◎佐藤正幸委員 文化部活動のガイドラインというものがあると私も初めて知ったので、関係してお尋ねしたいのですけど、文化庁が昨年12月に文化部活動の在り方に関する総合的なガイドラインというものをつくったようで、県も3月に方針を出したと思います。私も若干目を通させていただきました。
この文化庁のガイドラインでは、運動部活動のガイドラインにはない記述も、「生徒の自主的・自発性を尊重し、部活動への参加を義務づけたり、活動を強制したりすることがないよう、留意すること」と、こういう表現が確かにありました。部活動学会というのがあるようで、この関係者の方も注目をしていると聞いています。
ただ、県の方針には「部活動が生徒の自主的、自発的な参加に基づくもの」という記述で終わっていると言うと語弊があるかもしれませんけれども、その記述にとどまっているのですけど、これは何か理由はあるのか、お聞きしたいと思います。
◎田中新太郎教育長 特に理由はありません。さきの運動部のガイドラインをスポーツ庁がつくりました。その後に、今度は文科省が文化部活動のガイドラインをつくりました。運動部のガイドラインができたのに合わせて、うちはさきに運動部の県の方針を作成しました。その表現と合わせたということでありまして、別に文化部だからどうのこうのということはありません。
ただ、御案内のように、学習指導要領には部活動はあくまでも学校教育の一環として「生徒の自主的、自発的な参加により行われるもの」とはっきりと明記されていますので、学校関係者もそう思っていますので、どうも文化部のほうは委員の方が1人、書け、書けと、これは書くべきだと大きい声を出されたようで、文化部のガイドラインだけにこの表現が入ったようです。
そういう意味で、それが入った、入らないは、検討会か何かの中の議論の流れの一つであって、根っこの基本的な考え方は変わっていませんので、うちは横並びで運動部と合わせたということで特段意味はありません。
◎佐藤正幸委員 わかりました。ぜひ、自主的、自発性を尊重されるようにお願いしたいと思います。
あと一つは、県の育英資金、奨学金です。この返済についてお聞きしたいのですけど、県の育英資金は、大学生向けは月額4万4,000円だと思います。4年間借りると211万2,000円、卒業時にこれだけお金を背負って返済が始まると、無利子だとはいえ、返還年数10年の場合は月1万7,600円の返済、20年の場合、そうすると40歳を超えることになりますが、月額8,800円の返済となります。今、若者は大卒であっても非正規の場合もあったり、あるいは県外でひとり暮らし、なかなか返済が難しいのではないかと思いますし、20代、30代で結婚すればなおさら子育てなりにもお金がかかると思います。新潟県では返還猶予制度というものがあって、奨学金返済時の世帯収入が一定額以下の場合は返還を猶予する。具体的には給与所得世帯で300万円以下、それ以外の世帯では200万円以下である場合は返還を猶予するという規定があるようなので、これを機会に石川県としても同じような措置をとってはどうかと思うのですけれども、見解をお聞かせ願いたいと思います。
◎田中新太郎教育長 基本的に国の制度があって、県にも育英資金ありまして、大学については御案内のとおり国の制度で、うちは補完的に一部しかやっていません。高校生に対しては、引き続き県で国の財政措置も受けながら育英資金の貸与をやっています。
新潟県がそういうことをおやりになったという話ですけど、償還猶予すればいいわけで、免除するのなら最初貸すときから給付型の奨学金つくればいいのかと、制度的には私はそう思います。おやめになった前の知事が知事になられたときに制度を変えたと伺っていますけど、うちのほうでもいつも佐藤委員おっしゃるように、払えない方には個別の事情に応じてきちんと償還猶予なりやっていますし、もともと無利子で延滞したからといって利子もかかりません。返済額がふえるわけでもありませんので、そこは公平性の観点から払えるのに払えないということでなければ、事情をしっかりと見た上できちんと配慮していますので、そこは制度があるかないかではなくて、実態にそれぞれの事情に沿った配慮がなされているかということで御理解をいただきたいと思います。
◎佐藤正幸委員 そうはいいながらも、私が気になっていたのは、奨学金返済の業務を民間に委託したという報告をたしか受けたことがありまして、民間ということですのでいろいろなことがあるのかと思うので、無理な返還を強いていないかという懸念が私にはありますので、この際、最近の状況を報告していただければと思います。
◎岡崎裕介庶務課長 育英資金の滞納者の中には、職員による電話または文書催告を無視し続けたり、戸別訪問でも接触できないといった方がいるほか、県外に在住している滞納者も多いことから、平成27年度から債権回収を専門に行っている事業者に業務の一部を委託して、より専門的な見地から回収を行うといったことにしたものです。
この委託先については、まず法務大臣の許可を得た民間の債権回収業者でありまして、その業務内容は電話催告、文書催告を行うほか、滞納者からの分割納付等の返還方法の相談といったことも行っております。
委託業者には行き過ぎた対応とならないように、例えば委員おっしゃるような威圧的な態度をとらない、また正当な理由なく午後9時から朝8時までの間に電話とか訪問は行わないなどといった法務省が定めたガイドラインといったものがあるのですけれども、これをしっかりと遵守していただくということにしています。
なお、実際にそういった委託業者が滞納者から苦情を受けたといった報告もありません。また、滞納者本人から委託業者に関する苦情を直接受けたこともありません。
回収業務を委託した効果としましては、これまで入金がなく連絡もとれなかったものから入金があったといったことですとか、長期間入金が全くなかった方からの入金があった、こういったことは挙げられます。
生活が厳しくて返還が困難な方には分割納付といった返還の方法の相談にも応じるなど、きめ細かい対応に努めていますし、しっかりと返還していただいている方もいらっしゃるわけですので、こういった方々との不公平感、こういったものがないように悪質な滞納者には毅然とした態度で臨み、滞納額の縮減といったものに努めていきたいと考えています。
◎佐藤正幸委員 無理なことがないようにぜひお願いしておきたいと思います。