◎佐藤正幸委員 簡潔に質問したいと思いますが、前回の委員会で洪水浸水想定区域図の見直しがあり、対象の水位周知河川、28のうち公開されたのは5河川で、残りの23河川の公表時期の見通しについてお尋ねします。
◎板屋英治土木部長 現在、既に公表している5河川以外の23河川の関係ですが、18河川について見直し作業中です。残る5河川について、今後着手する予定としており、いずれにしても浸水想定区域図の見直しが完了し次第、順次速やかに公表していきたいと考えています。
◎佐藤正幸委員 公表によって避難体制の充実強化のために市町で洪水ハザードマップの見直しがなされるのですが、ただ、そもそも浸水を防ぐためのハード対策とか、前回の資料見ますと、河岸侵食によって家屋が倒壊する地域や、氾濫流が起こって家屋が倒壊する可能性のある地域が実際にあるわけです。その辺のハード対策というのは今後どのようにしていくのですか。
◎板屋英治土木部長 現在のハード対策の考え方についてですが、過去に大規模な被害が発生した河川、あるいは周囲に人家が連担する河川など、一たび災害が発生すると甚大な被害が想定される河川について、一定の計画規模、50年とか100年とかそういった規模で降る雨を対象にして計画的に工事を進めています。
一方、今回お示しした浸水想定区域ですが、従来の施設整備で対象としていた50年とか100年といった規模ではなくて、その地域で最大規模として発生する災害を想定しており、今回、お示ししている目的というのが実際にそういった現象が起きたときに河岸侵食や氾濫流の影響を考え、人命に直接影響を及ぼすような区域なので、出水時等においてはしっかりと命を守る行動をとってもらうとか、あるいはそこで住まい方を変えてもらう情報として今回提示しているものであり、そういった情報として活用してもらうことを想定した情報提供になっています。
◎佐藤正幸委員 前回、議論になったとおり、実際に起こった雨をもとにして想定して、実際そういう被害があります、ハード対策はしませんから、あとは自分で逃げてくださいといった姿勢ではいかがなものかと私は思います。県内の地方議員から河川のしゅんせつ工事をもっとやってほしいという要望がいろいろ出てきていますので、想定した以上の被害を食いとめるための対策を早急にとるのが私は最優先にすべき事項ではないかと考えます。そうなると、また金の問題が出てくると思いますが、一旦、見直してこういう想定になった以上、そこに対する対策を計画的にとっていくことが必要と思います。そこは繰り返しになりますが、それはぜひ真剣に検討していただきたいと思います。
最後ですが、金沢港のしゅんせつ土砂についてです。先日、金沢港のしゅんせつ土砂を能登地域にも持っていっているようですが、ある中能登方面の地方議員から、それが原因でそこではタコつぼの中に泥が入って、漁に非常に影響が出ているという訴えがありました。そこで改めて、大浜とか無量寺岸壁などで進めている金沢港のしゅんせつ土砂の排出の仕方によっては、海流の変化が出てきたりして漁業への影響が出てくると思いますが、どのように排出されているのか、今後どのように排出しようとしているのか、現在の影響、今後の影響の見通しについて、どんなふうになっているか、最後にお尋ねします。
◎板屋英治土木部長 千里浜の海岸の侵食対策として、平成24年から金沢港のしゅんせつ砂を千里浜沖で海上投入して養浜する取り組みを実施しています。これまでも漁業関係者の方からタコつぼの中に泥が入り、イイダコ漁に影響が出ているのは海上投入による海底にヘドロが堆積したことが原因ではないかという話がありました。そのような話が寄せられたこともあって、県ではタコつぼに入った泥と金沢港から養浜のために持ってきたしゅんせつ砂の土壌成分を調査しましたところ、投入している砂の成分と違うということを確認しています。さらにタコつぼが置かれている場所が沖合2キロから3キロのところで、砂を実際に投入している箇所は沖合700メートルであり、距離も離れていることから、タコつぼに入った泥について、金沢港のしゅんせつ砂、投入した砂によるものではないと判断しています。
また、金沢港のしゅんせつ工事において現在直轄事業で実施しているしゅんせつした砂については、千里浜海岸への養浜に使う、あるいは金石大野埋立地への造成、そういったものに有効活用しているところであり、直接漁業への影響はないと考えています。
◎佐藤正幸委員 私も専門家でありませんが、海流の変化に影響もあるという気もしますので、今後、被害が起きないようにぜひ対策をとってもらいたいと思います。