9月定例会 知事・関係部長答弁 2016.9.16
知事(谷本正憲)
佐藤議員の一般質問にお答えいたします。
核兵器廃絶についてのご質問がございましたが、核兵器や戦争のない平和で安全な社会であることを願う気持ち、これは日本国民すべての願いであろうと思います。また、世界の人々の共通の悲願でもあると、このように理解いたしております。報道によりますと、オバマ大統領が検討する核先制不使用方針に関して安倍晋三総理は「米国側と核先制不使用についてのやりとりは全くなかった」と話をされておられます。「核なき平和へ向けて着実に前進するよう努力を重ねていきたい」こう述べられたと承知をいたしております。また。報道によれば、核兵器禁止条約の締結交渉に向けた国連の報告書の採択において、核保有国が参加をしていないことから、日本は核保有国の参加のもとで着実な議論を求めて棄権をしたとされているわけであります。
私自身も核兵器のない世界の実現を願うと同時に、改めて県民一人ひとりが平和の尊さ、大切さを次の世代にしっかりと伝えていくことが大事であるという思いを強くしているところでございます。
総務部長(藤崎雄二郎)
私からは県立病院を除く15の県内自治体病院に係る新改革プランの策定状況についてお答えをいたします。
現在、新改革プランを策定した病院が1つ。今年度策定予定の病院が14という状況になっております。新改革プランにつきましては、病院事業を設置する自治体が総務省の新公立病院改革ガイドラインに基づき、県の定める地域医療構想を踏まえながら、自らの責任において策定するものであると承知いたしております。引き続き、経営の効率化など改革努力が行われるように助言してまいりたいと考えております。
危機管理監(絈野健治)
防災対策につきまして、2点お答えいたします。
まず、森本富樫断層帯につきましては、県では従来から地域防災計画におきまして、県内で大きな地震を引き起こす注意が必要な活断層のひとつとして捉えているところでございます。県ではこれまで、阪神淡路大震災や、中越地震などの教訓も踏まえ、学校、防災拠点施設の耐震化、住宅の耐震診断や耐震改修への支援、橋梁の耐震補強などによる緊急輸送道路ネットワークの整備など、防災対策に取り組んできたところでございます。また、平成19年の能登半島地震では地域の絆に支えられた共助活動が発災直後の被災者の安否確認やその後の避難所生活においても重要な役割を果たしたことから、自主防災組織のかなめとなる防災士の育成など地域防災力の向上に取り組んできたところであり、今年度中に1町会1人に相当する4千人の防災士育成の目標を達成するとともに、女性防災士についても県内の避難所数に相当する千人を目標として育成に取り組んでいるところでございます。さらに、今回の熊本地震の教訓を踏まえ、去る4日に開催した県防災総合訓練では民間事業者の配送センターに物資集積拠点を設置し、民間事業者のノウハウを活用として物資の管理及び避難所への配送訓練などと実施したところでございます。今後とも市町と連携しながら、ハード・ソフトの両面から減災・防災対策に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、避難準備情報が出された場合、高齢者などへの避難誘導は徹底されているのかというお尋ねでございます。国の避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドラインでは、市町から避難準備情報が発令された場合においては、高齢者や障がい者など避難に時間がかかる要配慮者に避難を始めることとされております。これを踏まえて、すべての市町において避難準備情報の発令に当たっては、防災行政無線等により高齢者などの要配慮社に避難を呼びかけることとしております。また。県では社会福祉施設に対して、避難準備情報が発令された場合のとるべき対応について、通知等で周知をはかっているところでございます。今般8月の岩手県の高齢者施設で発生した痛ましい被害を受けまして、県では改めて避難準備情報を含めた警戒避難体制の確保について市町及び社会福祉施設に対し要請を行ったところでございます。今後とも災害発生時に住民が速やかに避難できるよう警戒避難体制の確保に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
企画振興部長(東高士)
私からは再生可能エネルギー関連についてお答えをいたします。
県内における昨年度の再生可能エネルギーの地域別の導入実績と特徴でございますけれども、県内のおける固定価格買取制度による平成27年度中の再生可能エネルギーの導入実績は1.858件で、容量は6万9.143キロワットとなっておりまして、そのほとんどが太陽光発電でございます。各地域の導入実績につきましては、金沢が534件で5.420キロワット。加賀が746件で1万8.162キロワット、能登が578件で4万5.061キロワットとなってございます。1件当たりの導入容量をみますと、金沢が10キロワット、加賀が25キロワット、能登が78キロワットと大きくなってございます。これは金沢、加賀におきましては住宅用の太陽光発電設備を中心に導入が進んだことと、能登では大規模な太陽光発電整備が建設されたことによるものと考えているところです。
次に、県内市町の再生可能エネルギー導入に関する計画の策定状況でございますが、県内市町におきまして再生可能エネルギーの導入に関して計画を策定していると回答しておりますのは、平成28年9月現在で、13市町となってございます。この13市町のうち、再生可能エネルギーの導入容量や二酸化炭素の削減量など何らかの数値を定めているところは5市町となってございます。
さらに本県が再生可能エネルギーの発電・供給主体となることにつきましては、本県におきましては、行財政改革の柱のひとつとしまして、時代の変化や民間との握割分担を踏まえた県行政の守備範囲の見直しを掲げ、民間に委ねることが可能な次女は民間への移管を推進することとしまして、そうした考えのもと、平成21年度末をもちまして、それまで県営で行っていた電気事業を民間へ譲渡しまして、企業局を廃止したところでございます。県として電気事業の展開をするということは現在考えていないところでございます。以上でございます。
健康福祉部長(山本陽一)
私のほうからは医療官兼の質問数点についてお答えをいたします。
まず、全国保険医団体連合会が行った各県ごとのアンケート調査についてでありますが、その詳細については承知をしておりませんが、いずれにしましてもすべての方々が必要な医療を受けられる機会を確保することは大切であるというふうに認識をしております。このことに関しましては、法令に基づきまして医療費の自己負担分の支払いが困難な方々に対する減免制度や医療費の自己負担が過重なものにならないようにするための高額療養費制度が設けられているほか、生計困難者等に対する無料定額診療事業も行われているところでありまして、今後とも県民の皆様方が必要な医療が受けられるように適切に対応してまいりたいと考えております。
次に、地域医療構想についてであります。地域医療構想に盛り込む2025年の必要病床数は、法令によりまして実際に入院したもののすべてのレセプトデータに今後の高齢化率等を加味するという方法で、現に発生している医療ニーズをもとに算定をするとされておりますことから、本県におきましてもこの方法を用いて算定をしたところでございまして、これまで地域医療構想を策定して他県においてもすべて同等であるというふうに承知をしております。
また、地域医療構想では入院以外に自宅や有料老人ホームなででの訪問診療や特別養護老人ホームなどの施設で医療を受けるといったものを在宅医療等の対象者と位置付けておりますが、これが現在に比べ8千人ほど増加をすると推計をしているところでございますけれども、本県では過去10年間でこうした訪問診療の実施件数や特別養護老人ホーム等の定員数がほぼ同数増えているということに加えまして、現在国においては既存kの療養病床の一部を在宅医療等の施設として転換することが検討されており、その動向も注視してまいりたいと考えております。
3点目は、県内公立病院の改革プランの策定に関する質問につき、県立病院の状況についてお答えをいたします。国は全国の公立病院の約半数が依然として赤字であるという状況を踏まえまして、今年度中にすべての公立病院において新たな公立病院改革プランを策定するものとしたところでございます。こうしたことから、本県の県立病院においても引き続き健全経営を維持し、安定的に高度専門医療等を提供する観点から、今年度中に現行の改革プランの改定を行うこととしております。その内容は、両病院それぞれが一層の経営の効率化に努め健全経営を維持する中で、県立中央病院においては小児・周産期医療や救急医療などを中心に高度専門病院としての役割を担い、また県立高松病院においては県内の精神科医療と認知症医療の中核病院としての役割を担っていくこととしています。今後とも県立病院の健全経営を維持し、高度専門医療等をしっかりと提供することにより、県民の安全と安心の確保に取り組んでまいりたいと考えております。
最後に国民健康保険における保険者支援制度の拡充についての質問にお答えをいたします。現在、市町が担っております国民健康保険につきましては、高齢者が多く、医療費水準が高い一方で低所得者層が多いといったことから財政が逼迫をしており、多額の一般会計からの繰り入れが行われているという構造的な問題を抱えております。このため、国は平成27年度より消費税財源を活用して市町に対し低所得者の加入者数に応じて公費で支援する保険者支援制度を1.700億円規模で拡充をし、このことにより市町における一般会計からの繰り入れの計画的、段階的な解消等を図ることととしたところでございまして、県としてはこうした財政支援の拡充が行われることにより、市町国保の財政基盤の強化が図られるものと考えております。
なお、この財政支援の拡充を受け県内の一部の市町では、医療費が増加傾向にある中、保険料の据え置きを行ったところもあるというふうに聞いておりますけれども、いずれにいたしましても、保険料につきましては各市町がみずからの判断で適切に対応されているというふうに承知をしております。以上でございます。
環境部長(宮崎良則)
産業廃棄物最終処分場について4点お答えいたします。
1点目は、下水道接続の知事意見に盛り込まれた理由についてでございます。輪島市門前町で計画されております産業廃棄物最終処分場については、当初、処理水を深谷川へ放流する計画でありましたが、環境影響評価準備書に対して下水道に接続して処理すべきとの住民意見があったことを受け、事業者から下水道接続を検討する旨の見解が示されたものであります。これを受け輪島市からは、「下水道接続は市民の安心につながるものとおもわれるが、実現可能性や接続した場合の課題について十分検討し、市と協議を行うこと」また志賀町からは、「輪島市の公共下水道に接続するよう計画の変更を前向きに検討すること」などの事業に対する意見が出されたものであります。県におきましてはこれらの意見踏まえ、環境審議会の意見をお聞きし、事業者に対して「下水道接続する場合にあっては実現可能性や課題等について下水道管理者である輪島市と十分協議すること」などの意見を述べたところであります。
2点目の下水道接続することによる安全性につきましては県からの意見を勘案し事業者と下水管理者であります輪島市との間で下水道接続に関する検討が行われ、輪島市として下水道接続は技術的に可能であり、水質についても事業者側と輪島市と二重三重のチェックを行い、河川へ放流する処理水の水質を行政が最終確認することにより住民の安心につながると判断したものと承知しております。今後、事業者においては環境影響の低減のため、さらに十分な検討がなされ、環境影響評価書を取りまとめることになりますが、県といたしましても評価書や設置許可に係る事業計画書の提出があれば、廃棄物処理法やふるさと環境条例等に基づいて専門家の意見をききながら環境保全のための措置や安全性について適切に判断してまいりたいというふうに考えております。
3点目は、賛成に至った理由についてのお尋ねであります。輪島市では下水道接続に関する独自の調査、検討の結果や、本年6月の市議会において産業廃棄物最終処分場処理水の下水道接続を認める議案が可決されたことを踏まえ、判断をされたものと承知をしております。
4点目の附帯意見に沿った県の対応については、これまでも県ではふるさと環境条例に基づく環境影響評価の手続きの中で環境保全の見地から意見を述べるにあたり、住民意見や事業者見解に配慮しながら地元市町の意見を勘案するとともに、専門家等からなる県環境審議会評価部会で公開による審議を行ってきたところであります。そして現在事業者は環境影響評価の手続き中であり、今後、県産業廃棄物適正処理指導要綱に基づく事前審査のほか、廃棄物処理法に基づき、専門家の意見聴取等の手続きが必要でありますので、県としてはこれらの手続きを通じて、適切に対応してまいりたいというふうに考えております。以上でございます。
教育長(田中新太郎)
小中学校における就学援助費の速やかな支給についてご質問がございました。
議員御指摘の国からの通知につきましては、事務処理上の留意事項等につきまして毎年通知をされているものでございまして、県教委ではこれまでも通知受領後速やかに市町教育委員会宛てに通知をし、周知を図ってきたところでございます。
新入学児童生徒の学用品に係る県内市町の支給状況でございますが、生活保護の要保護世帯に該当する児童生徒に対しましては、すべての市町において生活保護制度により入学前の3月までに支給している状況にございます。また、これに準ずる準要保護世帯につきましては、市町が国の交付税措置を受け、就学援助制度として地域の実情や税制状況等も考慮しながら対象経費や金額などをそれぞれ判断し、実施しているところでございまして、その際、所得等を確認する必要がありますことから、例えば白山市と小松市では全然年度の所得で認定し3月に支給しておりますが、そのほかの市町では前年の所得を確認して6月に支給している状況にございます。今後ともできる限り早期の支給に向けて所管する市町で適切に対応していただきたい、こんなふうに考えております。
~~再質問~~
佐藤正幸
知事に1点だけお尋ねしたいとおもいます。私は受診実態アンケートをもとにして、3割の人たちが経済的な理由で受診中断に追い込まれているという実態を紹介しました。部長から「すべての人が必要な医療が受けられることが基本だ」という答弁があったことは、非常に大事であったというふうに思っております。知事も同じ思いだとおもいますし、だからこそ、それが基本なのに3割にも及ぶ人が受診中断となっていると。この問題は県としてどう解決するのか、ここは知事としての決意をぜひ最後にお尋ねしておきたいと思います。
知事(谷本正憲)
これは医療行政について専門的な立場で日夜努力をしている健康福祉部長がお答えしたわけでありますから、私もこれは大変大事な答弁だと思っております。そのために自己負担の支払いがこんな方々については様々な軽減措置を設けられている。これをしっかり実行に移していくということが私は大切なのではないかと思うんです。