姿勢に立って、県や国として市町を支援することが必要であります。
一月初めに訪れた輪島市管理の第一種漁港の深見漁港は、残念ながら黒島漁港とともに本格復旧が難しい、県管理の鹿磯漁港で漁を再開するとのことでありました。しかし、せめて深見漁港のテトラポットを移動して船を守って欲しいとの要望があります。また、昨年訪れた珠洲市の県管理第四種漁港の高屋漁港でも、油タンクが撤去され、製氷施設も今後撤去予定、狼煙漁港で油をポリタンクに詰めて高屋で給油。氷も別の場所に取りに行くことになり、高屋で取れた魚は午後の時間までに蛸島漁港まで片道三十分かけて運ばなければならず、操業時間も限られてしまうとのことでありました。コストの面でも負担がかかり、地元からは「地域の主要産業である漁業にしわ寄せが来ている」との悲鳴であります。県としても、テトラポットの移動やコスト増加への対応など、できる限りの支援が必要と考えますが、県の姿勢を伺うものであります。
次に、金沢港の機能強化として、大浜国際物流ターミナルの整備に七億円余の予算が計上され、これらの金沢港港湾計画に基づく総事業費は、昨年三月の環境農林建設委員会で推計で約六百億円との答弁がありました。大浜大水深岸壁整備は、大企業コマツ金沢工場のための事業と言われましたが、金沢港将来ビジョンでは「日本に寄港している韓国、中国航路のコンテナ船は年々大型化が進んでいる一方、金沢港は他港に比べ岸壁水深が浅く、大型コンテナ船が寄港できない」として、この岸壁をさらに延伸し、加えて新コンテナターミナルを整備するとしています。
これらの整備は、どんな企業の貨物の輸出を想定しているのか、お尋ねをいたします。
こうした大型プロジェクトを見直して税金の使い方を切り替え、中学校でも学校給食の無償化を、国保料統一へのかじ取りを中止し、国民健康保険料の引下げなど、暮らし応援の県政への転換が必要であります。
県知事選挙に向けての対決軸の柱の一つは、志賀原発からの撤退、高市政権の軍拡ストップであります。
昨年十二月二十三日、国土地理院は志賀原発の敷地に「変動地形学的には活断層であると判断することが妥当」と指摘をし、「推定活断層」と表記をいたしました。一方、中部電力が静岡県の浜岡原発三、四号機の基準値振動のデータを意図的に操作していた問題で、データ算出の委託を受けた事業者が過少となるよう操作した不正を認め、規制委員会は外部からの通報を受けるまで不正を見抜くことはできませんでした。我が党の調査では、中部電力が規制委員会に提出していた浜岡原発の原子炉設置変更許可申請書の資料の中にこの地質調査を委託した会社が三社あり、四国電力伊方原発を除く十一原発全てでこの三社のいずれかが地質調査に関わっているとのことであります。
志賀原発の地質調査を行っていたコンサルタント会社において、地震動の不正はなかったのかどうか、国に調査を求め、県としても独自に調査する必要があるのではないかと考えます。県の見解を伺います。
この間、小松基地には敵基地攻撃能力を持つF35A戦闘機が配備され、金沢港は自衛隊、海上保安庁が平素から空港、港湾を円滑に利用できるよう、特定利用港湾に指定をされました。高市政権の軍備拡大路線の中で、小松基地の機能強化、金沢港の軍港化につながるのではないかとの不安が広がっております。緊張を高めるのではなくて、紛争を戦争にしない外交で問題を解決するために全力を上げる必要があることを述べて、質問を終わるものであります。
○副議長(八田知子君) 馳知事。
◎知事(馳浩君) 佐藤正幸議員にお答えいたします。
消費税の減税についての御質問がありました。今般の衆議院議員総選挙において、各党が様々な形で消費税の減税を公約に掲げられていると承知しております。食料品の消費税をゼロとすることは、暮らしの支援として家計の負担軽減に一定の効果があると見込まれます。一方、消費税が社会保障制度の基盤として果たしている役割、期間終了後も含め減税が消費行動など社会経済に与える影響、消費税収の約四割は地方税財源であり、その減収は地方自治体の財政運営に多大な影響を及ぼすことなどについて丁寧に議論をしていただきたいと考えています。
物価高が喫緊の課題となっている中、暮らしの支援は必要です。国においては、消費税減税の議論に加え、国民所得を高める対策等も含め、物価高対策全般について議論を深めていただきたいと思います。
デジタル地域通貨についての御質問がございました。物価高対策であるデジタル地域通貨の給付については、北國銀行をはじめ県内の五つの金融機関と連携し、三月から開始したいと考えています。本事業は、既存のデジタル地域通貨サービスを活用することで速やかに支援をお届けし、地元消費の拡大や地域のキャッシュレス化を図るだけでなく、今後の防災対策強化の観点からマイナンバーカードの普及促進につなげることを目的としています。給付開始に当たっては、ホームページやコールセンターを開設するほか、北國銀行の店舗に相談ブースを設置するなど、手続をサポートする体制をしっかりと整備し、高齢者の方を含め、多くの皆様が受給できるように取り組んでまいります。また、マイナンバーカードについては、県として、引き続きその利便性や安全性について丁寧に周知を図り、本事業を契機に一人でも多くの皆様に取得いただきたいと考えております。
医療費の窓口負担の免除についての御質問がございました。被災された方々が必要な医療を受けられることは大変重要なことと考えています。また、県内五市町の議会において、国や県に対して財政支援を求める旨の意見書が採択されたことも承知しております。さらには先般、県は免除再開を求める全国からの署名を受け取りましたが、そのことを市町等に連絡したほか、市町等に寄せられた要望や市町議会での質疑等について県に情報共有いただくよう依頼をしたところであります。
いずれにしても、医療費の窓口負担免除の再開について、具体的に判断するのは市町等の保険者であり、市町等から再開に関する要望はお聞きしておりませんが、県に再開したいとの御相談があれば丁寧に対応いたします。
応急仮設住宅の入居期間延長についての御質問がございました。原則二年以内とされる応急仮設住宅の入居期間については、国との協議の結果、被災者の事情に応じて当面一年間の範囲で延長が認められたことから、現在、市町とともに二年から三年の延長手続を進めています。今後については、被災者のそれぞれの状況を踏まえて必要な方の三年から四年への延長について国と協議していくこととしています。
最後のお一人まで対応するのが県の使命であるとの強い思いを持ち、被災者お一人お一人が希望する住まいの再建を実現できるように、市町とともにしっかりと支援してまいります。
復興公営住宅の建設費についての御質問がございました。能登半島地震では、復興公営住宅の建設費に対する国庫補助率が四分の三となっているほか、残る地方負担分にも国による補助や特別交付税が措置されることとなります。また、建設用地の確保が課題であるといった被災市町の実情を踏まえ、県として国に財政支援の拡充を働きかけたところ、建設用地を取得する場合には家賃低廉化助成の補助期間が十年から二十年に延長されました。また、用地整備費を建設費の一部として補助対象とすることなど、手厚い支援制度となっています。さらに、被災地における労務費や資材価格などによる建設費の高騰を背景に、市町からの要請を受け、私自ら国に財政支援の拡充を要望した結果、先般、補助限度額である標準建設費が実勢価格も踏まえ、約三割かさ上げされたところであります。
今後も、建設費の高騰状況に対応した適切な補助限度額となるように国に要望してまいります。
復興公営住宅の整備についての御質問がございました。県では、復興公営住宅の整備に向けて整備主体となる市町を支援するため、昨年三月に復興公営住宅整備指針を策定しました。指針では基本的な要件として、集会所や広場の整備などのコミュニティ、環境負荷の低減やバリアフリーの計画などの住宅の基本性能のほか、地域特性、景観等を定めており、それらの整備費用は全て国庫補助の対象となっています。また、将来の公営住宅の需要減退に備え、福祉施設等への用途転換なども想定した計画、工夫が必要であることも明記しており、市町ではこうしたことも参考に、被災者からのニーズも踏まえ、整備計画を決定しています。
県としては、引き続き市町にきめ細かく助言をしていくほか、国に必要な予算の確保を働きかけてまいりたいと思います。
私からの答弁は以上であります。残余の御質問については担当部長よりお答えをさせていただきます。 ありがとうございました。
◎危機管理部長(竹沢淳一君) 志賀原発についてお答えをいたします。
中部電力の浜岡原子力発電所における基準地震動策定に係る事案につきましては、現在、原子力規制委員会が事実関係及び原因等の詳細な調査を行っていると承知をしております。県としては、高い関心を持ってこの調査の進展を注視をしているところでございます。
以上でございます。
○副議長(八田知子君) 新田町能登半島地震復旧・復興推進部長。
◎能登半島地震復旧・復興推進部長(新田町弘幸君) 私からは被災地での宿泊施設確保についてお答えいたします。県では支援者支援として、これまで全国の自治体からの応援職員や復旧活動に当たる事業者の宿泊施設の整備や、被災家屋を支援者向け宿泊施設として活用するための改修支援に加え、能登六市町の宿泊施設の空き室状況を一覧化し、ホームページ上で公開してきました。また、昨年十二月には建設型応急住宅の空き部屋について、地域の実情に応じて柔軟に活用できるよう、市町にガイドラインをお示ししたほか、起業を志す若者などの住まいとして、のと里山空港敷地内でコンテナ型の長期滞在施設を現在整備しているところです。
こうした宿泊施設の活用状況などを確認していくとともに、市町から現場の実情や課題を丁寧にお聞きし、必要に応じて国に対し特別交付税などの財政支援を要望するなど、しっかりと取り組んでまいります。
◎健康福祉部長(塗師亜紀子君) 私のほうからはまず被災者健康調査についてお答えいたします。令和七年度の被災者健康調査は、昨年十一月から十二月にかけて被災者への調査票の送付、回収を行いました。調査結果を今後の対策に生かすためには、専門家である有識者の分析、評価が必要と考えており、それを踏まえて公表したいと考えております。また、今年度調査につきましては現在、回答内容を順次被災者データベースに反映する作業を進めています。データベースに反映された情報につきましては、支援を担当する市町と常時共有が可能となっており、市町ではこの情報を基に支援が必要とされた方に速やかに電話や訪問等により状況の詳細を確認し、必要に応じて心のケアセンターにつなぐなど適切な支援を実施しているほか、どういった対応をしたのかの記録についてもデータベースに反映しております。
次に、復興公営住宅での高齢者支援についてですが、仮設住宅入居者等が復興公営住宅に移り住んだ後においても、現在、被災地で実施している被災者の見守り・相談支援についてはそれぞれの市町において継続されるものと承知しています。そのほか、独り暮らし高齢者などに対しては、民生委員による見守りに加えて保健師等が家庭訪問を行うお達者ですか訪問事業や傾聴ボランティアの派遣といった既存の事業も活用しながら、引き続き市町とも協力して支援が必要な方を早期に発見し、必要なケアに切れ目なくつなげてまいりたいと考えています。
次に、奥能登の四病院及び新病院の医療機能についてお尋ねがありました。奥能登での救急機能の在り方や新病院の規模などの課題については、来年度策定する基本構想において検討してまいります。奥能登地域の持続可能な医療提供体制の構築には病院経営の視点も踏まえる必要があり、新病院の建設に当たっては将来の人口推計、収支を見込んだ上で適正な病床数や医療機能などを決めていくこととなります。
最後に、介護サービス事業者の人員基準緩和の要望についての国の対応でございますが、国からは「介護サービス事業所の人員配置基準について、被災により一時的にその基準を満たすことができない場合には柔軟に取り扱うことが可能とお示ししており、こうした柔軟な取扱いについては具体的な期限等はお示ししていないが、引き続き市町村の実態等を丁寧にお聞きしながら、今後も運用していくことが必要と考えている」との回答がございました。
以上でございます。
◎商工労働部長(西村聡君) 仮設商店街に関する御質問がございました。
仮設商店街の耐用年数は整備した施設によって異なるため、具体の数字は申し上げることはできませんけれども、設置の期間につきましては整備した各市町が設定しており、ほとんどが二から三年程度の許可となっております。また、リース料につきましては独立行政法人中小企業基盤整備機構が全額負担しているほか、土地の造成費や看板の設置に係る経費などは市町が復興基金を活用して支援しており、事業者の負担は最小限となっております。
被害の大きかった奥能登では本格的な再建が長期に及ぶことから、リース料も含めた仮設商店街の整備等に対し、引き続き支援いただけるよう、国に対して要望しているところでございます。 以上でございます。
◎農林水産部長(吉田健一君) 私からはまず不作付地での取組状況についてお答えいたします。人的な原因による不作付地の三百ヘクタールにつきましては、奥能登営農復旧・復興センターが約八百人の耕作者に対しアンケートを行った結果、自ら作付できないので他者に委託する意向はあるものの、預け先がないなど多くの農地で作付の見通しが立っていないことが明らかになりました。このため、センターでは農業法人等の担い手がこうした農地を引き受けられるよう、省力化、効率化のための新技術や機械等の導入支援を行うとともに、農作業受託者の掘り起こしに加え、担い手が主体となった農作業受託組織を昨年十月に設立し、奥能登地域の四か所に相談窓口を設置しております。現在、農作業の委託意向を示した地区別の圃場マップを作成することなどによりまして、受託する担い手とのマッチングを精力的に進めているところでございます。
こうした取組を通じまして不作付地を解消し、来春の営農再開につなげてまいりたいと考えております。
次に、漁港への復旧支援についてですが、輪島市が管理する深見漁港につきましては地盤隆起による被害が顕著なことから、現在、輪島市で漁港の在り方を検討しているものの、検討には時間がかかるため、県では一日も早い操業再開を優先し、隣にある県管理の鹿磯漁港を利用できるよう、船揚げ場の応急復旧を行ったところでございます。
深見漁港の今後につきましては、管理者である輪島市に対し、地元漁業者の声を届けつつ、必要に応じ技術的な助言等を行ってまいります。
また、漁業共同利用施設の復旧につきましては、事業主体である県漁協が地元との調整を経て行っております。狼煙漁港高屋地区における施設の解体撤去に伴う影響などについても地元の理解を得て決定されたものと聞いております。
県としましては、県漁協が行う共同利用施設の整備に対しまして国の補助への上乗せ補助を行うほか、荷さばき所が本格復旧するまでの間、かなざわ総合市場までの輸送費の助成など、引き続き支援してまいりたいと考えております。 以上でございます。
◎土木部長(本田琢君) 私からはまず被災宅地等復旧支援事業についてお答えいたします。被災宅地等復旧支援事業は、あくまで住宅の再建支援を目的に被災前に住宅に利用されていた宅地を対象に実施しており、住宅と同一敷地内で一体的に利用され、切り分けが困難な駐車場や納屋などの敷地も支援の対象としております。一方、議員お尋ねの公共用道路を挟んだ向かい側の土地については、住宅と一体的に利用している宅地とはみなせないことから支援の対象外としております。
なお、市町が地域の実情を踏まえ、復興基金の市町への枠配分等を活用し、独自に支援制度を設けることは可能であり、その旨、改めて指導や助言を行ってまいります。
次に、金沢港の整備についてお答えいたします。昨年三月に改訂した金沢港港湾計画では、大浜地区を核とした物流機能の強化に向けて、大浜大水深岸壁の延伸や大浜沖合でのコンテナターミナルの整備に取り組むこととしております。これらの施設は、一、建設機械や産業機械、二、化学工業品や繊維工業品、三、特色ある工芸品や食料品などを製造する地元企業の輸出の利用を想定しております。以上でございます。
〔佐藤正幸君発言を求む〕
◆佐藤正幸君 では、知事に一点だけ再質問いたします。
私は、復興公営住宅の家賃について四年目以降も何らかの対策が必要ではないかということで幾つか国への支援策などについて質問しましたが、定かなお答えがありませんでした。知事はおとといの答弁で「三年の間に生活を安定してほしい」と言いましたが、そんなことが本当にできるのか。四年後、年金が上がるのか。被災者からは「この三年のうちにもう死んでしまいたい」、そういう声まで上がっている、これが今被災者の実態だと思うんですよね。
四年目以降の家賃の減免についても今から何らかのことを検討しておくべきだと私は思いますけれども、知事のお考えをお聞かせください。










