◎佐藤正幸委員 まず、人事院勧告がありましたのでお聞きしたいんですけど、月例給、ボーナスともに3年連続引き上げになったのは、公務、民間の協働により、全労働者の賃上げにより景気回復、という立場で大事でありましたが、物価上昇には追い付かないという問題もあります。扶養手当の見直しも、結局のところは女性を安上がりの労働者として活用するという狙いもあるなど、見過ごせない問題は多々あると思います。
そこでお聞きしたいのは、今回、国の人事院勧告には再任用職員の処遇改善は盛り込まれませんでした。年金の支給開始年齢が62歳となり、すでに最長2年におよぶ無年金期間が存在するもとで、確実な雇用と基本賃金の改善が急務であると考えております。今回、再任用職員の処遇改善を見送った理由と、あわせて再任用職員の処遇実態をお尋ねしておきたいと思います。
◎神野稔人事委員会事務局長 再任用職員の処遇改善を見送ったその理由でございますけど、本県はこれまでも給与制度は地方公務員法に定める給与決定の原則にのっとり、国家公務員の給与制度に準ずることを基本とし、再任用職員についても一般職員同様、国家公務員の取り扱いに準じてきたところです。
本年は給与表について、一般職員の高齢層の改定を行わないことから、再任用職員についても同様に改定を行わないとしたところでございますが、特別給、ボーナスについては、国の人事院勧告に準じ、一般職員の特別給の改定状況を踏まえて行うこととし、0.05月分引き上げ、年間2.25月分としたところです。
なお、手当については、人事院は住居手当や扶養手当の導入について、民間の支給状況も踏まえ、見送ったときいているところです。今後、人事院では、公務の再任用職員の任用実態やその状況の変化にも注視しつつ、円滑な人事管理を図るという観点から、これらの手当の支給も含め、再任用職員の給与のありかたについて、引き続き必要な検討を行うこととしており、本県においても国の動向に注視しながら対応してまいりたいと考えております。
それから、処遇実態でございますけれども、本年4月で687名の再任用職員が任用されておりまして、このうちフルタイム勤務者が352名、短時間勤務職員は335名となっております。再任用職員の給与については、一般職員に準じ給与の調整額、管理職手当、時間外勤務職員、地域手当、通勤手当等が支給されているところでありますが、平成13年の制度導入時に国に準じ、年功的要素や生活給的要素を含めずに職務を基本として民間の再任用者の給与水準を参考に設定したため、扶養手当、住居手当、単身赴任手当等の生活関連手当等は支給されないこととされましたが、単身赴任手当については今後、転居を伴う異動する職員が増加する可能性があることから、昨年度から単身赴任手当を支給することとしているところです。以上です。
◎佐藤正幸委員 700人近い再任用職員がおられるということで、いま指摘しましたが、無年金期間があるわけですので、ぜひそういう点では、官民の力を合わせて、本当の賃上げということで、12月議会では条例提案がされるとおもうのですが、ぜひこの勧告から一歩踏み込んで、再任用職員の処遇改善と、あわせて非常勤職員の処遇改善も盛り込む方向で、条例提案をしていただけるよう要請しておきたいと思います。
次に報告のあった志賀原発の雨水流入についてお尋ねしておきたいと思います。図が紹介されまして、改めて私、単に雨水が入った、というだけでは済まない問題であったとの報告だったと思います。
この図の雨水が入ったCというところ、ここには非常時に原子炉を冷却する機器の電源盤があったと。また、B1Fとかいてあるここには、非常時のための非常用バッテリーがあったと。そのすぐ上まで雨水が侵入してきたと。非常に重要度の高い、安全機能が喪失したという可能性も否定できず、また、設計上の問題もあると。要は冷却装置を動かす電気系統が作動しなくなるような設計であったし、福島原発のように、非常用電源が道路より低い地下にあった設計だったと。これはもう安全の根幹を揺るがす深刻な問題を露呈した形になったと私は受け止めました。
そういう意味では、安全の根幹にかかわる事態だと。先ほどの危機管理監の説明によると、国の動向を注視すると。ただそれだけでは済まない問題ではないかとおもうのですが、その辺をもう一度、県としての認識といいますか、そこをお聞かせ願いたいとおもいます。
◎絈野健治危機管理監 今回の雨水の流入については、国の委員会にも報告されております。そんな中で、国の原子力規制委員会の田中委員長も、先ほど佐藤委員のほうからご説明がありましたけれども、いろいろな問題があるということで、その中の一つとして、設計上の問題があるのかどうなのか、あるいは従業員の現場の意識の問題があるのかどうとか、そういったことを総合的に今後検証していきたいというお答ええおされておりますので、我々といたしましても、県としての調査報告を求めるとともに、原子力規制委員会の対応、そういったものもあわせて、今後総合的な対応を検討していきたいというふうに考えております。
◎佐藤正幸委員 ぜひ安管協などを早急に開いて、北電に説明を求めるという対応が執行部側に必要だとおもいますし、われわれ議会も、総務企画委員会や、防災・安全対策特別委員会に北電をよんで、説明を求めるなどの対応が必要ではないかとおもいますので、ぜひ委員長、副委員長も検討していただきたいと思います。
もう一つ、今度は鳥取で地震が起こったこともありますので、あわせてこの間我々が対応を求めている森本・富樫断層。実際に金沢市では、各地域ごとに防災訓練を行う過程で、いろいろな改善点が明らかになっているようです。たとえば、金沢市内の体育館はピロティ形式という、1階が空間、2階に体育館があるというものが主流になっていて、1階にしかトイレがない体育館もあると。いざ、避難訓練を実施したところ、高齢者の方や、身体が不自由な方々の移動、生活に非常に困難があることが判明したとお聞きしております。県としても、このような具体な状況をつかみ、支援をし、より踏み込んだ対応が必要ではないかと思うのですが、県としての認識はいかがでしょうか。
◎絈野健治危機管理監 確かに金沢市内等含めまして、先ほど言われましたように、ピロティ形式の体育館があるということで2階が避難所になっているケースがあることは承知しております。具体的にこういった場合、金沢市においては高齢者や障がい者などの対策をどうしていくかということでございますけれども、金沢市では避難所運営マニュアルをつくっておりまして、高齢者や障がい者などの特別な配慮が必要な方を考慮しながら対応するということで、自主防災組織が中心となって避難所運営をしておりますが、いまお話ししましたように、体育館が2階の場合でありましても、必要に応じて施設管理者、学校等の場合は、学校等と協議いたしまして、1階にある教室等の個室を高齢者、障がい者のスペースとして活用する、あるいは、自主防災組織が介助等の必要な支援を行うこと、あるいは保健師を派遣して健康管理に留意することなどにより対応することとしています。
また、一般の避難所では対応できない場合については、金沢市内では社会福祉施設等の87施設を福祉避難所として指定しております。こういう場合において、一般避難所で避難生活を送ることが困難と判断された方々については福祉避難所の利用を前提としております。県といたしましても、引き続き高齢者等の要配慮者対策がより具体的に進むよう市町を支援してまいりたいというふうに考えております。
◎佐藤正幸委員 ぜひ踏み込んだ対応を求めて、最後1点だけ質問したいと思います。小松基地のF15戦闘機のトラブルが多発している点についてお聞きしたいと思います。まず10月3日に緊急着陸、これにより民間機に遅延が発生したと。あと10月14日にも小松基地所属のF15が北海道の千歳空港で緊急着陸をおこなったと。続いているわけですね。まず3日の小松基地での緊急着陸の事故原因はなんだったのか、あるいは、民間航空機に支障がでていますので、県としてはなんらかのアクションを起こしたのかどうか、まずお聞きしたいと思います。
◎綿木浩三総務課長 まず10月3日のF15戦闘機のトラブルについて、小松基地所属のF15戦闘機が訓練を終えまして、着陸態勢に入ったところ、車輪のブレーキ異常を知らせる警報がなったということで、緊急着陸をおこなったというふうに聞いております。
◎佐藤正幸委員 なにか基地にアクションを起こしたのか、というあたりはいかがでしょうか。
◎綿木浩三総務課長 県としてはこの際、民間航空機の運航に遅れが発生したということが確認されましたことから、同日、私のほうから小松基地に対しまして、安全対策を講じて再発防止を徹底するよう申し入れを行ったところです。
◎佐藤正幸委員 では、10月14日の千歳空港の緊急着陸、これはなぜF15が千歳空港周辺を飛行していたのか、そして事故原因、民間機への影響など、最後にお尋ねしておきたいと思います。
◎綿木浩三総務課長 佐藤委員から今お話でました小松基地所属のF15戦闘機は、10月14日千歳基地において訓練に参加していました。訓練中に複数の警告灯が点灯したため、千歳基地に緊急着陸をしたと聞いております。民間航空機への影響はなかったというふうに聞いております。
◎佐藤正幸委員 ぜひ事故被害が拡大しないように、ぜひ県としても万全の対応を求めて、質問を終わりたいと思います。