◎佐藤正幸委員 臨時国会で審議中の出入国管理法改定案に関連して、土木関係でお聞きします。今議論されている法案は、現行の外国人技能実習制度を延長拡大するもので、初年度の受け入れは約4万7,000人となり、ほとんどが技能実習生からの移行だと思います。
おとといの商工観光公安委員会では県内に在留している外国人技能実習生が2017年10月末時点で約4,170人おり、外国人労働者8,600人の約半分を占め、2017年までの5年間で373人もの失踪者が生まれていると議論されたと報道されています。非常に劣悪な労働条件に置かれていることが明らかになったと思います。この実習生の失踪で最も多い分野が全国的には建設関係だと言われています。実際、法務省の資料によれば、ことし1月から6月の失踪者3,906人のうち、建設関係で1,586人と、約半数を占めているようです。政府は低賃金のためと言っていますが、それだけではなく、極端に収入の少ない月があるとか、また暴力の問題があるとも指摘をされています。
そこで、現行の外国人技能実習制度において、土木関係ではどれぐらいの外国人が県内で仕事をしているのか、またその労働条件がどうなっているのかを、県として把握しているか、まずお尋ねします。
◎板屋英治土木部長 外国人を雇用した事業主は、雇用対策法に基づき国に対し氏名、在留資格等を届ける必要があります。石川労働局によると、平成29年10月末現在で、県内の建設業関係の技能実習生は323人であります。
◎佐藤正幸委員 労働条件とか、その方々の実態とかについて、県として把握していますか。
◎板屋英治土木部長 労働条件については、技能実習生と受け入れ企業との個別の雇用契約に基づくものであり、現在、県では把握してない状況です。
◎佐藤正幸委員 全国的にはかなりひどい実態があることも明らかになっていますので、ぜひ県としても実態の調査、把握をしてもらいたいと思います。
日本人の労働者には低い賃金で長時間労働をさせ、外国人労働者も雇用の調整弁にしていくのが本当の狙いだと思います。今の条件をそのままで拡大をしていくと、大変なことになると思いますので、そういう角度から県として事に当たってほしいと思います。国の問題ですので、これ以上は突っ込みませんが、ぜひ要望しておきたいと思います。
あと、報告事項にある水害・土砂災害に対する住民の防災意識向上対策ですが、リーフレットの質問もありました。報告の中で県政出前講座も強化するとのことですが、具体的には自主防災組織への出前講座が多くなるのではないかと想像します。議会の議事録では、自主防災組織の組織率は95%であり、このような報告があったことを考えると、自主防災組織の全部に出前講座をするぐらいの意気込みが必要だと思います。そこで、現在、どれぐらいの自主防災組織があり、今後どんな計画で出前講座を行う予定なのか、全部にやるという計画もつくるべきだと思いますが、意気込みをお聞きします。
◎板屋英治土木部長 石川県での自主防災組織については、平成30年4月時点で組織数は1,906です。県政出前講座については、自主防災組織を初めとして町会やPTA連合会、学校など幅広くさまざまな県民を対象に講座を実施しています。
委員御指摘の自主防災組織に対しては、まずは自主防災組織のリーダーとなる防災士を対象に、水害・土砂災害に対する防災意識を向上してもらうためのセミナーを平成31年2月から3月にかけて県内5会場で開催する予定としています。なお、セミナーの中で県政出前講座の内容についても説明を行い、受講を働きかけることとしていますので、県としては自主防災組織に県政出前講座を積極的に活用してもらいたいと考えています。
◎佐藤正幸委員 9月議会でもいろいろ質問しましたが、県内の河川整備率が44.9%で、この10年間で2.4%しかふえていないという状況の中で、まず逃げおくれゼロを目指すというのであれば、まさにそうなるようにもっと本腰を入れた対応が必要だと指摘しておきます。
最後の質問にしますが、報告事項の二の丸御殿の調査検討委員会での議論について、お聞きします。率直に言って二の丸御殿の復元については、県民の積極的な理解があるのかというと、私はそうは思えません。この復元は、恐らく知事の思いが先行していると私は理解していますが、復元の要望は県民のどういうところから出てきているのか、もっと言うと知事の思いがまず先行しているという理解でいいのか、そこを最後にお聞きします。
◎板屋英治土木部長 二の丸御殿については、本年9月に復元の可能性について具体的に検討を進めるために、先ほども説明したように専門家から成る調査検討委員会を設置しました。今後、この検討過程などを広く県民に知らせ、関心を高めるよう努めいきたいと考えています。
また、二の丸御殿のこれまでの経緯については、かねてより議会などで取り上げられ、関心が寄せられてきた経緯もあり、平成27年度には学識経験者、各界各層の代表者から成る長期構想策定検討会議での議論を経て、新たな石川県長期構想の中に金沢城公園の整備を進めるとともに、二の丸御殿の総合的な調査研究に取り組むという内容が盛り込まれています。この長期構想に基づき、平成28年度から二の丸御殿の総合的な調査研究に着手し、本年より、調査検討委員会を設置し、復元の可能性について議論しています。
◎佐藤正幸委員 やるべきことはまだほかにあると思いますと、最後に指摘しておきます。