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防災安全対策特別委員会(1/18)質疑・答弁を公開します

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◎佐藤正幸委員    まず報告のありました志賀原発2号機建屋の雨水流入に関してお尋ねしたいと思います。昨年の12月に最終報告書が出されて、一応ざっと目を通してみたんですけれども、今回の事態の核心はいったいどこにあるのかといと、資料にあるとおりに原子力規制委員会でこれ以上雨水が入れば、特に重要度の高い安全機能を喪失する恐れがあったとの認識だったわけですね。しかし、この北陸電力の最終報告を見てもそのような記述は見られないんです。それどころか、外部への放射能排出などの影響はなかった、とかそれは本当にそのとおりなんですけど、安全上重要な設備への被水はなかった、とかあるいは安全機能への影響は見られなかった、とかことの重大性を低くしよう、低く見せようというような姿勢があるように、私は率直に言ってそのように受け止めました。 北陸電力は、今回の事態の重大性、規制委員長から指摘を受けたことの重大性をちゃんと認識してないのではないかというふうに、私、疑わざるを得ないんですけど、この最終報告書を見て、県としてはどのような認識をしておられるのか、まずお尋ねしておきたいと思います。

◎絈野健治危機管理監 今回の事案というものは、委員の御承知のとおりでございます。9月28日に志賀原子力発電所2号機におきまして発生した原子炉建屋内への雨水流入ということです。この件については、先ほど委員からも御案内ありましたけれども、規制委員会におきまして原子力発電所の安全機能を失う恐れがある重大な問題であるということで、北陸電力に対して原因究明と再発防止の策定を指示したところです。 北陸電力におきましても、今回の事象を規制委員会の指摘のとおり、重大な問題であると受け止め、指示のあった原因究明と再発防止対策について、10月28日に中間報告を行い、12月16日に最終報告書を提出したものと理解しております。 県といたしましても、重大な問題と認識しておりまして、11月24日に臨時の安管協を開催いたしました。その中で、北陸電力から直接説明を聴取するとともに原因究明と再発防止対策の徹底を強く求めたところです。

◎佐藤正幸委員 重大な問題だと受け止められたのであれば、そういう記述をすべきだと私は思うんです。最終報告なんですから。そこがないというのはいかがなものかなと。詳しいことは避けますけど、結局浸水した部屋には非常用冷却装置の分電盤があって、そこが被水、ショートしてしまったら冷却装置が作動しなくなる。福島原発のようなシビアアクシデントが起こる可能性があった、そういう認識が書いていないというのは、率直に指摘せざるを得ません。 それで次に聞きたいのは、今配布された資料の報告書の概要という中に、今後「再発防止対策の活動をより効果的なものとするために、原子力安全推進協会による指導・助言を受け、今後の活動につなげていく」というふうにありました。 この原子力安全推進協会なるものはいったい何なのかと。ホームページみましたけど、自主規制組織、独立性といいながら、北陸電力の副社長とか関西電力の副社長らが理事に名を連ねて、北陸電力も会員の一つになっています。協会の理事長の年頭所感には、原発再稼働を目指すと公言しているんですね。これでどうして第三者と言えるのか。 この原子力安全推進協会というのは、いったいどのような位置づけとして県は認識されて、この活動をどのように評価されているのかということをお尋ねしてみたいとおもいます。

◎絈野健治危機管理監 原子力安全推進協会でございますけれども、この協会は福島原発の反省にたちまして、このような事故を起こしてはならないという原子力産業界の総意に基づき、平成24年11月15日に一般社団法人として設立されたものです。その業務といたしましては、国内外の最新情報の収集・分析を踏まえた安全性向上策の評価、提言・勧告及び支援、それから原子力施設の運営状況や設備の状況、安全文化の健全性等の確認を通じた原子力施設の評価、提言・勧告及び支援を行うものとされています。 北陸電力では、最終報告書の中で雨水流入に係る再発防止対策を効果的なものとするため、この協会から指導・助言を受け、改善につなげていくこととしておりますが、この取り組みが実効性のあるものになるかどうかについては、現在、原子力規制委員会でさまざまな検討あるいは、審議を行っておりますが、そういったものであるとか、あるいは県の安管協でも議論を踏まえまして、県としても確認してまいりたいというふうに考えております。

◎佐藤正幸委員 実効性があるものかどうか認識していきたいのですが、ただこの推進協会が5ヵ年計画というのを発表しておりまして、その文章をみて私驚いたんですけど、アメリカの原子力発電運転協会―INPOから「自主規制組織として十分な成果を上げていない」という評価を受けているんですよ。しかも予定通りの効果を十分に上げることができなかったと。こういう評価がされているところに指導・助言を要請していると、企業体質はいったいどうなっているのか、率直に言わざるを得ないというふうに思っております。 それでこの問題の最後にしますけど、去年の12月26日の記者会見によると「北電は原発の長期停止で緊張感が低下していた。初歩的なミスが重なった」とこうおっしゃったわけですね。私非常に驚いたんです。初歩的なミスが重大事故につながりかねなかった。非常に脆弱なシステムだったということ。そして、緊張感が低下するような北電に原発を管理する資格はないというふうに率直に思ったんですけど、そういう認識をやはり県としてもつべきではないかと思うんですけど、この問題の最後にそこをお尋ねしておきたいと思います。

◎絈野健治危機管理監 県といたしましては、今回のような事象を二度と繰り返すことがないようしっかりと対策を講じていただくことが大切だというふうに考えております。現在、原子力規制庁では北陸電力から提出されました報告書の内容について確認、評価が行われているところです。今後、評価結果を取りまとめたうえで規制委員会へ報告されることとなるということを承知しております。県といたしましては、引き続き規制委員会における審議を注視するとともに、その結果について県の安管協においてしっかり確認してまいりたいというふうに考えております。

◎佐藤正幸委員 これ以上やっても難しいとおもいますのでやりませんが、そういう問題をはらんでいるということはぜひ認識しておいていただきたいとおもいます。 最後に森本・富樫断層による地震対策について1点だけお尋ねしておきたいと思います。昨年9月議会でもこの問題取り上げて、地震に特化した対策をと求めたところ、危機管理監のほうからは「従来から地域防災計画において必要な活断層の一つと捉えて以前から着実に備えは実施してきました」との答弁がありました。ただ金沢市が被害想定を出しておりまして、例えば人的被害の予測として冬の5時に地震が起こったとしたら2,500人の死者がでると、こういう想定になっているんですね。昨年8月に今後30年間のうちに、この断層によって地震が起こる確率がSランクという一番高いランクとなったと。本来ならば死者をゼロにする対策が必要不可欠でありますし、県としても基本対策の柱のひとつに位置付けるべきだとおもいます。私はこの際、知事を本部長とする部局横断の対策会議をもって、予算もしっかりとつけ、金沢市、白山市、津幡町も含めて、全庁あげた対策をとるべきだと思うんのですが、そこの認識を最後にお尋ねしておきたいと思います。

◎絈野健治危機管理監 県といたしましては、地震対策につきましては、知事をトップといたしまして、県の防災会議におきまして、地域防災計画を策定することにより、防災に対する方針を決めているところです。この地域防災計画におきましても、森本・富樫断層を県内で大きな地震を引きおこす注意が必要な活断層のひとつとして位置付けております。これまでも学校などの防災拠点施設の耐震化でありますとか、あるいは住宅の耐震改修支援、橋梁の補強対策等々に取り組んできたところです。また金沢市など4市2町におきましては、石川中央都市圏の防災連絡会を設置しております。防災施設の共同利用でありますとか、合同防災訓練の実施などについて検討するなど、各市町が連携して防災対策に取り組んでいるところでございます。 一方森本・富樫断層と同様の直下型断層でございました熊本地震におきまして、いろいろ教訓が得られております。被災自治体の職員が避難所で対応に追われたことにより、物資が集積拠点で滞留し、避難所へ十分に行き渡らなかったといった教訓が得られています。県といたしましては、こういった教訓を受けまして県の総合防災訓練におきまして、民間事業者の配送センターに物資の集積拠点を設置し、民間事業者のノウハウを活用して、物資の受け入れ、仕分けを行う訓練を実施したところです。また、国におきましても熊本地震の教訓を検証し、先月、応急対策・生活支援策のあり方に関する報告書をまとめております。今後、この報告書を防災基本計画に反映させていくというふうに聞いております。 県といたしましては、今後国から示される防災基本計画の修正を踏まえまして、地域防災計画の修正をおこなうとともに、市町や関係団体と連携して防災対策のさらなる充実強化に取り組んでまいりたいと考えております。

◎佐藤正幸委員 危機感がないというふうに感じるのは私だけでしょうか。本来目の色を変えて、被害者は一人もださないという意気込みで対応をとり、そのために予算の組み替え行うべきだと思います。今度の当初議会での予算は、森本・富樫断層に対する対応を県としても真剣におこなっていくんだというような予算が本来提案されるべきだというふうに思いますし、それが行政の本来あるべき姿ではないのかと思います。昨日、阪神淡路大震災から22年目の節目の日でもありました。金沢の被害想定は、熊本地震のように震度7クラスが2度起こると想定していない。新たな知見に立って、被害想定の見直しや、住宅耐震化の促進をおこなうなど、今日ここに参加された県の幹部の皆さんが、対策会議に本腰を入れて取り組むという意気込みを求め、質問を終わりたいと思います。以上です。

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