◎佐藤正幸委員 時間が押していますので手短にいきますが、外国人労働者の受け入れ問題に関する今ほどの質疑の中で、部長から「最低賃金などが適用されている」という発言がありましたが、ちょっと認識が甘いのではないのかと思いました。そうであるならば5年間で失踪する実習生が約370人も生まれるはずがなく、失踪者が多い業種の一つが農業と指摘されているので、この際、国と協力して一旦実態調査をしてはどうでしょう。部長はいかがお考えですか。
◎遠藤知庸農林水産部長 本県では外国人で農業に就業している人数がまだ少ないので、委員が言うように実態は把握していきたいと考えています。
◎佐藤正幸委員 4月の改正法の実施ありきでは大きな禍根を残すと思いますので、ぜひ実態調査をお願いしたいと思います。
最後になりますが、漁業関係者から話を聞く機会があり、先ほども説明があったように漁業関係では外国人技能実習制度等で県内に約150人が就労しています。主にインドネシアの方々が漁業に従事されているとも聞きました。漁業の分野に企業を参入させようとする水産改革と言われている漁業法等の改正案について最後にお尋ねします。漁業関係者の方々は、余りにも今国会で成立させるのは性急過ぎるのではないかと話しています。要は民間企業が参入すると、地元の漁業関係者が置き去りにされるのではないかと大きな不安を抱えています。
もう一つは、県知事の権限が非常に大きくなり、漁業権に関して、知事の恣意的な判断に委ねられ、地元優先の原則が保障される見通しがないという声であります。これに県としてどう答えるつもりなのか、最後その見解を聞かせてください。
◎遠藤知庸農林水産部長 国は漁業への新規参入を促すとともに、水産資源の管理強化と漁業者の所得向上等を図る水産改革関連法案を閣議決定し、今臨時国会で審議中です。この法律案の中には、漁業権制度の改正を含む漁業法等の一部を改正する等の法律案もあり、当該法律案に関する具体的な運用等の規定については今後、法律が成立し、施行されるまでの間に整備されるものと聞いています。国は漁業権制度のさまざまな改革の中で、優先順位の規定を廃止することとしていますが、既存の漁業権者が活用している場合には、その者に優先して免許すると示されています。他方、新たな漁場の設定については優先順位の廃止が進められると考えていますが、その決定プロセスについては今後、法律の成立後に国が具体的な運用を定めることから、地元漁業者に混乱が生じないよう国の動向を注視していきたいと考えています。
◎佐藤正幸委員 法律の成立後では遅く、漁業関係者からすると、今回の改革は漁業関係者からの要望ではないと言います。結局、水産の専門家が誰もいない規制改革推進会議において、官邸主導で進められた経過があります。話を聞きますと、漁業調整委員会が公選制から知事の任命制になり、我々県議会も承認が求められます。環境農林建設委員会ではなく、農林水産委員会ぐらいの独立した委員会を持ってきちんとチェックすべきだという声もあったと紹介しておきます。