定例会

平成31年第1回定例会 一般質問 質疑内容を公開します

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 更新が滞り申し訳ありません。本日より過去の議事録なども随時更新していきたいと思います。まずは、先日2月26日に行われた平成31年第1回(2月)定例会、一般質問の質疑内容を公開します。

 日本共産党を代表して質問します。

【1】県の統計職員の体制について

 厚生労働省の毎月勤労統計の不正は、基幹統計であるがゆえに政府の経済認識、景気判断、税・社会保障・労働に関わる政策判断に影響が及んでいます。政府が発表する統計は 国民が検証しようがないものであり、そこでの不正は 国民の政府への信用を根底から破壊するものです。相次ぐ統計不正の背景には、統計職員のリストラがあり、不正が始まったとされる2004年から2018年までの間に、国の統計職員は6,241人から、1,940人へと3分の1に激減。人件費が国庫負担の 都道府県の統計専任職員数は、2,242人から1,671人へと4分の3に減少しているとされています。そこでお聞きします。わが県の、国庫負担の統計 専任職員数は、2004年以来、どれくらい減っているのでしょうか。

 不正が、厚生労働省による組織的隠ぺいではないか、との疑念に加え、厚生労働省が不正調査の 「修正」を始めた2018年1月から、不正が発覚する12月までの間は、裁量労働制のデータのねつ造など、安倍政権による隠ぺい、改ざんが次々と明らかになった時期でもあります。安倍政権によって引き起こされた政治モラルの大崩壊が、統計不正の温床となっているのではないかと指摘し、次の質問に移ります。

【2】消費税増税中止を求めて

 統計不正により、昨年の実質賃金の伸び率が実態よりもかさ上げされ、マイナスになる可能性も指摘され、「所得環境は着実に改善している」という消費税10%増税の根拠は崩れ去ったと言えます。加えて、総務省調査でも、2人以上世帯の実質 家計消費支出は、2014年の消費税8%増税で急降下し、今も年額25万円減っています。安倍首相は、国全体の消費をとらえるGDP=国内総生産統計でみた消費は「持ち直している」と言いますが、実態のない統計上の架空の消費である帰属家賃を除く、実質家計 消費支出は、増税前の2013年平均241,0兆円に比べて、直近は、237,6兆円と約3兆円もおちこんでいます。知事は、日銀金沢支店の月報などを根拠に景気が「“拡大している”とされて」いると繰り返しますが、県民にその実感がないのは、いま述べた数値の通りです。実質賃金も、実質家計消費は、世帯当たりベースでも、国全体の消費をとらえる、GDPベースでも、8%増税前と比べてマイナスになっている、こういう認識を持つべきと考えますが、知事の認識をお伺いします。

 セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文名誉顧問は、「私は決して消費税を上げる必要がないなどとは考えていない」と述べながら、「いまのタイミングで消費税を上げたら、間違いなく消費は冷え込んでしまう」と指摘しました。昨年12月20日、日本スーパーマーケット協会など3団体は、消費税増税に伴うポイント還元について、政府に改善の要望書を出すという異例の事態となりました。この秋からの消費税増税よる、県民生活への影響、県内経済や小売店などへの影響をどのように考えていますか、見解をお聞きします。

 知事は、増税中止を国に求めないどころか、増税に追随し、実に56件にわたる使用料、手数料、水道用水給水料金の値上げを行う条例提案を行いましたが、半年間で、7,500万円余であり、その気になれば料金を据え置くことが可能な範囲です。値上げの中止を求めます。少なくとも、県民・観光客にも直接かかわる、いしかわ動物園入園料・白山青年の家利用料金などは、子ども・障がいと持つ方々は据え置くべきです。見解を求めます。

 日本共産党は、消費税増税に頼らない道があることを示し、夏の参議院選挙で安倍政権への厳しい審判とともに、増税計画を中止させるために全力をあげるものです。

【3】戦争する国づくりを許さない

 安倍政権が進める、大軍拡と憲法9条改悪に、どういう態度をとるのかも問われます。特に、F―35戦闘機を147機体制にする、2兆円を超える兵器購入計画に関し、航空自衛隊の元幹部からも「100機以上も買っていったい何をするのか、目的がまったく見えない」との声が出ています。自衛隊小松基地では、近代化改修が実施されていないF―15戦闘機が運用されており、これがF-35Aに変更・配備される可能性があると指摘されています。アメリカ国防総省の2018年年次報告書は、F―35戦闘機の3タイプ全体で、941件の欠陥を指摘しており、同じくアメリカ政府監査院(GAO)の報告書でも、F35のパイロットの酸素欠乏が起こり、墜落の危険もあるなど、未解決の欠陥966件があるとされています。F-15戦闘機による部品落下、緊急着陸などが相次ぐわが県として、こうしたF35戦闘機の欠陥などをどう認識されていますか、国に情報提供を求めるべきではありませんか、見解をお伺いします。

【4】原発NO

 次に原発問題についてお聞きします。安倍政権が「成長戦略」の目玉として進めてきた「原発輸出」計画は、完全に頓挫しました。原発製造メーカーである日立製作所は、イギリスでの原発建設計画で、「安全対策」のためのコストが急騰し、凍結に追い込まれました。日立社長は、1月17日の会見で「民間企業の経済合理性からすると、これ以上の投資は限界だった」と述べたように、安倍首相のいう「経済性」が成り立たず、市場経済もそう判断したことになります。知事、原発推進政策は、ビジネスとしても成り立たなくなった、という認識はありますか。見解を伺います。

 志賀原発の敷地内断層の活動性においては、北陸電力は5本の評価対象 断層で審査するよう求めてきましたが、1月19日、原子力規制委員会ではさらに、3本を追加、北陸電力の安全側にたたない姿勢も浮き彫りになりました。これらの断層は、共役断層ではないかと指摘され、地盤に強い力がかかっていたことを示すものであり、志賀原発は立地不適格なところに造られたものと考えます。志賀原発に頼らない県政運営が必要であるにも関わらず、その姿勢がないからこそ、県の主要施策の概要には、再生可能エネルギー推進の文字が消え去っているではありませんか。

 加賀市は、4月から「自治体新電力」事業をはじめ、「将来は再生可能エネルギー100%への供給体制をめざす」と報じられました。県内すべての市町が、再生可能エネルギー供給を100%にする計画をつくれるよう、県として支援すべきではありませんか、所見を伺い次の質問に移ります。

【5】くらし応援後回し、大型事業優先の県政の転換を

 提案された来年度予算について、ある大手紙は、「県民は、外向きの事業だけでなく、毎日の生活を支える県民サービスも期待している。県民の足元の課題に真摯に向き合う姿勢が見えてこそ、大きなジャンプが跳べるはずだ」と書きました。その毎日の生活を支える、支援はどうか。

 子どもの医療費助成の対象年齢は、通院は3歳未満で全国40番台のワーストクラス。県社会保障推進協議会の調査では、2006年には、福井が通院2歳だったものを小学3年生まで対象を広げました。同じように、長野県は3歳から就学前まで、群馬県は2歳から中学卒業まで広げたにもかかわらず、石川県は13年たっても3歳未満のままです。県の姿勢がなおざりだから、市町は多額の予算を使って高校卒業まで対象を広げているのではありませんか。

 また、重度心身障害者 医療費助成制度も、65歳になったとたんに病院窓口で医療費をいったん払う 償還払い制度は、来年度もそのままです。一方で、クルーズ船対応で、港のライトアップに2億4千万円、小松白川連絡道路の調査費450万円計上など、必要性・緊急性から疑問が残る事業が目白おしです。税金の使い方が、くらし応援後回し、大型事業優先でいいのか、この点からいくつかお聞きします。

 金沢港整備には多額の予算が投入されていますが、多くの県民にとって、生活に必要な道路とは異なり、港の使用はその対象が限られます。クルーズ船対応の無量寺岸壁整備には、クルーズ船の船会社・旅行業界等に応分の負担を求めることも検討すべきと考えます。現在、無量寺岸壁整備に、船会社等の負担はあるのでしょうか。また、岸壁使用料はどうなっているのか、貨物船の岸壁使用料との比較とあわせ、実態をお聞かせください。

 木場潟公園東園地整備について、2億5千万円余の予算が計上されました。「平成31年度石川県重点事業・政策提案の概要」では、整備総額が31億円、国費は13億円余とされていますが、県や関係市町、小松製作所の負担割合を明らかにしてください。また、小松製作所が東園地所有面積の6割、10ヘクタールを寄付するとのことですが、見返りを期待しているのではないか、との声が出ています。東園地が「薪炭林」となった経過、その後なぜ雑木林となり人の手が入らなかったのか、小松製作所はどうして東園地を所有することになったのか、昭和48年頃の都市計画決定で計画区域をされたなど、東園地のこの間の推移を、県民の前に明らかにしてください。

 県は、平成27年度に策定した「行政経営プログラム」で、「標準財政規模に対する 投資的経費の割合を、全国中位をめどに順次抑制する」としていますが、今年度予算はこの方針に反していると考えます。仮に、全国中位にした場合の機械的試算では、平成24年度決算ベースで年間194億円の財源が生まれ、25年度決算では263億円、26年度198億円、平成27年度では15億円です。これらを、くらし応援の施策に使うことが必要です。平成28年度以降で、「標準財政規模に対する投資的経費の割合」はどうなっていますか。石川県の割合、その全国順位、全国平均の割合をそれぞれ明らかにしてください。また、県民にとって必要な予算が本当に確保されているのか、との角度からお聞きします。

 強い要望に押され、河川や砂防堰堤の 堆積土砂撤去の予算が、19億円計上され、3年計画で工事を完了させる、とのことでした。国による緊急点検にもとづいて、堆積土砂の撤去が必要とされた箇所は、どれくらいあるのでしょうか。また、国の財政支援はどのような内容でしょうか。3年で必要な個所は、全部土砂が撤去されるのでしょうか、お聞きします。

 また、河川改良には91億円の予算が計上されました。県内の河川の77%を占める県管理河川の整備率44,9%は、この予算でどこまで整備率があがるのでしょうか、お聞きします。

【6】国保・児童虐待

 国民健康保険料を、協会けんぽ並みに引き下げよ、との立場から、お聞きします。まず、2月19日の国保運営協議会で、2019年度の、市町が県に払う納付金の算定結果が示され、1人当たりの納付金額が全市町で増額となりました。今後、市町が保険料を決めるにあたり、保険料が増えないように、県として対応することが求められます。激変緩和措置含め、保険料を上げないためにどういう対応をとるおつもりですか、お伺いします。

 国民皆保険制度の重要な柱を担うべき国民健康保険は、谷本知事も平成29年6月県議会で「構造的な問題を抱えている」と答弁したとおり、加入者の所得が低いにも関わらず、他の医療保険より保険料が高いという「構造問題」があります。高い保険料が払えず、受診を手控え、命を落とす例が後をたたず、国民の生存権を脅かすものとなっており、国保加入者の1人あたりの平均保険料は、政府の試算でも、中小企業の労働者が加入する、所得比例型の「協会けんぽ」の1.3倍、大企業の労働者が加入する組合健保の1.7倍という水準となっています。国保料が、著しく高くなる大きな要因は、国保にしかない「均等割」「平等割=世帯割」という保険料算定にあり、特に「均等割」は、ゼロ歳児にもかかる、子育て支援にも逆行するものです。負担能力とは関係なしに、“人間の頭数”に応じて課税する人頭税は、大和朝廷が課した「庸」、「調」などもっとも原始的で野蛮な税制であり、これが21世紀の公的医療制度に残っていること自体、時代錯誤と言えます。

 事実、わが党の試算によれば、給与所得年収400万円の4人家族=30歳代の夫婦と子ども2人、の場合、金沢市では、国民健康保険料が41万8700円。協会けんぽの場合は、保険料20万800円と2倍以上の開きがあり、仮に、均等割と平等割を廃止した場合は、25万4,200円と、約16万円保険料を引き下げることができます。全国で「均等割」「平等割」として徴収されている保険料額はおよそ1兆円、これに見合う公費を投入して、「均等割」「平等割」を廃止する。これで多くの多くの自治体で 協会けんぽ並みの保険料にすることが可能になる。これは、2014年の全国知事会の要望でもあります。そこで全国知事会の副会長である谷本知事におたずねします。知事会を通してだけでなく、県としてあらためて国に「均等割」「平等割」の廃止、それに見合う公費負担を強く求めると同時に、県としての支援を検討すべきです。見解を伺います。同じ収入・世帯構成の家族が加入する保険が違うだけで、最大2倍以上の負担を強いられるなどの格差をなくすことは、社会の公平・公正という点からも欠かせないものと考えます。谷本知事の、全国知事会副会長としての強いイニシアチブを求めるものです。

 千葉県野田市小学校4年生の女児が、自宅で亡くなり、両親が傷害容疑で逮捕されるという痛ましい事件が起きました。平成29年度における、児童虐待相談 対応件数は867件、児童福祉司がおよそ30人ですから、1人30件近く受け持っていることになり、県内3つの児童相談所では、特に金沢市の児童相談所が1人35の案件を抱えているとされています。再発防止のためには、相談支援体制を充実させることが欠かせません。金沢市をはじめとした児童相談所の増設、職員の抜本的な増員と、専門性向上のための研修の充実、などへ思い切った予算措置が必要です。県の意気込みをお聞きします。

 児童虐待の背景には、格差と貧困の広がりがあるとされ、早期発見で子どもを守るために、保育所や学校、放課後児童クラブなど子どもに関わる専門機関の連携をはかることなどが欠かせません。警察との連携だけに矮小化しない、子どもの権利条約の立場にたった条例制定の検討も要望し、次の質問に移ります

【7】教職員の働き方について

 教職員の多忙化改善に関わって、お聞きします。昨年11月に発表したわが党の提言では、小中学校の教員定数を10年間で9万人増やすことを提案。最終的に数千億円の予算が必要ですが、先進国最下位の教育予算のGDPを0.1ポイント引き上げるだけですから、決断の問題です。県としても独自に定員を増やすことが急務ですが、早急に求められるのは、産休・育休などの代替講師がみつからない事態の改善です。理由のひとつに、退職教員が大変な教師の仕事を再度することを手控えて、講師登録が増えないのではと指摘されており、実際、授業のみを担当する非常勤講師から、授業時間だけでなく、授業準備の時間等を考慮した処遇に改善してほしい、との声があります。この声にどうこたえますか、見解をお聞きします。

 会計年度 任用職員の実施を前に、臨時的 任用講師の方などから、自分の処遇はどうなるのか、との不安の声が聞こえ、現在の労働条件より後退させないようにすることが求められます。県教育委員会として、会計年度 任用職員の制度設計にあたっての基本的立場をお聞きします。当時者・関係者の意見が反映されるよう、協議の場を持つように求めます。併せて所見をお伺いします。

【8】他

 地域おこし協力隊への支援強化に200万円の予算が組まれました。隊員へのサポートの直接の窓口が市町でなく、民間業者に業務を委託している場合もあると聞きます。また、隊員は、他県から転居し、さまざまな不安や苦労を抱えながら、協力隊の活動に従事しており、親身なサポートが求められていますが、意思疎通がうまくいかないとの声もあります。今回の予算措置が、隊員への親身な援助につながることを期待するものですが、予算措置の狙いをお聞きします。 18歳選挙権で初めての統一地方選挙です。この4月、大学進学・就職に伴う転居により、3か月の居住期間がないために、投票権を行使しにくくなる可能性があります。こうした若者への、参議院選挙も含めた投票の周知徹底をきちんとすすめるべきと思いますが、 所見をお聞きし、私のすべての質問を終わります。

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