◎佐藤正幸 知事に1点だけ再質問、賃上げに関してなんですが。私は環境整備、環境整備、というふうに言って一体どれぐらいたったのかと。結局、必要な中小企業支援をしなかったから県内のいわゆる企業活動が活発になっても県民所得はそれに比べてふえていないというのが、金沢大学の調査結果なんですよ。このままではだめだということで踏み込んで中小企業に対しての賃上げ支援のために、助成も含めたそういう支援が必要だと、こう知事も思いませんか。そこ最後1点だけお尋ねいたします。
◎知事(谷本正憲) 賃上げの直接的な財政円を企業に行うというのは、これは企業の自主性を著しく阻害することになるんじゃないでしょうか。やっぱり賃上げをどう決めるかというのは、これは労使間の交渉によって決めるというのが私は本筋だと思いますよ。そして、そうした企業が労使間交渉でいろんな交渉がしやすいような企業の要するに活動実績を盛り上げていくというんですか、そういう環境整備はやっていく。そのことが県税収入の増加にもつながっていくということになるわけですから、石川県全体の経済発展にもつながっていくという、単に賃上げだけをやるために企業の要するに経済活動を支援するということじゃなしに、もっと広い意味で我々は環境整備をやっている。商工労働部長がお答えしましたように、新商品の開発だとか、新技術の開発とか販路開拓とか、そういったものは全面的には県はバックアップしている。そのことによって企業の自力をつけていく。その上で労使間の交渉によって賃金のレベルというのはおのずからわたしは決まっていくんじゃないでしょうかね。個々の企業の賃金上げろと、そのために県は財政支援するよと、こういうやり方は私はいかがかなという思いがしますがね。
◎佐藤正幸 労使で決まるとか、その通りなんですけれども、例えば派遣労働者を一般の正社員にしたときに奨励金をやるという、そういうたしかシステムはあったはずなんですよ。そういうことも含めて、やはり今本当に必死に働いて頑張っている中小企業の皆さんに賃上げができるような、それこそ踏み込んだ環境整備なんですよ、これも。そこが必要だと私言ってるんです。そこ理解できませんか、知事。
◎知事(谷本正憲) 私どもは間接的ながらも販路開拓とか技術開発、商品開発に支援をしてきたらばこそ、ここ4年間、全体として賃上げが実現してきておるということですよね。連合さんの御努力もあったというふうに思いますよ。それの成果は出てきている。今年はまさに石川県の経済状況は東海地方と並んで拡大しているというそんな評価もいただいておりますし、鉱工業生産指数や有効求人倍率も全国トップクラスということでありますから、経済状況は大変いい。そんな意味では賃上げを要求する側にとっても私は追い風が吹いておるんではないかという思いがいたしますけれども、だけど、それ以上我々が賃金交渉に関与するというのは慎んでいかなきゃいけない。そんな意味では、ここのところはやっぱり連合さんにもしっかり頑張っていただいて、昨年以上、ここ4年以上、ここ4年間よりもさらに賃金を上乗せする、そんな形でぜひ交渉していただければというふうに思いますがね。最終的には労使間の交渉で決める話だと、私はこう理解しております。