◎佐藤正幸委員 来年度は4月から始まるということで、いろんな負担増などが懸念されていることもあるので幾つかお聞きしたいんですけど、ひとつは介護保険料の改定ですね。今、市町の議会で議論の最中ですから最終的にどうなるかというのはあると思うんですけど、例えばある市では基準となる段階のところで月6,000円が6,600円に上がって、全ての段階で値上げとなる案が提示されてい·るようです。 県としては、この4月からの介護保険料の値上げについてはどんな状況かというのはつかんでいるんであればぜひお聞かせ願いたいと思います。
◎山本陽一健康福祉部長 お尋ねの介護保険料でございますが、御案内のとおり4年ごとに見直すということになっております。各市町では、第7期となります30年度からの3年間の介護サービスの需要を見込みますとともに、これに基づいて徴収することとなる保険料の算定の作業を今年度1年かけて進めてきたところです。保険料については市町の条例で定めるということとされておりまして、今日現在でも一部の市町の議会において条例案の審議がまだ行われている最中という状況にはございますが、提案をされました改正案を見ますと、保険料の基準額について6つの市町が据え置きとしており、その他の13の市町においては、ひとつに例えば人材確保のための処遇改善を初めとする介護報酬が今回少しアップになりました。そういった影響でありますとか、それから高齢者が増加をしておることによる介護サービス利用見込みの増加、こういったことなどなどもありまして残りの13の市町においては、月額で少ないところで100円、多いところで800円の引き上げとしているところと、そういうふうに承知をしております。
◎佐藤正幸委員 また、なかなか大変な負担増になる懸念が私はあると感じました。 あと、介護報酬の改定も4月から行われると思います。特に通所介護ですね。これについては一定規模以上の事業所の報酬が大幅に引き下げられるので、大規模、一定規模以上の事業所の経営が悪化するというふうに懸念もあります。県内ではどんな影響があるかということはどんなふうにお考えになっているのか、お尋ねしたいと思います。
◎山本陽一健康福祉部長 今、佐藤委員から介護報酬の改定のお話がございました。私も最初の御質問の折にお答えをいたしましたが、その介護報酬が今回全体としてはプラスに0.54%ですか、改定されたということもございまして、介護報酬が上がれば基本的には利用料が上がる方向に働くということでございますので、その辺の仕組みについてはぜひ御理解をいただきたいなと思います。 ただー方で、トータルとしてはプラスの改定ではございましたが、今御案内のありました通所介護についてはその基本報酬は規模が大きくなるほど、国のほうで調査をいたしました収支差率というのがございまして、要はもうけの度合いですね。どれぐらいもうかるかと。規模が大きくなるほど収支差率が大きいというような経営実態を踏まえまして、規模ごとにめり張りをつけた見直しを今回行ったと、そういうふうに聞いております。 実は前回の介護報酬の見直し、3年前のときはトータルとしても△2.27%といことで大幅な減収になったということです。県内の一部の業者からは、経営環境が厳しくなる中で介護人材の確保も非常に厳しいということで、サービスの質の確保に苦労していると、そういうお声もその当時、3年前には少しお聞きもしたところでもございます。今回はトータルでプラス,はございますが、部分的に見ればマイナスの部分もあるということです。このような改定が介護の現場にどういう影響を及ぼしてくるのか、今後、事業者、そして関係団体からも十分にお話をお聞きして、県としても必要な実情の把握に努めまして、必要があれば国に対してもまたしっかりと物申していきたいと、そんなふうに考えております。以上です。
◎佐藤正幸委員 ぜひ、実情の把握をお願いしたいと思うんですけど、あと、また4月から国保の都道府県化に伴って国民健康保険の保険料も改定されることになると思います。これも今、市町議会で議論中ではありますけれども、値上げも懸念されますけれども、県としては今の市町の状況、介護と同じように恐らくつかんでおられると思うので、その辺はどんなふうにつかんでおられるのか、お尋ねいたします。
◎山本陽一健康福祉部長 国民健康保険のほうも、来年、30年度から仕組みが大きく変わりまして、県ヘ納付金を納付していただくということで、それに伴って国民健康保険料についても改定をされるということで、各市町において今その改定の条例案が提出をされているところです。国民健康保険料の場合、加入者それぞれの所得や世帯構成の状況に応じて決定をされますことから、前年度の保険料率と比較して一概に値上げ、値下げということはちょっと難しいところはございますけれども、総じて今市町から聞き取りを行ったところによりますと、多くの市町では国民健康保険料の納付金のときにもお話を申し上げましたけれども、基本的には全体としてマイナス基調が多かったもんですから、据え置き、もしくは総体としては引き下げというところが多いと、そういうふうに承知をしております。ただ、報道等によりますと3つの市町では総体として引き上げになると、そういうふうに聞いております。残りのところは据え置きか引き下げというふうに承知をしております。
◎佐藤正幸委員 恐らく激変緩和措置とられている結果としてのこういう形だろうというふうに私は思うんですけど、これが未来永劫続くわけではありませんので、引き続きこの影響どうなるか、我々も少しきちんとチェックもしていきたいというふうに思っております。 最後、1点だけ。4月からは診療報酬の改定もあって、私、気にしているのは、がんの手術あるいは救急に対応する急性期病床ですね。これがいわゆる7対1病床、患者7人に対して看護職員1人という手厚い看護体制が10対1というふうに転換させていく仕掛けが国によってつくられていると思います。詳しい制度の仕組み避けますけど、7対1をそのまま維持しようと思ったら減収になって病院の経営が大変になっていく。そういうことになってくると、7対1病床が減らされていくということになると、医療の質量の低下につながると思うんですけれども、その辺、県と’してはどんなふうにお考えなのか、最後にお聞きしておきたいと思います。
◎山本陽一健康福祉部長 国のほうでは、団塊の世代の方が後期高齢者となられる2025年を見据えまして、あるべき医療提供体制いかんということでいろいろと国のほうでもお考えになり、そして県も一緒になって作業をしてつくり上げた地域医療構想というのがございます。2025年を見据えますと、もちろん高度急性期、急性期の医療需要というのはなくなることは決してありません。それはそれで非常に重要なものでございますけれども、むしろさらに今以上に量がふえてくるのは、回復期の病床だろうと、そういうような結果が出たわけです。それに反して、高度急性期、急性期のほうはやや過剩ぎみではなかろうかと、そういうような国のガイドラインに沿って計算をしてみますと、各県そういうようなデータが出たということです。 そうしたことから、今7対1に代表されます高度急性期、急性期の病床から10対1等々の回復期の病床のほうヘ転換をしていくと。ただ、それも強制的なものではございませんので、医療機関の自主的な取り組み、県は補助金でリハビリのための施設をっくったりするときには補助をするとか、そういう後ろから後押しはいたしますけれども、県のほうで強制的に転換しなさいと、そういうようなことを申す立場にはございませんけれども、そういうような形での誘導というのを今図っているところです。 ただ、いずれにしましても2025年を見据えまして、回復期の病床はもちろんのこと、そして急性期や高度急性期の病床もバランスよく、医療が必要な人に必要な医療がしっかりと提供されるような体制をこれからもつくっていくことは極めて重要なことだと、そんなふうに考えておりますので、バランスのとれた病床機能の確保に今後ともしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
◎佐藤正幸委員 私、懸念するのは今でさえ看護師不足とか長時間労働とか言われている中で、こういう形になっていくとさらに今の状況に拍車がかからないかということだけ、私は懸念しておりますので、その辺のぜひ実情把握もお願いしたいと思います。以上で終わります。