◎佐藤正幸委員 まず子どもの医療費の窓口無料化に関してお聞きしたいんですけど、もう3年前になりますけど、2014年の9月議会で県が窓口無料化に道を開いて選択する自治体が非常に広がりました。今、選択していない自治体は七尾市と志賀町だけというところまで広がったというふうに思っております。一方窓口無料化をしたら今の国民健康保険の国庫負担を減らすペナルティーが、地単カットといわれているんですけど、行われておりますが、これについては批判の高まりがあり、来年からは就学前の児童に対するペナルティーはやめるというふうに決められたと思います。そこでこのペナルティーが取りやめになることによって国庫負担がふえることになるかと思うんですが、県全体としてはというか、どれくらい国庫負担がふえることになるのか、これは県としては把握はしておられるのでしょうか。そこをお聞きしたいと思います。
◎森田典子少子化対策監室子育て支援課長 国のほうでは来年度より未就学児までを対象とし医療費助成につきまして、国民健康保険の減額調整措置を行わないというふうにしておるところです。県内の市町におきますこの減額調整措置の金額でございますけれども、平成28年度に国民健康保険で給付された療養給付費負担金の実績をもとに算出しました粗い試算ではございますけれども、未就学児分では約2,500万円と推計しております。
◎佐藤正幸委員 ありがとうございました。では、およそ2,500万円ほど国庫負担がふえるということで、市町からすればその分、国保財政の収入がふえるということになりますよね。来年の措置は今お話ししたように未就学児に限ってでしたので、仮に就学後の子どもも含めてペナルティーをなくすというのが本来あるべき姿だと思うんですが、就学の子どものペナルティーは現時点でどれくらいの規模になっているのかというのは、これもなにか粗い試算などはわかるんでしょうか。
◎森田典子少子化対策監室子育て支援課長 就学後につきましても減額調整措置の粗い試算ですけれども、これは約2,700万円と推計しております。
◎佐藤正幸委員 これは知事会としては恐らく廃止を求めてきているものだと思いますので、ぜひ全廃に向けてさらに要望していただきたいというふうに思います。関連しますけれど、今質問もありました国保運営方針の素案について、細かい話は省略しますけれど、県の標準的な考えかたとして、市町が保険料を決める賦課方式というんですか、3方式、所得割と被保険者均等割、世帯別平等割、こういう3方式を採用すると。細かいことは避けますけど、被保険者均等割ということによって、要は子どもの数がふえると保険料が高くなるというふうになると思うんですよね。そうすると今、子育て支援といっているのに、子どもがふえると国保の保険料が高くなる。これはやはり逆行するんじゃないかというふうに私は思っておりますので、その意味では県として子育て支援という意味からも、この均等割については少し減額をするとか、そういう対応をとるべきできではないかと思います。仮に県がこうしたとしても、市町はそういう対応ができるという理解でいいのかどうかというところをまずお聞きしておきたいと思います。
◎山本陽一健康福祉部長 若干繰り返しになりますが、この候補の新制度では県は市町ごとの納付金を決める、そして市町が保険料を決定する際の参考となる標準保険料率を示す、こういうことになっております。その運営方針の素案の中では、県内市町の御意見もお聞きしまして、標準保険料率を今委員から御紹介のありました、所得割、均等割、平等割の3方式で算定するということを記載しております。なお、市町は当然のことながら、県が示すこの標準保険料率を参考に、それぞれの地域の実情に応じて、みずからの判断で、実際の保険料を定めて賦課徴収を行っていただければというのが基本です。委員御指摘の子どもに対する軽減の話がございました。これについては、全国知事会を通じて、国に対して我々も要望を行ってきておりまして、こうしたことも相まってか、来年度から拡充される公費、全体で先ほど3,400といいましたけれども、その中の来年から拡充される1,700億円の一部は各市町の子どもの被保険者数に着目した配分になるという方針が示されたところでもあります。県といたしましても、今後とも子どもにかかる均等割保険料の軽減措置の導入など、さまざまな財政支援の方策を講じていただけるよう、必要に応じて今後とも国に対して知事会等を通してまた意見具申していきたいと、そのように考えています。
◎佐藤正幸委員 では次に、賦課限度額という上限ですかど、これも今市町によってばらばらですけれど、この素案の中には政令で定めるとすると、県としては。そうなると賦課限度額も市町によってばらばらなので、上がるところがでてくることになります。このまま読むと。この限度額も市町ごとに決められるということで理解していいのかどうかというところだけ。
◎山本陽一健康福祉部長 おっしゃるとおりでございまして、県が示す標準保険料率を参考に、それぞれの地域の実情に応じて、従来どおりみずからの判断で、賦課限度額なども含めまして実際の保険料を定めていただければ結構です。
◎佐藤正幸委員 わかりました。そういうことだと思います。ちなみにこの国保、部長からもお話ありましたように、構造的問題としてのあれがありますよね。結局、国庫負担が依然は1980年代は50%あったのが、今20%まで減ってきているわけですよ。ここに一番の問題があるので、そういう点では自民党の国会議員さんはぜひ頑張っていただいて、もっと国庫負担をふやせということを強く言っていただきたいということを、この場をかりてぜひ要望だけしておきたいとおもいますので、よろしくお願いいたします。最後、新専門医制度というものについて1点だけお聞きしたいんですけど、この新専門医制度というんですか、これは医師会から懸念の声があって、今年から本当はスタート予定だったのが1年延期されたというふうに聞いています。私も詳しいことはよくわかりませんけど、いわゆる制度の目的は標準的な医療を提供できる医師を養成する。これは賛同できると思うんですけれども、ただ一方で今の制度の案だと、専門医研修を実施する基幹施設が大学病院とか、一部の専門性の高い病院に限定されて、結果として地方や中小の病院に医師が来なくなるのではないかと。地域医療に悪影響を与えかねないのではなかと、そういう懸念が医師会からもあがっているというふうにお聞きしております。この点では、この新専門医制度、来年からスタートするわけですけど、石川県にはどんな影響がでてくるのか、その辺はどんなふうにお考えになっているのかということを最後お聞きしておきたいとおもいます。
◎山本陽一健康福祉部長 今委員から御紹介のありました、新たな専門医制度でございますけど、簡単に説明いたしますと、従来は例えば診療科目ごとに内科とか外科とか、各学会の独自の基準で認定していたものを、来年度からは専門医の質の一層の向上を図るということで、第三者機関であります日本専門医機構というところが統一的な基準で認定するという仕組みになったところです。その制度の開始に当たりましては、関係者から医師偏在の助長につながるんじゃないかと、こういう御指摘も委員からもありましたとおり、そういう指摘がなされまして、日本専門医機構と国が協議を重ねた結果、まさに都市部への専攻医の集中を防ぐために、都市部における定員に上限を設けることでありますとか、それから各都道府県において、例えばうちでいうと金沢大学病院とか、医科大病院だとか県立中央病院、そのほか10ほどありますけれども、基幹病院が作成する研修プログラムについて、地域の病院で研修を行うことができるかどうか、つまり基幹病院にずっといるわけではなく、その基幹病院と連携した連携病院を回って専門医の資格を取っていくと、こういう形になるときにその連携病院の中に入れてもらえるかどうかということが大事なわけですけれども、そういう地域の病院でも研修を行う、つまり連携病院に地域の病院がなれるかどうか、この確認を都道府県においてするということになっておりまして、そういう意味では地域医療への影響についても配慮するということが示されまして、それで来年から動くということになったわけです。県でもこれを受けまして、大学病院、それから病院団体、医師会などの関係者から成ります協議会を設けまして、各大学病院等々がつくったそういう研修医のプログラムについて検討を行いましたところ、県内で実施される研修プログラムについては大学病院や市中の病院が基幹病院となって、従来の学会認定制度において養成を行っていた地域の病院も専門医の受け入れができる連携施設となっているなど、基本的には新制度の開始後もこれまで通り地域の病院で研修を受けることができる、そういう体制になっているということを確認をしたところです。今後とも、確かにおっしゃったとおり、それによってまたぞろ新たな臨床研修制度を平成16年度にスタートして石川県からお医者さんがかなり減っちゃったという、そういう悪夢が再来しないように、そういう手立ても講じた上で今後とも専攻医の確保に向けまして、大学病院、そして臨床研修病院とも連携をして、様々な機会を捉えてそういう専攻医の方の県内就職の働きかけをしっかりやっていきたい、そんなふうに思っています。