委員会

環境農林建設委員会(1.17)生活環境部・農林水産部関係 質疑答弁を公開します

カテゴリー:

◎佐藤正幸委員 じゃ、私もイノシシ対策について2点ほど簡潔にお聞きしたいんですけど、去年の年末、兵庫県の篠山市というところで、獣がいフォーラムというものが開かれたようです。そこで、いろんな各地の取り組みも紹介されて、私も不勉強だったんですけど、イノシシには光も音もにおいも効かないということらしいので、その対策には電気柵が非常に有効だというようなことのようでした。 機械本体が5万円から6万円というような報道もあったんですけど、そこで県内で電気柵の設置費用、これはどの程度かかるものなのか。あるいは、国の支援が恐らくだいぶあると思うんですけど、国の支援がどんな形で、個人負担とか集落負担はどれぐらいの程度なのか、この機会によろしくお願いします。

◎遠藤知庸農林水産部長 鳥獣による農作物被害対策については、市町が鳥獣被害防止特別措置法に基づきまして、被害防止計画を策定いたしまして、市町や農協などで構成する鳥獣被害防止対策協議会、ここが実施することとなっております。 電気柵の設置については、国の鳥獣被害防止総合対策交付金の対象となっておりまして、電気柵の設置を農業者などが自力で施工した場合、資材費全額、これが補助されることになっております。1キロメートル当たりの本体機器、それから柵線、それから支柱などをあわせまして、1キロメートル当たりで20万円前後となっております。

◎佐藤正幸委員 ということは、全額交付金ということで、個人負担等々がないという理解でよろしいですか。

◎遠藤知庸農林水産部長 はい。個人負担はございません。ただし資材費がでますので、設置は皆さんでやっていただくということで、この労力が大体1キロメートル当たり4人で半日程度かかるということです。

◎佐藤正幸委員 ということであれば、どんどんといいますか、普及が進んでもいいかなというふうに思うんですけど、3年前の委員会でも電気柵の設置状況が報告されておりました。現在、じゃどれぐらい電気柵の設置が進んでいるのかということがひとつと、あと去年の議事録みておりましたら、本会議でこんな答弁があるんですよね。「過疎・高齢化等によって防護柵の維持管理がこんな集落に対応するため、専門家による指導のもと、共同管理に向けた体制づくりと併せて電気柵の見回り労力の軽減を図るシステムの試験的な導入を行うことと」、これは具体的にどのシステムなのかということもあわせてお聞かせ願いたいと思います。

◎遠藤知庸農林水産部長 電気柵の総延長でございますけれども、昨年度末で県全体で2,299キロメートルとなっておりまして、平成26年度末までの累計が1,351キロメートルでございますので、ここから大幅に伸びております。直近3年間では年間300から400キロメートルのペースで設置しております。今年度は、近年被害が急増しております能登地域を中心に設置を進めておりまして、今年度末の総延長は約2,700キロメートルに達するのではないかなというふうに見込んでいるところです。

 それから委員御指摘の労力、負担軽減を図るシステムでございますけれども、電気柵については伸びた下草が接触すると電圧が下がりまして効果が薄れるために、農家が毎日のように現場を見回る必要がございます。このため、高齢化が進む集落では電気柵の維持管理に係る労力が課題となっております。 このため、試験的に9集落で電気柵の見回り労力の軽減を図るシステムを導入しておりまして、このシステムでは1時間ごとに電気柵の電圧を自動測定されまして、携帯電話やスマートフォンでいつでも電圧が確認できるという、そういうものです。 試験導入した集落からは、「田んぼに行ってまで電圧を測定しなくてもいいため、電圧測定の手間が省けた」であるとか、「集落内の複数の人がいつでも電圧を確認できるため情報共有がしやすい」などという声を聞いておりまして、電気柵の見回り労力の軽減に一定の効果があったものというふうに考えております。 今後、本システムについては、これらのモデル集落の結果も整理しまして、電気柵の維持管理の重要性を啓発するツールとしても活用できるのかなと考えておりまして、これら結果を整理した上で電気柵の共同管理を行う集落への導入を働きかけてまいりたいと考えております。

◎佐藤正幸委員 ぜひ被害が減ったと実感できるところまで、努力を強めていただきたいというふうに思います。

 最後になりますけれども、私この間、何度か家族農業支援ということで質問もし、今年から国連が呼びかけた「家族農業の10年」というものがスタートします。昨年の国連総会でも「農民の権利宣言」というものが採択されたようですけど、日本は棄権をしたようです。こうしたことも含めて、私、日本農業新聞の1月4日付、今日もコピーしてまいりましたけど、全国農協組合長さんのアンケート結果がでておりました。問5に「安倍政権の農業政策についてどう思いますか、1つ選んでください」とあって、その答えが「高く評価する」0.2%、「どちらかというと評価する」3.5%で、評価が3.7%しかないんですよね。「どちらかといえば評価しない」というのが51.3%、「まったく評価しない」が44.6%で合計で95.9%も評価しないというのがありました。これ、部長としてはどうお考えになりますか。答えにくい面もあるかと思うんですけど、率直な結果だと思うので、いかがですか。

◎遠藤知庸農林水産部長 我が国の農業については、各、北は北海道から南は沖縄まで、それぞれの地域の特色があるというふうに考えておりまして、本県の農業については生産の大部分を家族経営体が担っている一方で、担い手の高齢化や後継者不足、里山の荒廃などさまざまな課題を抱えていると考えております。 このため本県では、平成28年5月に農業の中長期的な方向性を示す「いしかわの食と農業・農村ビジョン」を策定いたしまして、ものづくり企業と連携した生産、経営の効率化や企業等の農業参入による耕作放棄地の再生、地域の話し合いを通じた圃場整備や農地集積などに取り組むとともに、いしかわ耕稼塾による就農希望者の技術習得や農業者のスキルアップ、地産地消受注懇談会やいしかわ百万石マルシェなどを活用した県産農産物の販路開拓、いしかわ里山振興ファンドを活用したなりわいづくりや里山里海の魅力を提供する農家民宿開業に向けた総合的な支援など、本県ならではの各地域の実情に応じて意欲ある農業者に対し、さまざま支援をおこなっているところです。今後とも「いしかわの食と農業・農村ビジョン」に沿いまして、本県の農業の成長産業化と農村地域の振興を推進してまいりたいというふうに考えております。 ◎佐藤正幸委員 この結果は別に私が行ったんじゃなくて、現場の組合長さんからそういうのが出ていると。率直に言いまして、やはり現場では今の農政は評価されていないということをしっかり見据えて、私は県として国の政策をそのまま受け入れるようなことではなくて、きちんと県としての必要な対策をとるべきだということを求めて、質問は終わりたいと思います。以上です。



▲ このページの先頭にもどる

© 2013 - 2024 SATOU MASAYUKI