遅くなりまして申し訳ございません。
9月27日におこなわれた、総務企画委員会(総務部・危機管理監室関係)の質疑答弁を公開します。
総務部関係では、県立図書館の移転問題について、危機管理監室関係では、熊本地震を教訓に県内避難所の実態、特に森本・富樫断層帯にかかる、かほく市から白山市の避難所の耐震化、バリアフリー化の実態、支援策などをただしました。
佐藤正幸委員:まず行革に関してお尋ねしたいとおもいます。昨年、政府の骨太方針2015のほうを受けまして、地方自治体に対して11年ぶりに行革の通知が去年の8月に出されていると思います。この通知で行革を具体化するように、政府のほうからの圧力がかなりかかっていると私たちは考えております。この立場から聞きたいのは、「公共施設等総合管理計画」という、公共施設の集約化とサービスの後退につながりかねないものがあるようですが、総務省は、2014年の4月に、この公共施設等総合管理計画をすべての自治体で策定するように要請をしていると。総務省は、ほぼ全自治体が今年度中に完了する見通しであるといっているが、本県はどうなっているのか、また、市町ごとの策定状況はどうなのかということを総務部長にお尋ねしておきたいと思います。
藤崎雄二郎総務部長:佐藤委員のほうからお尋ねございました公共施設等総合管理計画でございますけれども、高度経済成長期以降に建設されました公共施設などが、建て替えや改築などの更新時期を迎えており、全国的に、この老朽化対策というのが課題になってきてございます。こういった状況を受けまして、平成26年の4月でございますけれども、総務省から各自治体に対しまして、まさに御指摘のとおり平成28年度までの策定の要請というのがなされたところです。この計画については、今後の人口減少などによりまして施設の利用ニーズが変化していくことを踏まえ、長期的な視点をもって財政負担の軽減、平準化などを図ることを目的としており、現在、県では今年度中の策定に向けて作業を進めているところです。また、県内市町における計画の策定状況でございますけれども、19市町のうち、5市町において策定済みでございまして、残りの市町においても今年度末までに策定予定というふうに聞いておるところです。
佐藤正幸委員:そういうことなんでしょうけれども、しかし、ことしの骨太方針の中では、公共施設の集約化や、公営企業の運営、業務改革、民間委託などを、自治体間の広域化、共同化で進めると。県はその調整役としての役割が位置づけられており、これによってPPI、PPF等々も公民連携を推進しようとしているのではないかと、私たちは考えております。そこで私が懸念しているのは、この計画によって公立図書館の縮小が進むのではないか、ということなんです。すでにご存じのとおりに、新県立図書館の具体化にあたりまして、私、今一度改めて図書館の役割というものを勉強してみました。大事な役割のひとつに、住民が知りたいこと、学びたいことがあった際、図書館は必要な情報を提供することとし、もしその図書館に必要な資料、情報がなかった場合には、他の自治体の公立図書館から図書館相互貸借という形で、提供を受けることがきるという役割があるそうです。要は、立派な県立図書館ができたとしても、県内市町の公立図書館が削減されるようなことになれば、図書館相互貸借というものができなくなってしまうんです。先ほど策定済とされた5市町、そしてこれから策定がおこなわれる14市町の計画に、公立図書館の縮小計画などはあるのでしょうか。県としてはどのように把握されているのかお尋ねします。
藤崎雄二郎総務部長:大変恐縮ではございますが、5市町の策定した詳細をまだ把握してございませんので、確認をしまして、またご説明させていただきたいとおもいます。
佐藤正幸委員:県のホームページで公開されているものを見たのですが、県として把握しているのかと思いまして、一応お聞きしました。ある自治体なんですが、図書館の項目に、民間委託など運営形態を検討し、コストダウン図るとか、利用者が少ない施設から統合を検討する。などというのがあるわけですね。私は結局これが進んでいくと、耐震改修などの時期も重なっているので、公立図書館がつぶれていくのではないかと危惧しています。ですので、総務部としても、企画振興部、教育委員会と連携し、公立図書館が削減されないようにぜひとも頑張っていただきたいというふうに要望しておきたいとおもいます。
つぎの質問に移りたいとおもいます。先ほども森本・富樫断層帯に特化した想定等々はどうなっているのかという質問がありましたし、わたくしも一般質問で求めましたが、県の立場としては、地域防災計画でも想定して総合的にやっているんだということだと思いますが、もっと踏み込んだ対応が必要なのではないかと、私思うんです。そこで、森本・富樫断層帯で地震が発生した場合、対応が必要とされる指定避難所は一体どれくらいなのか、また、耐震化はどうなっているのか。これは今のうちから特別に把握しておく必要があるとおもいますが、そのあたりの状況についてお聞きしておきたいと思います。
絈野健治危機管理監:県内の指定避難場所は、トータル908施設でございます。そのうち耐震性を有するものが824施設ということで、全体の9割程が耐震化されております。森本・富樫断層帯に係る指定避難所はどのくらいかということですが、森本・富樫断層帯の地震のみ、という位置づけはしておりませんので、例えば、地域的にかほく市から白山市までの市町における避難所は全体で361施設ございます。そのうち耐震化済みのものは346施設ということで、耐震化率は96%となっております。
佐藤正幸委員:今、危機管理監からもあったとおり、かほく市から白山市までが想定されるわけですね。この辺も念頭に置いて重点的な対応が必要になってくると思いますので、改めて県に求めておきたいと思います。
最後に地震関係についてお聞きしたいと思います。熊本地震の教訓という点でいうと、避難所では、段差により高齢者の移動が困難だったり、そもそも車いすで生活されている方は避難所に行くことすら諦めざるを得なかったという状況があったそうです。そこでいまお話しがありましたように、県内の指定避難所908施設のバリアフリー化の実態はどうなっているのか、県としての把握状況と同時に、市町への支援策、特に森本・富樫断層帯に特化した支援含め、どのように考えているのかお尋ねしたおきたいとおもいます。
絈野健治危機管理監:避難所のバリアフリー化でございますけれども、入口のスロープ化を実施している避難所につては、県全体908施設のうち701施設ということで77%の避難所において入口のスロープ化がされております。バリアフリー化していることが望ましいことは当然のことでございますが、県内の市町では今後の改修計画に合わせまして、バリアフリー化を行う予定、あるいは改修予定のない施設につきましては、仮設のスロープ等を設置するなどの対応を検討しているところです。避難所のバリアフリー化については、国庫補助制度であるとか、あるいは各種起債制度を活用して、避難所の設置者である県または、市町において独自で改修することが必要と考えておりますので、県としても引き続き市町にバリアフリー化についての助言をしていきたいというふうに考えております。