委員会

環境農林建設委員会(5.16)生活環境部・農林水産部関係 質疑答弁を公開します

カテゴリー:

◎佐藤正幸委員 4月の委員会に引き続き、積雪による農家のビニールハウスの倒壊被害対策についてお聞きします。4月時点では、被害に遭ったハウスが2,254棟で、支援要望があったのが960棟、43%だったと思います。その際に部長は、今後引き続き内容を周知して、一人でも多く被害があった農家の復旧を支援したいと説明されたと思います。あれから約1カ月余り、部長の答弁のとおり、支援申請が進み、多くの方が救済対象になればいいと思っているわけですが、実際、支援要望はどのような状況か教えてください。

◎遠藤知庸農林水産部長 今冬の雪害によるビニールハウスの倒壊等の被害対策ですが、県はこれまで被害を受けた農家に対して説明会を開催し、対策事業の内容について周知を図ってきたところです。新たに事業の活用を検討している農家もあると聞いていたことから、要望の受け付け期間を5月末まで延長し、また要望の少ない地域を中心に再度市町やJAと一緒に事業の説明を行い、田植えや野菜の育苗作業など、春作業が終了した農家から順次戸別訪問や電話連絡等により事業要望を確認しているところです。まだ締め切り前ですので、何人ということは申し上げられませんが、引き続き事業の活用意向のある農家の要望に漏れがないよう事業の周知を徹底し、一人でも多くの被害を受けた農家の復旧を支援してまいりたいと考えております。

◎佐藤正幸委員 説明会に参加した方から話を聞くと、非常に制限が多く使いづらいとのことです。例えば国の支援を受けるためには、資料にもありますが、付加価値額の拡大と取り組み目標の計画をつくる必要があったり、規模拡大や作物転換の計画をつくる必要があったり、そのような要件があるわけですよね。しかもこの計画の目標が達成されなければ助成金を返還してもらうことにもなるという説明もあるようで、どうも制限が多くて使いづらい。これでは支援にならないのではないかと率直に思ったわけですが、その辺、県としてはどのように考えているのですか。

◎遠藤知庸農林水産部長 国による雪害対策については、被災した地域の速やかな営農再開、そして経営の発展を支援するために通常事業を活用して意欲ある担い手や産地を対象に農業経営の改善に必要な農業用ハウス等の再建、修繕等を行うものです。通常事業を活用しているため、収支改善、農作物の品質向上、作物転換や規模拡大等を図るなど成果目標の設定が要件とされております。

 県としては、国の補助事業についても積極的に活用していただきたいと考えており、市町やJA等の関係者と連携して、事業申請時において成果目標が無理なく達成できる計画内容となるよう必要な助言等を行っているところです。引き続き、農家の実情に応じてきめ細かく支援してまいりたいと考えております。

◎佐藤正幸委員 計画を決めて、目標が達成できるようにとのことですが、結果として例えば5月末で締め切ったときに、申請が5割ぐらいに終わった、6割ぐらいに終わったということではなかなか厳しいと思います。したがって、現場ではもっと柔軟に対応していただき、被害農家の方は基本的に全て救済するという立場で臨んでいただきたいと思っております。

 最後の質問ですが、この4月から政府の米の生産調整が廃止になり、農家へ直接支援があった交付金も廃止になったと思います。昨年の12月議会でこの問題について質問したときに、平成28年度に県内では直接支払交付金を、1万3,600経営体に16億円支給されたとの答弁がありました。そうなると、ことしは16億円丸々削られたことになるわけですね。一方で、それにかわる対策はどのようになっているのか。私は県としても何らかの独自の交付金を設けるべきではないかと思うわけですが、県の基本的な立場をお尋ねします。

◎遠藤知庸農林水産部長 米の直接支払交付金については、国では平成25年度に交付金の廃止を決定しており、これまでの間、農地集積や需要のある麦、大豆等の生産振興など、農家所得の向上を図るための政策を強化して、今後とも引き続き農業の成長産業化を図るこれら施策を推進するとしております。

 県としては、農家所得の向上のため、圃場整備による水田の大区画化、農地中間管理事業を活用した生産規模の拡大、またコマツなど他産業のノウハウを導入した生産コストの低減を進めているほか、品質向上に向けた技術指導、高付加価値化への取り組みについても積極的に支援しているところです。今後とも市町、関係団体等と連携して、このような地域の実情に応じた施策を展開することで、意欲ある農業者の所得確保を図ってまいりたいと考えております。

◎佐藤正幸委員 いろいろ説明はあると思いますが、結果として16億円の予算が削られてしまった。それにかわる農家の方への直接支援がなくなったことは事実だと思います。そのように国が言うままの路線でいいのか、県としての立場が問われていると思いますので、ぜひ改善をお願いしたいと思っております。

▲ このページの先頭にもどる

© 2013 - 2024 SATOU MASAYUKI