◎佐藤正幸委員 まず、8月4日に発生した小松市などにおける大雨被害の関係なんですけど、これで5か月ほどたちました。この間、議事録をひもといてみますと、被災者台帳ですね。これは危機管理監のほうから、被災者ごとに住家の被害状況のほか、どのような支援を行ったかを記載するもので、小松、加賀、能美、3市において作成しているという答弁がありました。住んでいる家の被害は、復旧ですね。中にはそのまま住まわれている方もおいでになるでしょうし、あるいはもう住めなくなって、ほかの自治体の家族のところに転居したという方もおいでになるかもしれませんし、あるいは修理のために一旦、仮住まいになったという方なんかもおいでになるのかなということをまずお尋ねしたいと思います。
◎村上勝危機管理監 お答えいたします。
8月の豪雨の際には、小松市をはじめとした7市町で、これは床下浸水約1,200棟ございましたけれども、これを含めますと約1,500棟の住家被害が発生しておりまして、各市町では、以前3つの市町で被災者台帳と申しましたが、例えば野々市とか川北町は被災された数がうんと少ないので、台帳というほどではないですが、もちろんフォローアップは皆さん、どの市町もされているということで御理解いただきたいところでございますけれども、今御指摘いただいた被災者の方々の住まいの再建ということは非常に重要な観点だと思います。ただ、公的に用意されている支援制度、それから善意が寄せられた義援金の配分などは、市町が発行する罹災証明書を受けていただいて、その被害の程度によって支援なり分配の額が決まっていくということでございまして、今現在、約1,000世帯の方々が罹災証明を受けていると承知しております。
残余の方々については、市町にも伺っておりますけれども、大体、床下浸水の方を中心にまだ受けられていないという、こういった状況があるというふうに理解をしてございます。
支援を受けられる罹災証明書を取られた方々については、被害の程度にもよりますけれども、災害救助法による応急復旧、それから仮設住宅、これはもうアパートとか既に建っているものを借り上げてという、こういう制度ができてまいりましたので、そういったものを利用され、入居されて、それぞれの方法によって住まいの再建、あるいは住まいの確保ということを行っていただいているというふうに承知しております。
ただ、全壊とか大規模半壊、大きな打撃を受けられた被災者の方にとりましては、この支援というのがある意味、最底限の支援になってございますので、公的な支援だけでは非常にかつての大きな家をそのまま再建するということはなかなか難しいといった、こういった現状もあろうかと思います。そうしたことから、より多くの被災者が救済されるように、全国都道府県で基金に出資してございますけど、国の被災者生活再建支援制度がより充実されるおうにこれまでも国に対して要望してございましたが、引き続き要望もしてまいりたい。あわせて、先ほど御報告をした事前の備えとしての損害保険、掛銭が要るわけなのであれなんですけれども、正しい理解を県民にいただいて、事前の備えが進むように関係団体とも協力して、そういったことの啓発も併せてやってまいりたい。
いずれにしても、市町のほうでフォローしていると、このように理解しているところです。
◎佐藤正幸委員 困難に直面された方がもしおいでたりする場合は、必要な支援が行き届くようにぜひ配慮をお願いしたいと思います。
あと、去年の11月23日に県の原子力防災訓練が実施をされまして、視察をされた原発センターの方が知事宛てに1月、要望書を提出して、私も同席をしたんですけど、今後に向けた改善点として、例えば志賀町の総合武道館というところでは避難行動要支援者避難訓練というのもやられて、要支援者の方がいて、介護者の方がそれを避難のお手伝いをすると。ただ、ちょっと十分住民に説明がなかったのではないかという指摘や、あるいは県立看護大では住民汚染検査、放射線測定器、サーベイメーターというんですか、それを使って汚染を測定すると。これも使い方にちょっと改善すべき点があるんじゃないかと、こんな指摘もありましたけど、この2つの点で来年に向けた改善の方向で何か今検討されていることがあればお聞かせいただきたいと思います。
◎村上勝危機管理監 ありがとうございます。
御指摘の原子力防災訓練については、毎年、地域の住民の方々に御参加をいただいて訓練を実施させていただいているところでございますけれども、これは万が一起こってはいけませんけれども、原子力災害があったときにどのような対処が必要かということの計画、決め事がございます。そういったことが万が一の際に実行できるのかということを住民の方々の側、それからそれをサポートする行政の側の体制、大きく言うとこの2点について検証するために実施しているところです。
訓練もおおむね1日ぐらい、丸1日近く使って訓練をするわけですが、逆に年に1回、訓練をやっているだけではなくて、住民の方々への周知ももちろんでございますけれども、関係する行政の関係者については年度の初めに職員も数年単位で入れ替わりが市町を含めてございますので、どういうふうにして立てつけが防災対応がなっているかということを事前に研修をし、そして当日、訓練もし、そしてその後、今年度についてはもう既に反省会も終えてございますけど、そういうことをローリングしながら対応してございます。
住民の方々には、そういったことの御理解もそういう形で年々重ねていっているとは私どもとしては承知、そう理解してございますけれども、御指摘になった要配慮者の支援体制というのは非常に重要でございまして、重点を置いてやっていかなきゃいけない部分だと思うんですけれども、ただ、今御指摘いただいた志賀町の総合武道館の訓練については、いわゆる介助する方々の手順を重きを置いて実施をし、そして武道館に集まった後に、そこは防護施設にもなってございますので、そこをしっかり見ていただくということで、そういう形でアナウンスをしていた関係上、要配慮者の方もたってその施設を見て見学されたという、そういう場面があたんだろうと思います。
ただ、委員御指摘の点は非常に重要ですので、今後ともそういった点も含めてしっかりと対応できるようにやっていきたいと、このように考えておるところです。
◎佐藤正幸委員 そもそも論からいうと、原発なければこんな訓練は必要ありませんので、私たちはそういう立場で臨んでいきたいというふうに思います。
最後に1点だけお願いしたいんですけど、12月の総務企画県民委員会で地震被害想定の見直しの検討状況について報告がありました。この被害想定の見直し、いつ頃までに結果が出されることになるのか、その見通し。この見直しを踏まえて、例えば金沢市では森本・富樫断層による被害想定が震災アセスメント調査というのが既に出されていると思うんですけど、こういう想定も見直しがされていくという認識でいいのかということを最後にお尋ねしておきたいと思います。
◎村上勝危機管理監 御指摘の地震被害想定の見直しについては、平成9年に本県、今現在の想定を発表してございますけれども、この間の地震の発生状況等々を踏まえまして、昨年度から少しそういったことの在り方について検証をかけていたところです。そして、昨年の5月に馳知事が防災会議の会長となって初めての会議でございましたけれども、そこで奥能登地域の地震の頻発など踏まえて、しっかりと地震の被害想定の見直しなんかも念頭に検証してほしいということで、1年間かけて検証しているところでございまして、どのようにやるかの手法をあれしておりますが、何年度までに上げるかということになりますと、予算もちょっとございますので、検討した身といたしましては速やかに地震も頻発しておりますので、来年度からぜひというふうな思いでございますが、全国の状況を見ておりますと、約2年ぐらいかかって上げている例が非常に多うございますので、ぜひとも検討したものが身になるように取り組んでまいりたいと考えておりますし、金沢市のほうでは約10年ほど前に委員御指摘のような地震被害想定されておりますので、こことの調整、さらには今森本・富樫断層に関しまして、今年度から3年ほどかけて調査も行われています。
こういったことを含めて、金沢市も見直しを少し検討を恐らくされるんではないかと思いますので、そういったことも見据えてしっかりと対応してもまいりたい、このように考えているところです。
◎柚森直弘参事兼健康福祉部次長 今ほどの佐藤委員さんの質問の県立看護大における住民汚染検査のことについて答弁させていただきます。
原子力災害の避難時における住民の放射線汚染検査については、国のほうで策定します避難退城時検査及び簡易除染マニュアル、これに沿って実施しております。そして、訓練に際しましては原発立地県の原子力災害医療の取組を支援するために国が設置しております原子力災害医療・総合支援センターにも御協力をいただくことになっておりまして、当日は本県を担当する広島大学からも専門家に参加をいただき、実施状況を検証していただいたところです。
訓練後、専門家からは、おおむねマニュアルどおり実施されていたものの、放射線測定器の養生の方法、若干ちょっと十分でなかったんじゃないかということについて、改善の余地があるということを御助言いただいたことから、次回の訓練に生かしていきたいと考えております。
今後とも、訓練を通じて課題の解決を図りながら、関係機関と連携をし、効果的な訓練となるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。