定例会

9月20日県議会での一般質問とその答弁を公開します

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9月20日、県議会9月定例会で一般質問に立ちました。その一般質問と答弁を公開します。

 ◎佐藤正幸議員登壇

  日本共産党を代表して、まず能登半島地震の被災者支援に関して質問をいたします。

  県の災害危機管理アドバイザーを務めていた室崎益輝氏は、「内陸地震として前例のない災害が 前例のない被害を引き起こした」として、天災、人災の両面で捉えることの重要性を指摘しております。

  天災の面での県の認識はどうか。 マグニチュード7.6は、1995年阪神・淡路大震災や 2016年熊本地震と比べて エネルギーで約5、6倍、日本海から能登半島内陸にかけて 断層が合わせて150km 同時に動いたのは、阪神・淡路大震災の断層と比べて3倍の長さであります。陸地が4、5m隆起したのは 国土地理院に観測記録が残る中では過去最大と言われ、長周期の長時間の振動などによって 木造家屋の人口や世帯数あたりの倒壊率は、阪神・淡路大震災の3倍程度に達すると指摘をされております。

  こうした内陸地震としての能登半島地震の特殊性について、県はどのように認識をされているのか 伺います。

  日本列島の一極集中の国土構造と戦後の経済成長のしわ寄せが能登のような半島部や中山間地に集中し、その結果として地域の経済力が衰退、高齢化が進みました。阪神・淡路大震災の被災地において、 65歳以上の人口は約2割に対し、能登半島地震では5割に達しています。こうした脆弱さが際立った地域、色々な意味で 日本の歪みの犠牲者と言ってもいいような能登で、もともと体力がないところに巨大な地震が起き、巨大な被害に見舞われたことが 能登半島地震の大きな特徴であり、この視点に立った復旧と復興が求められているとの立場から、以下お聞きをします。

 県内のみなし仮設にライフラインの途絶で暮らしている被災者に意向調査が郵送され 修理希望の場合は12月までに完了後退却、修理しなければ10月1日以降 速やかに撤去と明記され、被災者から不安の声が寄せられております。加えて、一時避難所は9月末をめどに閉鎖との方針も出されました。

 「仮設住宅の入居は10月末と言われた」「住宅の修理は80歳近い高齢であり 費用がかかることもあって迷っている」などの理由で、やむなく避難生活を余儀なくされているにもかかわらず 先行きの展望を示さないまま期限を区切るのは、被災者に寄り添うどころか、被災者を不安にさせるだけではないでしょうか。知事の認識を伺うものであります。

  一時避難所では最後までダンボールパーテーションなどが設置されず、プライバシーは守れないまま閉鎖されたとも聞きました。現時点では、一時避難所では全てテント等が設置されてプライバシーが守られているか、県としては把握しているでしょうか。

 被災者のデータベースを構築したと言いますが、被災者の実態が把握され、ニーズに沿った支援がなされてこそ 構築した意味があります。在宅避難者、ビニールハウスなどへの自主避難者、公営住宅、民間住宅のみなし仮設入居者の実情は把握されているのでしょうか。 また、関係市町と協力して、こうした方々への情報提供、必要な生活支援物資配布などを行うべきと考えますが、支援の現状はどうなっているのか、併せて伺います。

 9月末とされていた被災者の医療保険の窓口負担や介護保険料の利用料の支払いを免除する特例措置は、我が党の小池晃書記局長・参議院議員に対する17日の厚生労働省からの回答で、「10月以降も継続する」となったはずであります。国に確認し、改めて答弁を求めるものであります。

 被災地では複数世帯が同居している場合も多く、若い世帯が地域のみなし仮設に入居すると高齢者世帯は被災地の仮設住宅に入れない事態が相次いでおります。県は「仮設住宅の提供は1世帯1戸の原則」と言いますが、災害救助法の関連文書にはこうした内容は明記されておりません。能登に見合った改善をすべきであります。県の見解を伺うものであります。

 県は市町の要請を受け、仮設住宅を建設し提供する。市長と協定を結び、維持管理は市町との立場を取る一方、市町は仮設住宅での自治会を作って住民で話し合ってほしい としていることもあり、仮設住宅入居者からの要望は一向に実現をしておりません。「ゴミ出し場所は1箇所しかないため 高齢者が数百メートル歩いてゴミを出さなくてはいけない」「駐車場は1戸1台分しかないので 仮設住宅の敷地内に駐車をしている」「お風呂に手すりが欲しい」 こうした願いを実現する立場に立ち、自治会任せにせず 国の支援も受けて県と市町が協力して ボランティアの力も借りて解決する仕組みを作ることを求めるものであります。 県の見解を伺います

 市町の復興基金に盛り込まれた地域水道施設の復旧支援に関してお尋ねをいたします。給水人口が100人以下である水道は水道法の対象外のようですが、このような民間水道によって支えられている地域で、被害を受けたのはどの程度あると県は認識されているでしょうか。国に対して災害復旧の財政支援を求めるべきではありませんか。併せて答弁を求めます。

  遠隔地からの水源を利用していたが 水道管が破損。自分たちで湧水を使った水道管に切り替えたとも聞きました。電気も小水力発電で自分たちで という声も上がっております。 集約するのではなく、経済効率優先の地域開発と決別して、こうした自給自立型集落の復興 こそ 本来の創造的復興であると考えます。復興プランのリーディングプロジェクトにある自立・分散型エネルギーの活用など グリーンイノベーションの推進に本腰を入れるよう、そのためにも志賀原発の廃炉を強く求めるものであります。県の認識を伺います。

  みなし福祉避難所として定員外の介護利用者を受け入れている事業所からは、災害救助法に基づく支援の期限が1ヶ月ずつであるため、ペットのレンタルなどの支援が継続になるかなど 直前にしかわからないとの悲鳴が聞こえます。数ヶ月間の延長。もしくはせめて月初めに延長を決めるなどの改善を求めるものであります。県の認識を伺います。

 被災地では、例えば小規模多機能利用者の自宅が損壊し、半壊未満であっても自宅に帰れない状態のため、施設の中で受け入れ 定数超過となっている介護事業所もあります。介護が必要な方の受け皿をどう作るのか、高齢化率が50%という奥能登の実情に合わせた対策が求められます。

  補正予算で計上された介護施設の再開支援、定員超過を解消するための空き家施設改修等への支援とは具体的にどのような内容か。また 福祉仮設住宅の整備では、国にどのような要望をしているのかお聞きするものであります。

 私は7月下旬 被災地の公立病院関係者と懇談した際、患者が地域外に避難していることもあり 患者数が減っているが この現状に合わせた医療提供体制にするわけにはいかず、地域住民が安心して戻ってくることができる医療・介護提供体制を整えることが必要とのことでありました。そのための県、国の支援が不可欠であります。

 9月4日、県保険医協会が緊急要望書を提出し その中には「公的医療機関とともに「地域を面で支える」民間の医師歯科医療機関の復旧がなされなければ、被災住民・地域住民一人一人の復興はなしえません」と強調しております。これは介護の分野でも同じであります。

  この保険医協会に加入する被災した医師、歯科医師を対象にしたアンケートでは、「なりわい再建補助金の申請はかなり面倒で本当に補助したいのかと思えるほど」 との声もあります。「医療機関限定の簡単な補助金制度を作ってほしい」という声を国に要望すると同時に、県としてどう応えるか お答えください。

 医療機関向けの災害復旧費補助金は、社会福祉施設等の同補助金に比べて 補助率が低く申請期限も早すぎる。この声を国に届け、改善を要望すべきではないでしょうか。

  8月初め 被災地の農業法人の方から 要望を聞きました。用水路がズタズタになり、水田 もひび割れ、段差ができる被害のもとでも、川からポンプを水で汲み上げるなどして、7割強の水田で田植えができたとのことでありました。 各種補助金も大事だが 水田の被害をどう復旧するのか 奥能登の農業を担う人材をどう育成、確保するのか などのビジョンを示さなければ 離農がさらに進む。奥能登 の抱えている問題を解決しなければ、日本の農業の未来はないとのことでありました。

 復興プランの大施策に「農林水産業の再建には 能登の将来像を見据えた農地利用計画( 地域計画)を策定」とありますが、具体的にはどのような地域でどのような計画を立てようとしているのか、お聞かせください。

  その結論が「担い手の農地の集積・集約化や大区画化等を推進」とあり、それ自体を否定するものではありませんが、能登の自然や町・里山里海の素晴らしさを支えてきた農林漁業の担い手は家族経営であり、孤立型の集落であります。この家族経営的な農林水産業をどう再建するのか。例えば 県内外で定年を迎えたら能登に戻ってもらい、農業に従事してもらう。お孫さんも被災地で仕事をしてもらう など、総合的な産業構造をどう再建・復興するのか、県も国も知恵と予算を出すことが求められております。

  次に、2004年の中越地震の時に 台湾から学んで復興支援員の制度が作られ、集落ごとに 復興支援員を雇用して配置したと聞きました。若者を含めた支援員を複数配置してはどうかと考えますが、県の見解を伺うものであります。

 室崎益輝氏は、別荘型仮設住宅の建設・確保を提案をしております。家の再建には 5年 10年とかかることが予想される中で、家の修理が終わるまで そこに住んでもらう、言わば第1次公営住宅のようなイメージであり、そういう中間段階の住まいをきちんと提供し 見通しを持って生活できるようにする。自宅に戻る人が出て空いたらそこに移住者を優先的に住んでもらったり、別荘として住みたい人に活用してもらうようにするという提案であります 。検討に値すると思いますが、県の所見を伺うものであります。

  復旧・復興アドバイザリーボード会議が3回開かれていますが、ぜひ 2004年の中越地震復興市民会議の人たちからヒアリングを行うこと、能登の農林漁業を研究されている方々の意見を聞く場を設けるなどの工夫を要望いたします。

 仮設住宅入居者の支援に関わってる方は、「 ボランティアの力がまだ発揮されていない ボランティアは 来ないでほしいというイメージが払拭されていない」と話されています。市町職員の削減によるマンパワーが圧倒的に足りないことが 復興・復旧を困難にしているもとで、一人一人の被災者のところにボランティアが行かなければ被災者の実態もニーズも捉えきれないし、改善も図れません。そもそも ボランティアは自発的なものであり、県庁に登録しないとボランティアに行けないという状況も改善する必要があります。

 行政のみでは十分に支援が行き届かない分野への対応として 官民連携復興センターを設立するというならば、知事として「今 復旧・復興には足りないことが山積みをしている。ボランティアとして 駆けつけてほしい」とメッセージを発する必要があると考えます。知事の決意をお聞きするものであります。

  復興のための人、資材の確保へ来てもらえるだけの魅力ある賃金や環境を用意する。必要であれば全国の公共事業を1、2年 ストップしてでも人と資材を確保する これぐらいの構えが必要であり、能登の人たちの中にある「見捨てられている」という思いを払拭する対応を強く求めて、次の質問に移るものであります。

  7月28日、地質学を専門とする立石雅昭新潟大学名誉教授らとともに志賀原発周辺の断層調査を行いました。志賀原発北9キロにある後期更新世以降の活動が否定できないと 北陸電力も認める富来川南岸断層に関し、断層に沿う富来の領家港は隆起されたとされ、直近の領家・地頭地区は多くの建物が倒壊しております。原発5キロ圏内の和光台南の断層、長田付近の断層がある台地では、深さ1m 以上の長さ数十センチの地割れが発生しており、斜面側の歩道が長さ数十mに渡り大きく盛り上がり 剥がれた舗装面の下に敷き詰められた小石群が縁石を超えて滑り落ちておりました。立石名誉教授は、「日本でも稀な規模の直下型内陸の地震。震源から遠く離れた断層が活動した可能性がある以上、北陸電力並びに原子力規制委員会は その変状をつぶさに観察、検討しなければ志賀原発の安全性の議論はできない」と指摘をしております。

 県としては 和光台南の断層、長田付近の断層を含めた志賀原発周辺の地殻変動をどう認識しているのでしょうか。

  また、原発敷地内に存在する Sー 1 から Sー 6の断層への関連性を含め、志賀原発周辺の地域の地殻変動が今回の地震でどういう影響を受けたのか その調査を北陸電力と原子力規制委員会に求めるべきではないでしょうか。併せて所見を伺うものであります。

 次に、北陸新幹線延伸計画について、8月8日 国土交通省は与党プロジェクトチームに小浜ー京都ルート詳細案を提示。建設費は最大5兆3000億円、当初の2.5倍に膨れ上がり、着工 5 条件の1つである費用効果は当初の1.1から1を下回ることは必至であり、工期も2倍であります。政府と与党は、費用効果算出方法の見直しまで検討するという ごまかしでやろうとしており、京都新聞 8月12日付け社説 は「もはや画餅」と断じております。

 延伸計画を断念し、沿線住民、利用者にとってどのような鉄道整備がいいのか、考える時期に来ていると考えます。 少なくとも、金沢から大阪、名古屋方面への特急の復活を JR と国に要望すべきと考えます。県の見解を伺います。

  次に、いしかわ特別支援学校の知的障害教育部門高等部の新校舎建設に伴う明和特別支援学校の通学区域変更に関してお尋ねをいたします。

  遠い学校への転校に対する保護者、子供の不安が広がる中、教育委員会は保護者説明会、個別相談を行い 夏休み期間中に結果連絡を個別に行ってきたとお聞きをしました。一部の子供は転校しなくてもいい道が開かれ、安堵の声が聞かれる一方、転校を言い渡された 保護者からは、以下のような落胆と怒りの声が上がっております。「子供は転校したくないと強く意思を表示し、不安から夏休み中に自傷行為や家を飛び出す行為が増えた」「転校できない理由を一生懸命話したのに返事は「転校です」の一言。理由を聞いても「教育委員会が決めたことなので」と 何もわからない。「個別相談の結果の連絡も管理職を通じてのみであり 保護者の思いが 教育委員会に届いているのかどうか」

  問題の根本には 児童生徒増に見合う教員増を怠っていたことにあり、今回の通学区域の見直しは教育委員会による都合であることからも転校は強制的であってはなりません。転校したくない、できないという意思表示を最大限尊重すべきではないでしょうか。教育長の姿勢を伺うものであります。

  問題の解決には、明和特別支援学校の教室不足解消へ、新校舎の建設などに踏み出すべきと考えます。

 関連して スクールバスの増便の補正予算が組まれていますが、2つの校舎のある一つの学校に通学区域が広すぎて 21 ルートもあること自体、異常なことであり、特別支援学校の増設が避けて通れなくなっている証左だと指摘をされております。教育委員会の資料によれば、今でも通学時間が 片道1時間を超える特別支援学校は4校もあります。直ちにバスを増やして、通学時間の負担を軽減すべきと考えます。教育長の見解をお聞きをいたします。

 現在、地方自治体の20の業務を標準化する作業が 来年、2025 年末を目標として進められ、県はこの市町支援業務に関わる事業者を公募、決定しているようであります。

 業務システムの標準化。共通化を進めるにあたり、2022年7月20日の総務部長答弁を踏まえて、町が独自に実施している施策はシステムをカスタマイズして残すことができ、住民サービスが後退するようなことはないのか、お聞きをしておきたいと思います。

 最後に、自民党の裏金問題をめぐり、神戸学院大の上脇博之教授は 8月2日、馳知事を政治資金規正法違反の疑いで刑事告発したと報じられました。知事は、国会議員時代に819万円のキックバックを受け取ったとされ、使途について「事務所経費として支出していると聞いている」と説明をしましたが、 2月7日に訂正された収支報告では、清和研究会から日付不明で8万円の収入、前年の繰越額が671万円増だけの訂正であり、知事の説明と整合性が取れません。

 この刑事告発をどう受け止めるのか、819万円の使途について収支報告にきちんと書き加えるべきではないでしょうか。

 説明を求め、以上、知事、関係部長の答弁を求めて、私のすべての質問を終わるものであります。

◎馳知事登壇

  佐藤正幸議員にお答えをいたします。

  被災者の支援についてのご質問がございました。被災地でのインフラ復旧や仮設住宅の完成に伴い、多くの避難所が順次解消されているところであります。一次避難所、広域避難所及び一・五次避難所は 原則9月末までの解消を、 ホテル、旅館などの二次避難所や 一時的な避難場所である県外の公営住宅は原則年内の解消を目指すこととしております。

  避難所の解消に向けては、仮設住宅の追加要望分の完成や自宅の修理再建を促進するとともに、避難者のご意向と状況を丁寧にお伺いをし、事情がある方に対しては個別に対応を行います。また、みなし仮設住宅については、入居者に対して 7月に実施した今後の住まいに関する意向確認も踏まえ、避難所の解消と同様に入居者のご意向や応急修理の状況など 丁寧に把握し、事情がある方に対しては個別に対応を行ってまいります。

  災害ボランティアについてのご質問がございました。発災以降、県内外から延べ14万人を超える方々に被災地でのボランティア活動に参加いただいており、復旧・復興の大きな力となってきました。多くの皆様のご支援に改めて心から感謝申し上げます。

 発災直後から これまでは被災家屋の片付け、災害ごみの運搬など多くのマンパワーが必要であり、県においてもボランティアバスでの派遣を行うなど、市町を支援してまいりました。今後、復興期のフェーズにおいては、例えば地域コミュニティの維持や子供の居場所づくり、要配慮者の見守り、相談など、地域に根ざした様々な活動が継続的に必要となってくることが予想されます。このため、現在も県内外の様々な NPOやボランティア団体に活躍 いただいておりますが、今後は県内ボランティアの支援拠点となっている石川県NPO活動支援センターにおいて、新たな団体や大学、企業にも参加を広げるなど 被災地支援の輪を広げてまいりたいと思います。

  今後とも息長く能登を応援いただきたいと考えており、引き続き復興に向けたボランティア活動にご協力をお願いしたいと思います。

 志賀原発周辺の地殻変動についてのご質問がございました。今回の地震による志賀原子力発電所の敷地内断層や敷地近傍断層への影響については、北陸電力が調査を行い 敷地内の盛土、埋め戻し土や舗装部において段差等が確認されましたが、表層のみに発生したもので 敷地内断層との関連はなく、敷地内断層には 今回の地震に伴って活動した痕跡は認められないこと、敷地近傍の富来川南岸断層については 断層中央部付近で地表に変状が報告されておりますが、当該地点は 盛土地点であり、その他の地点で今回の地震に伴って活動した痕跡は認められていないこと、福浦断層及び断層〇については、今回の地震に伴って活動した痕跡は認められないことなどの調査結果が、3月27日に開催した県原子力環境安全管理協議会において報告されました。これらの調査結果については、原子力規制委員会が4月12日に 審査会合を行い、4月19日の現地調査を踏まえ、9月6日の審査会合において 北陸電力の報告は適切と評価したと承知しております。

 また、議員ご指摘の敷地近傍の和光台南の断層、長田付近の断層についても 北陸電力からは 衛星写真を解析し 今回の地震に伴って活動した痕跡は認められていないと聞いております。北陸電力では今後、新たな知見が得られれば、その知見を踏まえ 適切に評価に反映し、規制委員会においては 審査会合で評価の内容を確認していくと 承知しております。

 規制委員会には今般の地震による影響をしっかりと検証するとともに、科学的な根拠に基づき厳格な審査を行い、地元住民はもとより 国民の理解と納得が得られるよう しっかりと説明責任を果たすことを引き続き 強く要望してまいります。

 私の国会議員時代に所属していた清和政策研究会に関する政治資金問題に関してのご質問がございました。本件に関しては、すでに国会議員時代の秘書が当局に対して説明しております。佐藤議員ご指摘の告発の内容の詳細は承知しておりませんが、今後も必要であれば 丁寧に説明するように 国会議員時代の秘書に指示をしております。

 収支報告書の修正については、政治資金規正法で収支報告書などの保存義務のある 3年間 分について、収入分を修正いたしました。なお 支出については 還付金の一部を政治活動に必要な旅費や通信費などの事務所費として支出したものでありますが、これらは保存義務 以前の平成30年及び令和元年に支出したものであります。

  今後二度とこのような問題が起こらないように、法律にのっとり適切に処理をしてまいります。

 私からの答弁は以上であります。残余のご質問については、担当部長よりお答えをさせていただきます。

◎浅野副知事登壇

  自治体の情報システム標準化を進めることで、市町の独自の施策はいつできるのか という ご質問をいただきました。

  地方公共団体情報システムの標準化に関する法律によって、国民健康保険や住民基本台帳など主に市町村の業務のうち、事務処理の内容が全国的に共通をしている20の事業に関するシステムについて、令和7年度を目標にシステムを標準化、共通化することとされております。市町が独自の政策をこれに加えて実施する場合には、標準準拠のシステムとは別のシステムを構築しまして 標準準拠のシステムと連携させることが可能となっておりまして 市町のシステムがこれによって後退することはないと考えております。

 県としては 市町のシステムの標準化に向けまして 情報提供や専門家の派遣による伴走支援体制を作っておりまして 引き続き市町をしっかりと サポートしてまいります。

◎飯田危機管理官登壇

  能登半島地震の特殊性についてお尋ねがございました。今回の地震は 平成19年能登半島地震の約11倍のエネルギーとなるマグニチュード7.6 を観測し、輪島市、志賀町で県内観測史上最大の震度7を記録するとともに、県内全域で強い揺れが発生いたしました。

 地震の特殊性につきましては、県の震災対策部会におきまして、専門家から北東から南西に伸びる複数の断層帯が連動し、150km程度の断層帯が動いたことや、阪神・淡路大震災や 熊本地震と比べまして、キラーパレスと呼ばれる短周期の地震の揺れが、1つではなく3つ4つと連続して発生し、長時間揺れたため、建物に深刻な被害を与えたこと、また能登半島 北西部で海岸が最大約 4メートル隆起する地殻変動も発生したとの報告を受けております。

  続きまして 一次避難所におけるプライバシーの確保についてお尋ねがございました。避難所の運営につきましては、内閣府の避難所運営ガイドラインにおきまして プライバシーを確保する観点から 間仕切り等により 世帯ごとのエリアを設ける等の配慮が必要とされております。本日現在、輪島市や珠洲市、志賀町で開設されております 25カ所の一次避難所のうち 21箇所の避難所でテントやダンボール 間仕切り等の設置により プライバシーが確

保されております。

 避難所で間仕切り等を設置していない理由といたしましては、市町からは「避難者がお互いの顔が見えないことで 孤独感を感じる」との声があることから設置していないと聞いております。 以上でございます。

◎土岐能登半島地震復旧・復興推進部長登壇

  2点 お答えさせていただきます。

  まず 在宅避難者、自宅避難者等への支援の現状でございます。発災直後は在宅避難やビニールハウスなどへの自主避難を余儀なくされる避難者が多数おられました。これらの方々に対してましては、市町と連携しながら避難所の状況を把握し、生活物資の配布や各種支援情報の提供に加え 定期的な見守り・訪問活動を行ってまいりました。その後、市町では在宅避難者や自主避難者の方々に対しまして 丁寧に声かけを行い、より充実した支援が受けられる 一次避難所への移動を随時促してまいりました。現在、能登6市町におきましては、行政として一次避難所と同等の支援が必要なビニールハウスや車中泊を余儀なくされている 避難者はおられないというふうに認識しておりますが、在宅で支援が必要な方に対しては 避難者見守り事業等を通じて 継続的な支援を行っております。 

 また、公営住宅やみなし仮設住宅に入居された方に対しても同様に 県、被災市町が避難先自治体等と連携をし、入居者それぞれの実情に合わせまして支援情報の提供、見守り活動などの支援を行っております。

  続きまして 復興支援員についてお答えをいたします。復興支援員につきましては 被災地域におきまして地域の高齢者などの見守りや地域行事などの活動を通じ、コミュニティの再建を図る人材として、ご指摘の通り平成16年の新潟県中越地震では復興基金によりまして、また、平成23年の東日本大震災等では別途国の制度として活用されてきたものと承知をしております。

 今後能登が復興を果たしていくためにはこうした取り組みを担う人材の確保は重要でございまして、中越地震の際にはなかった制度でございますが、地域おこし協力隊ですとか集落支援員などの制度もございますので、こちらの活用も想定されることから、市町と連携して復興に向けての必要な人材の確保につなげるよう努めてまいりたいと考えております。僕からは以上です。 

◎高橋企画振興部長登壇

  私からは金沢から大阪、名古屋方面への特急列車の復活のご質問にお答えさせていただきます。

 北陸新幹線敦賀開業後の特急列車の並行在来線区間への乗り入れについては、敦賀開業前の平成29年頃から令和3年にかけて 福井県がJRr西日本や国と協議を重ねてきた経緯がございます。その結果、JR としては、並行在来線区間に特急を存続した例はなく、敦賀開業後は新幹線を利用いただくことが基本かつ大原則であり実現困難であること、また、並行在来線会社にとっては、並行在来線区間に特急列車が乗り入れることにより JR貨物から受け取る線路使用料が減少し、収支悪化につながることなど、多くの課題があったことから断念したものと承知しております。

 現在もこうした課題は変わらず、実現に向けたハードルは高いものと認識しております。 以上です

◎柚森健康福祉部長登壇

 私からはまず医療保険の窓口負担や介護保険の利用料の支払いを免除する特例措置についてお尋ねがございました。今般の地震により、住宅の全半壊などの被災をされた方を対象にした国民健康保険、後期高齢者医療制度の加入者に関わる医療費の自己負担及び介護保険制度におけるサービス利用料については特例的に免除となる取扱いとなっており、その期間については国の通知により、今のところ本年 9月末までとされております。

 10月以降の延長については、現在国において検討しているとお聞きをしておりますが、現時点ではまだ決定の通知は県に届いておりません。

 次に、みなし福祉避難所に関わる災害救助法に基づく支援の運用の改善についてお尋ね がありました。県では、福祉避難所とみなしている高齢者施設等に対して、避難者を受け入れるための介護ベッド等の レンタル費用などについて、災害救助法により支援をしております。災害救助法の適用期間の延長などにあたっては、被災市町の現状等を見極めながら 内閣府と協議をしており、適用期間の延長が決まり次第、速やかに全ての受け入れ施設に対しお知らせをするなど、丁寧な対応に努めております。今回のご意見についても内閣府にお伝えしながら、引き続きしっかりと協議の上、対応してまいります。

 介護施設の再開支援、定員超過を解消するための空き施設改修等への支援の具体的内容 、福祉仮設住宅等の整備に関わる国への要望状況についてお尋ね がありました。

 今回の補正予算において、介護が必要な方の受け皿づくりとして、被災により休止した施設の再開を支援するため、必要となる備品購入や職員の雇い上げに関わる経費を支援することといたしました。このほか、広域避難者を受け入れた施設のうち、認知症高齢者グループホームなどの一部の施設における定員超過を解消するための新たな受け皿として、空き施設の改修などに対して 1箇所当たり1000万円程度を支援することといたしました。 

 また、福祉仮設住宅については、入居対象が全壊などの被害を受けた施設入所者に限られるなど利用条件が限定的なことから、国に対し、その他の制度も含め、柔軟な対応などを要望しております。

 医療機関限定の簡単な補助金制度の創設についてお尋ね がありました。なりわい再建支援補助金については、医療機関のみならず多くの事業者から申請手続きの簡素化を求める声があり、これまでも 2社以上の見積書の提出が困難である場合に、理由書の提出をもって1社の見積書での申請を認めているほか、国と協議し、今月には法人の登記簿謄本や決算書等の申請書類の提出を不要とするなどの見直しを行い、手続きの簡素化を図っております。 医療機関には、こうした手続きが簡素化された点をしっかりと周知をしてまいります。

 なお、医療機関限定の簡単な補助制度の創設については、なりわい再建支援補助金のほか、 被災した医療機関等の復旧費用を補助する既存制度があることから、難しいと考えております。

  最後に、医療機関向けの災害復旧費補助金の補助率や申請期限の改善を国に要望すべきとのお尋ねに対してお答えします。社会福祉施設については経営基盤が比較的弱いこともあり、災害復旧費補助金の補助率は通常4分の3とされており、今回、激甚災害の指定により6分の5に引き上げられたものと認識をしております。

  医療機関に対する災害復旧費補助金の補助率については通常1/2であるところ、激甚災害の指定により公的医療機関のみ 3分の2に引き上げられております。このため、これまでも 国に対し、民間医療機関等の補助率引き上げについて、全国知事会などを通じて要望しているところであり、申請期限の延長についても具体の要望があれば、柔軟な対応を求めてまいりたいと考えております。 以上でございます。

◎森田生活環境部長登壇

 私の方からは地域で管理する水道についてお答えをいたします。

 今回の地震では、能登地域を中心に上下水道が大きな被害を受け、地域で管理する小規模な水道においても水道管や貯水タンク等が破損し、修繕が必要になった施設が40箇所程度あると聞いております。こうした地域で管理する水道については、国の災害復旧費補助金の補助対象とはなっていないため、県といたしましては復興基金を活用し、熊本地震より拡充した支援制度を設けることとし、本議会にお諮りをいたしております。

  発災以降、国に対して、地域で管理する水道に対しても災害復旧の補助対象にするよう要望してきており、引き続き知事会等を通じて働きかけを行ってまいりたいと考えております。 以上です。

◎吉田農林水産部長登壇

  私からは地域計画の策定についてお答えいたします。

 地域計画は、農業経営基盤強化促進法に基づき、集落や校区単位など地域の実情に応じて定めた区域ごとに、概ね10年後の地域の農業を見据えて、誰が農地を耕作するのかを関係者で話し合い、地図で明確化するものであり、全ての市町が策定することとされております。

 能登では、人口減少や高齢化が進行し、担い手の確保が課題であることから、地域農業を維持するためには農地の大区画化やスマート農業を導入しながら、小規模農家から余力のある農家への作業委託 など、地域が一体となった取り組みが重要と考えております。このため、担い手農家はもとより、小規模農家や兼業農家、集落営農組織といった多様な農業者を交えた話し合いを通じて、地域計画を策定することが必要と考えております。

 県では、これまでも被災市町に対し、計画策定が円滑に進むよう、計画の策定例の提供や 策定の場合の参加、助言など、きめ細かな支援に努めてきたところでございます。今後とも、市町における地域計画の策定の取り組みをしっかりとして支援してまいります。

 ◎桜井土木部長登壇

 私からはまず仮設住宅が提供される世帯に関する質問にお答えをします。議員ご指摘のとおり、災害救助法、その他関連文書には1世帯に対する提供戸数は明記されておりませんが、内閣府の指導に基づき、一世帯に対し1戸の提供とされております。1世帯あたりの構成員の数が多いといった被災地特有の事情があるため、みなし仮設住宅を活用するにあたり 、家族構成に応じた適当な賃貸物件を探すことが困難であったことから、1世帯の構成員が6名以上である場合は、内閣府に協議を行い、世帯を分離し、二戸を上限に賃貸物件の提供が可能となりました。また建設型仮設住宅においても、みなし仮設住宅との併用を除いて 介護など特段の事情があれば、内閣府に協議を行うことで、これまで世帯を分けて提供してきました。

 今後とも 被災者からの要望を踏まえ、地域の事情をしっかりと国に伝えてまいります。

  次に、仮設住宅の生活環境改善について県と市町、ボランティアとの協力についてお答えをします。仮設住宅の生活環境の改善について、県ではこれまでも集会所の追加整備など施設の改修に関する具体の要請があれば 随時市町と協議しながら対応をしてきました。一方、仮設住宅の維持管理については、協定に基づき市町が行うこととなっており、それぞれの地域特有の課題に応じて適切に管理されるものと承知をしております。

 今般、復興基金の市町事業として、仮設住宅の維持管理や自治組織の運営等に要する経費への支援をメニュー化し、本議会に所要の予算をお諮りしているところであり、これらの支援制度も活用いただき、生活環境の改善につなげていただきたいと考えます。

 最後に別荘としての仮設住宅の利用についてお答えをします。応急仮設住宅については、自宅が全壊するなど、あくまでも住居の確保が困難となった被災者のための住まいであり、市町からの要請に基づき、入居に必要な戸数に限り建設を進めております。一方で、東日本大震災では、入居要件を満たす被災者が退去された後に一定期間、当該住戸への入居希望者がいない場合において、国との協議により目的外での使用が認められた事例もあると承知をしております。

 移住者の住まいや別荘としての活用など、議員ご指摘のようなケースについては、今後市町から具体的な相談があれば個別に国と協議をしてまいります。 以上です。

◎北野教育長登壇

 特別支援学校の通学区域に関連してご質問がございました。県教委では、いしかわ特別支援学校と明和特別支援学校の両校の教育環境の改善を図るために、いしかわ特別支援学校 新校舎の開校に合わせて、令和7年4月から両校の通学区域を見直すこととしております。

 見直しに伴う通学先の変更については、これまでの説明会や体験入学時の保護者の意見や要望を踏まえ、来年度最終学年を迎える今年度の高等部2年生、中学部 2年生、小学部 5年生については、卒業までの残り1年間は現在の学校に引き続き通学をする選択肢をお示ししたところであります。また、医療的ケアなどで体調面で不安を抱えている児童生徒等についても、通学先の選択について、それから通学環境ができるだけ変化しないよう、スクールバスのルートの追加などの対応案もお示ししてきたところであります。

 今後とも、保護者の要望に耳を傾けながら、対応できるかどうかも含めまして検討するとともに、学校ともしっかり協力をしながら、保護者に対して丁寧に説明をしてまいりたいと考えております。

 次、スクールバスについても お尋ねがございました。特別支援学校のスクールバスについては、学校の新設や増設の場合を除き、現状の運行体制を基準として乗車時間のほか、乗車人数や乗車する児童生徒の状態等を総合的に勘案して運行体制を決定しております。令和5年度の文部科学省の調査によりますと、スクールバスの最長乗車時間の平均が最も長い県では 77分であり、本県では短い方から3番目の39分と、全国的に見て乗車時間は短い方となっております。

 県教委としては、引き続きスクールバスの適切な運行に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。

◎佐藤正幸議員登壇

 簡潔に2点、知事と教育長に再質問をいたします。

 まず、医療費の免除の9月末の期限延長については、もううちの小池晃と担当者で10月継続するというふうに確認しておりますので、ぜひ知事、国会議員時代のパイプと言うんですから、この休憩時間中にでもすぐに電話をして確認して、是非答弁をしてもらう機会を作っていただきたいと思います。

 教育長については、保護者と子供たちの願いに反して転校するというふうにはしないと、そこの思いは私と教育長と一緒だと思いますので、結果として意図に反して転校するということにはならないようにすると、そこの思いだけを聞かせていただきたいと思います。

◎馳知事登壇

 医療費の免除については、通知を待っているだけでありまして、佐藤先生おっしゃる方向でそうなるというふうに認識をしております。

◎北野教育長登壇

 先ほどもご答弁申し上げた通り、県教委ではいしかわ特別支援学校と明和特別支援学校の通学区域につきましては、令和7年4月から見直すこととしております。見直しに伴う通学先の変更につきましては、これまでの説明会や体験入学時の保護者の意見や要望等を踏まえ 、何点か、現在の学校に引き続き通学する選択肢もお示ししたところでございます。

 今後とも、保護者の要望に耳を傾けながら、対応できるかどうか も含め検討するとともに、学校とも協力をしながら保護者に対して丁寧に説明して参りたいと考えているところでございます。以上でございます。 

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