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9月26日予算委員会の質疑・答弁を公開します

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9月26日、予算委員会が開かれ、質問しました。未定稿ですが、公開します。

◎佐藤正幸委員

  一般質問ができなかったこともありますので 、日本共産党を代表して 質問をいたします。

  まず 新型コロナウイルス感染は、第9 波に入ったと言われており、県内の医療機関では複数の病院でクラスターが発生をし、入院制限、面会制限、そして 職員の休業による人員不足 が起こっているとのことであります。 7月末には 定点報告第30週で 定点あたりの患者数が能登北部で52.50と極めて高い値となりました。

  こうしたもとで 医療機関からは、「国や県からの注意喚起や啓蒙もなく、日々 感染に対応している医療機関や施設と一般住民との意識や行動の差が激しくて、働く職員は心身ともに疲労が激しく、県に対しては 現状を危機とする対応をお願いしたい」という声が寄せられております。

 そこでお聞きするんですけれども、医療機関や高齢者施設の職員が出勤前に抗原検査を行って感染の有無を確認することが重要だと考えますが、切れ目なく抗原検査キットが入手できるよう、県として支援してほしいという要望をお聞きしました。県としては、医療機関や高齢者施設における抗原検査キットの活用をどのように支援してきたのか、ということをまずお聞きしたいと思います。 

◎柚森直弘健康福祉部長

 県ではこれまで、医療機関や高齢者施設に対して職員の一斉検査や感染が疑われる入所者 、利用者に 速やかに検査を行ってもらい、感染者の早期発見、まん延防止を図るため、医療機関等からの申請に基づき、約160万回分の抗原検査キットを無償で配布してきております。 現在も継続して実施しているところでございます。 

◎佐藤正幸委員

 一斉検査ということもありましたけれども、 この報告が特に職員数の多い医療機関では少し煩雑で、なかなかこ れは使いにくい という声も寄せられております。

  医療現場からすると、病院として常に一定の在庫を持っておいて、 そして 職員に風邪の症状があったり、 あるいは 感染者と接触した場合には、速やかに抗原検査キットがその職員に届くように一定の在庫を持っておきたいと、そういう要望も寄せられておりますので ぜひ そんなふうに改善ができればお願いをしたいというふうに思っております。

  次に 6月の補正予算でようやく 医療機関や福祉施設に物価高騰対策支援金が支給されるようになりましたが、 有料老人ホームは対象外、介護施設の通所系や訪問系のみなし指定のところは除くとされていることに少し疑問の声が上がっております。

  同じ介護サービスを提供しているのに、なぜ補助の除外となったのか、その理由をお聞きするとともに、今からでも支給対象とすべきと考えますけれども、見解をお聞かせ願いたいと思います。 

◎柚森直弘健康福祉部長

  物価高騰対策支援金については、収入が介護報酬などの公定価格となっており、 電気料金などの上昇分を価格転嫁できない医療機関、社会福祉施設等に対し、支援金を支給するものでございます。

 ご指摘の有料の有料老人ホームのうち、収入が公定価格である介護報酬が含まれる介護付有料老人ホームは 支援金の支給対象としておりますが、収入に介護報酬が含まれない住宅型有料老人ホームは、本事業の趣旨から対象外としております。

 また医療機関等が診療報酬上の指定を受けた際、介護サービス事業者として指定されたとみなされる、いわゆるみなし指定の事業所につきましては、医療機関等をこの支援金の支給対象としておりますことから、介護サービス事業所については 対象外としております。この取扱いは、変更する考えはございません 。

◎佐藤正幸委員

  有料老人ホームの関係者の方からすると、全て価格に転嫁できるわけではない という声や あるいは 診療所附属の介護事業、こでは通所事業を実施しているにもかかわらず、 通所の介護は対象、だけど通所リハビリテーションの方は対象外となっている場合もあるようですので、 ぜひ ちょっと 現場の声をよく聞いていただいて、必要な支援が届くように 是非お願いをしておきたいというふうに思います。

  次の質問に移りたいと思います。

  9月から 物価上昇が続き、しかし今回 提案された県の補正予算は、 暮らし応援の手立ては極めて貧弱ではないかと考えております。 加えて、いよいよ 10月から消費税のインボイスが実施されることになり、零細業者に深刻な影響を与えることになるのではないかと思います。

  昨年12月議会の私の文書質問に対して。 県は機械的に試算したところ、個人、法人合わせて本県の免税事業者は約4万4000者、 その割合は事業者数の約60%と推計されると回答しております。

  東京商工リサーチが北陸3県の企業を対象に調査を行って回答した 160社、そのうち7%に当たる 11社は、「制度開始後 免税業者とは 取引しない」と回答したそうです。 合わせて「開始時に混乱が生じる可能性がある。 国の支援や取引先の中小零細業者への配慮が必要」と指摘され、また「免税業者では取引の打ち切りを求められるケースが懸念されている。小規模事業者の廃業を加速させないための 慎重な制度運用が求められる」と指摘しています。

 第一に 間もなく10月実施にあたるこのインボイスの実施にあたり、どんな影響があるというふうに県としてはお考えなのか、お尋ねしたいと思います。

◎内田滋一 総務部長

  インボイス制度実施に伴う、従来、免税事業者だった事業者への影響につきましては、 まず インボイスを発行するため課税事業者になることを選択 いたしますと、新たな税負担が生じることとなるという点があります。 一方で 課税事業者になることを選択しない場合 新たな税負担が生じませんが、 インボイスが発行できないことに伴いまして、 取引先の税負担が増加することとなります。 特に、この2点目のように 課税事業者になることを選択しない場合には、取引を打ち切られる可能性があるとの不安の声があると 承知しております。

  これに対しまして、国においては 制度導入に伴う影響を抑えるため、 6年間の経過措置として、 免税事業者からの仕入れにつきまして、インボイスがなくても一定割合の仕入れ税額控除を認め、税負担を軽減する措置を講じているところでございます。

  なお、免税事業者との取引において優越的地位の濫用によって 免税事業者が不当な取り扱いを受けないよう、公正取引委員会による監視も 強めているというところでございます。 

◎佐藤正幸委員

 免税業者の方からすると、どちらになっても地獄の道 という声が聞かれております。

 機械的な試算ということで、4万4000者、県内免税事業者がおいでになるということで、じゃ、この様々な要因が懸念されている中小業者への配慮を県としてはどう進めようとしているのかということを これは商工労働部長になりますか、お願いいたします 。

◎米永祐子商工労働部長

 県では、国や商工会議所 商工会などの関係機関と連携しながら、小規模事業者も含めた 県内の事業者の皆様に対しまして、セミナー等による インボイス制度の周知、それから 専門家派遣による支援などを行っております。 来月の制度開始以降も関係機関と連携しながら事業者の状況把握に努め、必要な支援を行ってまいります。 

◎佐藤正幸委員

  ぜひきちっと調査もしていただいて、私はこの制度の中止を国に求めてほしいということを要望しておきたいと思います。

  次に紙の保険証廃止、マイナンバーカードの強制に関して、皆さんご存知の通り、誤った情報の登録が相次いで、来年秋の実施中止を求める声が強まっております。

 宮崎県では 知的障害者向けの療養手帳の交付を受けている 約1万2000人の方に対して、2336人分でマイナンバーに別の療育手帳の情報を紐付けしていたケースがあったと発表して、 情報連携の停止、謝罪の文書送付を行ったと聞いております。

  厚生労働省は、6月にも静岡県で今度は 障害者手帳の情報とマイナンバーの紐付けを誤ったという事例が62件確認されたことを受けて、全国の自治体に対して、療育手帳や精神障害者保健福祉手帳の情報を含め、マイナンバーとの紐付け方法の点検を要請したと私は理解しております。

  県内ではこうした県の行政に関わる マイナンバーのトラブル事例は起こっているのかどうか、実情をお聞かせいただきたいと思います。 

◎内田滋一総務部長

  マイナンバーを利用している県業務は、障害者手帳などの福祉関係、就学支援金などの 教育関係など 計34業務において利用をしております。 これらの県業務の利用にあたっては 、現在までにトラブルは発生していない状況でございます。 

◎佐藤正幸委員

 起こっていなくて安心した面はあるんですけれども、しかし、やっぱり人間のやることですので、様々なトラブルが起こるということは間違いないと思いますので、私はこれも是非 秋の運用中止をぜひ 国に求めていただきたいというふうに思っております。

  次の質問に移りたいと思います。

  特別支援学校について、これは教育長にお答えいただくことになると思います。 

 県立いしかわ特別支援学校知的障害教育部門高等部の新校舎建設に関して、保護者説明会が行われたというふうにお聞きをいたしました。

 「高等部は金沢向陽高校の新校舎に行ってください。小学部、中等部も 通学区域を見直します」という説明で、保護者から戸惑いと不安の声が今 広がっています。 直接お話をお聞きしました。

  まず誰を対象に、何回説明会を行ったのか、 参加人数など具体の内容をまずお示していただきたいというふうに思います 。

◎北野喜樹教育長

 いしかわ特別支援学校の知的障害教育部門高等部の新校舎建設は、いしかわ特別支援学校と明和特別支援学校 双方の児童生徒数の顕著な増加に対応し、 両校の教育環境改善を行うために行うものでありまして、 いしかわ特別支援学校と明和特別支援学校の全ての保護者を対象に機会をとらえて 丁寧に説明を行ってまいりました。

  本年 3月には、それぞれの学校で保護者に対しまして、近年の特別支援学校の児童生徒数増加の現状、それからいしかわ特別支援学校の新校舎開講の見通し、明和特別支援学校の児童生徒の通学区域の変更、インクルーシブ教育の方針などについて説明を行い、合わせて104名の保護者にご参加をいただきました。

  また、8月には 各校におきまして、学校指導課の方から新校舎が開校する令和7年度からの通学区域の変更の具体的な内容も加えて説明を行いまして、 合わせて88名の保護者にご参加をいただきました。

  さらに各校で行われております体験入学におきましても、保護者 244名に対しまして、 8月の説明会と同様の内容について説明を行ったところでありまして、 今後とも 保護者の皆様に丁寧に説明をしてまいりたいと考えております。 

◎佐藤正幸委員

  通学区域の見直しの具体的なものも示されて説明会があったということです。 そこで非常に不安の声が広がっているわけですね。すなわち お聞きしますと、現在の通学区域は、金沢市の浅野川以北はいしかわ特別支援学校、 犀川以南は明和、犀川と浅野川の間はどちらも選択可能という今運用だと思うんですけれども、しかし、新校舎設立の令和7年度以降はこの選択区域が変更になって、いしかわ特別の方にうつらざるを得ない人が出てくるというようであります。その対象も高等部だけではなくて 小学部 中学部も対象になるということで、今まで明和に通っていた子が いしかわの方に通わざるを得なくなるということへの不安でした。 中には、 中等部は明和だけれども、高校入学にあたって いしかわの方に行かざるを得なくなるという方、 あるいは高等部最後の1年間が転校になってしまうという方もおいでになるようであります。

  ご存知のとおりに、障害児の方々は通学時間が長くなる、 あるいは 担任が変わる、環境が変わると本当に不安定な方もたくさんおいでになるとお聞きをいたしました。子どもが適応できるのか、 あるいは 親御さんも 例えば車の通学への支援が今まで通りにできるのか、不安の声が持たれてる方がおいでになります。

  私はそういう点で この通学区域の見直しについては 機械的に行うのではなくて、子どもの立場に立って 現在選択可能な地域の子どもは現行通り 選択可能だというふうに運用してほしいという声をしっかり受け止めていただきたいというふうに思いますけれども、 教育委員会としてはどんなふうにお考えになっているのでしょうか。 

◎北野喜樹教育長 

 いしかわ特別支援学校と明和特別支援学校の両校の教育環境の改善を図るために、いしかわ特別支援学校新校舎の開講に合わせて 両校の通学区域を見直すこととしております。

  今ほど ご指摘がありました通り、新校舎が開校する令和7年度からは、現在両校を選択できる浅野川と犀川に挟まれた区域、それから現在は明和特別支援学校に通学いただいている犀川以南の金沢市で、JR北陸本線よりも海側の区域にお住まいの児童生徒については、原則いしかわ特別支援学校へ通学していただくこととしました。今ほど、ご答弁した通り、 保護者に対して丁寧に説明をしているところでございます。

  今後とも 保護者の方のそうした 要望にも耳を傾けながら、対応できるかどうか も含めまして検討するとともに、 保護者に対して丁寧な説明をしてまいりたいと、こんなふうに考えております 

◎佐藤正幸委員

  原則 そうだということで 丁寧に という話はあったんですけれども、私は是非ここで明言をしていただきたいというふうに思うんですね。

  関係者の方から手紙もいただきました。 例えば 息子も担任が変わるたびに 情緒不安定になるとか、それから 障害持ってる関係で環境が変わると、例えば 階段があったりとか教室が変わるとか、そういうことに慣れるのにやっぱり数年かかる場合もあるという訴えもあるんですね。そういう点では 単に、言葉は悪いですけれども、数合わせ みたいなことにはせずに、やっぱり子どもたち の立場に立った対応を私は、ぜひ明言をしていただきたいというふうに思っておりますが。

  より根本的な問題がどこにあるかと言うと、これはもういしかわ特別支援の高等部の移転だけではない問題になったということになると思うんですね。 今回 資料を見ますと、移転予定の27 学級 200人ということだと思います。高等部の新校舎だけではもう追いつかないぐらいに大変マンモス化しているというか、ですから高等部に通う生徒をここに集約して 、いしかわ特別支援のスペースが空くから、小中もそこにみたいな そういうふうなことになるから問題が起こるのではないかと。学校の整備が追いついていない。

 私は、いしかわ・明和ともに設立時の想定は210人だったと聞いております。それが今いしかわが453人、もう2倍超、明和は360 人となっていて、教育委員会からの資料によると、収容人数の限界はいしかわ 450人超、これもだいたい もう ほぼ 超えているような状況だと思います。 明和は400人というふうに一応限界示されましたけれども、 一体その根拠は何なのか、ということや、私は今でも限界に達しているんじゃないかというふうに思うんですけれども、 教育委員会の認識をお尋ねしておきたいというふうに思います。 

◎北野喜樹教育長

  特別支援学校の小中学部では、1学級の児童生徒数は6人以下、高等部の1学級の生徒数は8人以下と法令で規定されておりまして、今ほど ご指摘のありました収容上限というのは、この学級ごとの上限の人数といしかわ特別支援学校と明和特別支援学校で それぞれ小中学部と高等部の普通教室として確保できる教室を基に、県教委において参考数値として算出をした数字でございます。

 現在、両校におきましては、教育活動に影響が出ない範囲で、美術室や生活体験等などの特別教室を普通教室として使用する、一部の教室を人数の少ない複数の学級で使用するなどの工夫により普通教室を確保している状況でございまして、県教委では いしかわ特別支援学校の新校舎を建設するとともに、明和特別支援学校との通学区域を見直すことで、両校の教育環境の改善を図っていきたいと考えているところでございます。 

◎佐藤正幸委員

  今お話しあった通りに、特別教室を普通教室として使っているとか、一つの教室を間仕切りして使っているとか、それが常態化しているわけですよね。私は、丁寧な援助が求められている児童生徒の立場に立って、 しかもそれを支えようとしている必死に努力している教員の多忙化の実態を真正面から是非 受け止めていただいて、関係者の要望通りに私は少なくとも全ての市に特別支援学校分校を配置するという整備計画を持っていただきたいというふうに考えております。

 大事な問題なので 教育長、改めてお聞きしますけど、この通学区域の見直しについて、原則はそうだというふうにおっしゃいましたけれども、丁寧な対応をしたいというふうにもおっしゃいました。 一人一人の保護者の方の意見を聞いて、それは 柔軟に対応するというふうに理解してもいいのかどうか、 少し突っ込んでおきたいと思います。 

◎北野喜樹教育長

  先ほど申し上げました通り、保護者の方に様々な要望があるということは承知しておりまして、そうした保護者の方の要望にも耳を傾けてまいりますが、対応できるかどうかということも含めて、しっかり検討するとともに、保護者の方には丁寧に説明をして参りたいとこのように考えております。 

◎佐藤正幸委員

  是非検討していただきたいというふうに思います。

 それでは 次の質問に移ります。

 若干 時間が押してきたのもありまして、質問を飛ばすかもしれませんけれども すいません お願いいたします。

 北陸鉄道石川線に関して 沿線市町の首長会議において、存続が合意されたということについて お尋ね をしますが、私は公益的な観点からもっと県が積極的に関わるべきではないかというふうに考えております。

 検討会で様々な角度から協議されましたけれども、鉄道の環境負荷の低さについては検討が少し弱かったのではないかという印象を持ちました。

 改めて単位輸送あたりの CO2の排出量、旅客輸送では、鉄道は乗用車の13%、航空機の17%、バスの30%とされて、BRTとの比較でも圧倒的な優位にこの鉄道路線があると思っております。気候危機の打開や脱炭素社会に向けて、この鉄道路線というのは失ってはならない共通の財産ではないかと 私は考えております。

  鉄道網の維持活性化は、脱炭素社会に向けた重要な柱に位置づけるべきではないかと思いますけれども 県の認識はいかがでしょうか。 

◎高橋実枝企画振興部長

  まず、今議会でお諮りしております石川県成長戦略におきまして、人口減少社会にあっても鉄道をはじめとする地域公共交通の維持・確保・充実を図るとともに、運輸部門における温室効果ガス排出削減の取り組みとしまして、より環境負荷の小さい 輸送への転換、いわゆるモーダルシフトを促進することを位置付けているところでございます。

 鉄道は委員ご指摘がございましたけれども、バスや航空機と比較しても温室効果ガス排出量が小さく、脱炭素化社会に向けた役割は大きいということから、今後の鉄道存続の議論に当たりましては そうした観点も考慮すべき重要なポイントの一つになるものと認識しております。 

◎佐藤正幸委員

 時間の関係で1問 飛ばします。

 これは要望ですけれども、この機会に鉄道駅中心にして コミュニティバスを走らせるとか、あるいは 高校通学の方の定期をもう少し低減するとか、そういう策も県として 是非支援をしていただきたいというふうに思います。これは 答弁結構ですので、要望としてお伝えをしておきたいと思います。

 最後に、この問題で 知事にお答えいただきたいのは、 今 北陸鉄道が上下分離方式を提案しているということはご存知の通りですが、考えてみるとこの上下分離というのは非常に合理性もあって、今整備新幹線がそうなっているというふうに思います。そういう点ではこれは 民間任せ、地方任せにせずに上下分離の検討する上でも、国に財政支援を上下分離にあたって 是非もっと強めてほしいという立場で国に要望していく必要があると思いますけれども、知事としてはこの辺はどんなふうにお感じになっているのか。 

◎馳浩知知事

 人口減少に加えて 新型コロナウイルス感染症の影響による利用者の減少や、燃料価格の高騰などによる経営環境の悪化により、地域公共交通、中でも地方の鉄道路線の維持確保は全国的な課題です。このため、県では従来から国及び沿線市町と協調して、レール、枕木の交換や車両の更新などの設備投資に対する支援を行って、輸送の安全確保を図ってまいりました。さらには、国に対して地方鉄道の維持確保に向けて 既存の補助制度の拡充や、事業者の減収分を補填する新たな補助制度の創設など、地域の実情に応じた支援策を講じるよう、全国知事会等を通じて要望しているところでありまして、引き続き地方鉄道の維持確保にしっかりと取り組んでまいりたいと思いますし、いわゆる地域公共交通活性化再生法は 議員立法でできたものですが、先般 改正もされました。より一層、地域として県としても関わることが重要な位置づけになってきていると思います。

 改めて、そうは言っても関係市町の皆さんの様々な利用促進策、アイディアなども踏まえまして、県としても十分にお話をお聞きして、国との調整にあたってまいりたいと思います。 

◎佐藤正幸委員

  是非、こういう時にこそ、国会議員時代のパイプをぜひ活用していただきたいというふうに思います。

  次の質問に移りたいと思います。

  県の成長戦略に関して、再生可能エネルギーなんですけれども、今議会に条例制定をされましたが 、目標の1つの全国学力調査の平均正答率が掲げられたままでありました。大変残念でした。先の6月議会でも私 取り上げましたけれども、過度な競争を強いることにならないのか、 あるいはそういう声が関係部会でもパブリックコメントでも上がっていたにも関わらず、残念ながら 掲げられたままでした。

 何よりこの成長戦略で大きな問題になるのは、明文化はされていませんが、志賀原発再稼働を前提としたものになってると 私は理解しております。これはカーボンニュートラルの本気度も問われるものになっていると思いますが、その点で、先の8月の環境農林建設委員会の県内調査で、本社オフィスビルのすべての使用エネルギーが実質 Co2 排出ゼロということを実現した金沢市内にある アール・ビー・ コントロールズに赴いたことは大変 私にとっても刺激的でした。実施している太陽光発電については、「日照時間は東京と比較しても遜色ない」「 順調に発電中」という説明がありました。これは成長戦略の横断的戦略2、施策3にある「日照時間が短いというイメージ」とは 認識が異なっているのではないかと感じました。

 太陽光発電では、年間日射量、これも重要だということですが、これも 石川県は東京と比べて 大差はないようであります。

  こうした客観的データも踏まえて、県内企業の実践にも学んで、太陽光発電の普及をさらに後押しすべきではないかと考えますけれども、県の認識を伺いしておきたいと思います。 

◎森田典子生活環境部長

  本県は、雨や雪が多いことから 日照時間が短いとのイメージがございますけれども、本県と東京都の年間の日照時間のデータを比較しますと、冬は短いものの、年間ではあまり大きな差はないというところでございます。

 太陽光発電の普及にあたりましては、こうした実態も含めた理解促進が重要でありますことから、いしかわエコハウスでのセミナーや 県有施設における太陽光発電の率先した導入を進めているところでございます。

 加えまして 家庭や事業者による実践を促進するため住宅の ZEH化や事業者の省エネ・再エネ設備の導入に対しても支援を行っております。 

 今後とも カーボンニュートラルの推進に向けて 太陽光発電の普及にしっかりと取り組んでまいります。 

◎佐藤正幸委員

 大変大事な答弁だったと理解をいたしました。

 時間の関係で最後の質問に、1問 飛ばすと思います。

 性の多様性に関する理解促進条例についてですが、先の国会で成立した法律は、一連の経過の中で 当事者や関係者の方々からは、大変後退させられたものになったという指摘もございます。県の条例案に関しても様々な議論があって、私も議事録拝読しましたけれども、今この条例案に盛り込もうとしている「家庭及び地域住民その他の関係者の協力を得つつ」と法律同じ文章が盛り込まれていることです。

 ただ、これは関係者の方からすると「保護者の協力を得なければ教育を行えないという趣旨ではない」と説明はしてあるんですけれども、教育が阻害される恐れがあるのではないかと、こういう指摘があるんですけれども、これは知事としてはどう受け止めになっているかということを。 

◎馳浩知事

 教育基本法の趣旨として、教育の目的を実現するためには、学校、家庭、地域社会が大きな役割を担うことから、これらの3者が相互に緊密に連携協力して取り組むことが重要とされています。

 このことを踏まえて、国の理解増進法では 法律としての安定性を高める観点から 教育基本法と同様の文言を盛り込んだと聞いておりまして、県条例の素案においても国の法律に合わせた文言としております。

 なお この文言は、必ずしも保護者の協力を得なければ学校での取り組みを進められないという趣旨ではないと承知しています。

 現在も 学校現場においては、LGBTQの生徒へのきめ細かな対応について記した文部科学省作成のガイドラインを教員向けに配布するとともに、生徒に対しては、人権教育副読本を用いて LGBTQの理解促進に取り組んでいるところであります。 

◎佐藤正幸委員

 質問1問飛ばします。

 「不当な差別」とか「心身の発達に応じた」など わざわざ入れる必要がないということも 有識者会議では指摘されていたようにも思いますし、民間団体の自発的な活動の促進ということについても盛り込んでいただきたいというふうに思います。これは 要望としてお伝えしておきたいと思います。

 時間が来たので、 最後に知事に私は当事者の方を真ん中に置くべきだと思いますし、もっと言うと、私たち日本社会の中にある 意図的に作られた男らしさとか 女らしさとか こういうジェンダーの規範を改革していくこと、克服していく努力が必要ではないかなというふうに思います。

 この点でこのジェンダー平等の認識とその克服に向けた知事の思いを最後にお聞きして、質問を終わりたいというふうに思います。 

◎馳浩知事

 ジェンダー平等については、全ての人々が互いにその人権を尊重し、性別に関わりなく、 その個性と能力を十分に発揮できる男女共同参画社会の実現によって達成されるものであり、 重要な課題だと認識しています。

 本県は、女性の就業率が全国トップクラスであり、女性の社会進出が進んでいる一方で、 共働き家庭の家事・育児などに費やす時間の男女の差が著しいなど、依然として課題があります。

 このため、県では いしかわ男女共同参画プラン 2021に基づいて、小学校高学年には漫画による副読本を配布し、大学生には 出前講座を開催するなど、子供たちの成長段階に合わせて、性別にとらわれず、自分らしい生き方や働き方を考える機会を提供し、若い世代に対する意識啓発を進めています。このほか 同プランに基づき、働く女性の活躍推進や女性等に対する暴力の根絶などに重点的に取り組んでいるところでありまして、今後とも男女共同参画社会の実現に向けて着実に取り組みを進めてまいります。 

佐藤正幸委員  終わります。

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