2023年12月議会が12月1日から始まりました。この日、2022年度決算について反対討論に立ちました。以下公開します。
日本共産党は、一般会計と国民健康保険特別会計決算の2件に反対。決算特別委員会において、委員外議員として審査に参加するなかで明らかになった点をふまえ、以下反対する理由を述べます。
昨年度は3月の知事選挙で28年ぶりに知事が交代し、6月補正予算以降、馳新知事の政治姿勢が盛り込まれた予算となりました。新型コロナウイルス感染症の流行が、昨年7月から9月末のオミクロン株BA.5による第7波、12月から今年1月末までの第8波と続き、死亡者数が増加する結果となりました。これらの点を決算認定の柱にすえた際、反対する第1は、新型コロナ対策が、重症化しないから大丈夫などの楽観論による、戦略なき「成り行き任せ」の、政府の対応の枠内であるからです。
コロナ対策の決算総額は660億6、000万円余。その財源は、感染症緊急包括支援交付金など国庫支出金480億8,000万円余、地方創生臨時交付金などの諸収入144億8,000万円余。県の一般財源22億6,000万円余、とのことでした。
主な事業は、病床確保医療機関支援金201億円、軽症者等療養施設確保267億円、検査体制の確保78億8千万円、県民旅行割と全国旅行支援で160億円。
しかし、健康福祉部のコロナ対策の不用額が17億8、000万円ほど生じ、高齢者施設等クラスター発生時応援職員相互派遣事業費補助金6億6,000万円余、病床確保料8億1,600万円余、PCR等検査無料化で1億2,300万円余であり、新規感染者数の減少に伴ったものとの説明がありましたが、実際の現場では「発熱外来は4時間待ち」「高齢者施設でクラスターが発生し、あまりの激務に職員が泣きながら対応している」など「医療・介護の現場は限界」と痛切な悲鳴に十分こたえることができなかったのが実態でした。ここから教訓を導き、いち早く陽性者を見つけ出し、保護・治療するとの公衆衛生の基本にたち、抗原検査キットを医療・介護施設に備蓄しておけるようにする、県民が気軽に無料で検査が受けられるようにするなどの対応が求められます。
反対する第2は、前知事の「継承・発展」どおり、暮らし後回し・大型開発優先の財政構造が温存された決算構造だからです。金沢港大浜大水深岸壁堆積土砂浚せつ事業の県負担分4億8,900万円余、加賀海浜産業道路建設25億8,100万円余などは、その優先度が問われます。
一方で、県内でも広がる市町の学校給食無償化への県の支援策、加齢性難聴の方への補聴器購入助成制度の予算付けは行われませんでした。国民健康保険特別会計については、子どもの均等割ゼロなど市町の保険料軽減への積極的姿勢が見られないことから、反対するものです。
反対する第3は、原発・石炭火力に依存する決算だからです。昨年9月1日、知事はようやくカーボンニュートラル宣言を行いましたが、再生可能エネルギー導入・省エネ対策に本腰が入った決算とは言い難いからです。
危機管理監室の原子力防災・安全対策決算、総額7億100万円に対し、県費はわずか0.45%の313万円と国任せ。主に中小企業の再生可能エネルギーの導入を支援する融資制度は年々その利用が減少しており、固定価格買取制度による買い取り価格低下が主な要因ではあるものの、県内の再生可能エネルギー潜在能力は、県全体の電気使用量の3.5倍あることが、環境省の資料でも裏付けられており、更なる県の努力を強める余地は十分に存在しています。
これらを指摘し、討論とします。