◎佐藤正幸委員 私も長時間問題で質問したいんですけれども、80時間、100時間、危険ラインとから面接ライン、釈迦に説法ですけれども、厚生労働省は月80時間以上は過労死ラインだと。科学的な根拠があって80時間というものがあるわけですよね。それが常態化していて、4ページをみると中学校では60歳の方も全部80時間以上が月平均になっている、極めて異常な事態になっているんじゃないかなという私は印象を受けたんですね。待ったなしと、この問題の解決は。お聞きしたいのは、これだけ常態化しているわけですから、教職員の皆さんの健康状態が非常に気になるんですよね。恐らくこの問題でいろいろ調査もされているとおもいますので、メンタルヘルスなどの疾患による病休などの実態がどうなっているのかということは、県教委としてつかんでいる状況だけまず最初にお尋ねしたいと思います。
◎杉中達夫教職員課長 本県の公立学校教員の平成28年度の病気休職者でありますけれども、71人でありまして、このうち精神疾患によるものが、39人となっております。したがいまして、休職者全体に占める精神疾患の割合は54.9%ということです。この割合については、ここ5年間で年度によってばらつきはあるものの、おおむね60%前後で推移しているところです。また、本県の教員全体に占める精神疾患による休職者の割合でありますけれども、平成28年度は0.4%。したがいまして、1,000人に4人という状況です。これも過去5年間においてはほぼ同程度で今のところ推移してきております。全国との比較ということになりますが、全国平均と比較しても公表されている平成27年度の全国は0.54%というふうに値が出ておりますので、それと比べますと本県はそれよりも今は下回っておる状況ということです。
◎佐藤正幸委員 いわゆる精神疾患が39人ということだと思うんですけれども、私は、一人も出さないという立場でどうするかという対応が必要だと思うんです。教育長が繰り返しおっしゃられたように、抜本的な改善は教職員定数の改善だと、その通りだと私は思います。ただ一方で、石川県の場合、正規採用の数が少ないことも多忙化の一つの要因ではないかという思いがあるので、ちょっとお尋ねしたいんですけれども、文科省の資料で既に出されています、平成24年9月6日の公立義務教育諸学校の学級規模及び教職員配置の適正化に関する検討会議というものから報告があって、これはホームページで見れますけれども、石川県の正規職員の割合は92.2%、全国平均が92.7%なので低いですよね、正規職員の割合が。富山は96.2%、福井県98%、新潟県96.1%、石川県より高いわけですよね。一方で、臨時教員は石川県7.3%、全国平均は7.1%なので高いわけですね。富山は2.5、福井4.4、新潟4.1、これに比べても臨時教員の割合は石川県、高いわけですよね。私は多忙化の原因の一つにこの問題もあるのではないかと思うんですけれども、その辺は教育長はどのようにお考えになっているのか。
◎田中新太郎教育長 佐藤委員御指摘の24年度の数値はそういう状況でございますが、その後、大量退職、大量採用でどんどん採用しておりますので、直近の28年度の数字で申しますと、本県の正規教員の割合は93.4%、全国平均は93.2%、0.2ポイント上回るというふうに改善をしてきております。臨時的教員の割合は6.3%、全国平均が7.1%ということで、これも0.8%この5年間で改善をしてきております。今回のお示しした勤務実務調査でもおわかりになりますように、臨任教員か教員かということであまり大きな違いはございませんで、臨任教員の皆さんにも校務分掌もやっていただき部活もしていただき、同じように働いていただいております。ですから正規教員が多い少ないが直接多忙化にそんな影響は私はないと思いまして、それよりも、やはり定数、全体のパイを増やすということが必要だと思っております。
◎佐藤正幸委員 わかりました。この問題は教育長、この間お話をお聞きしていますと、私は、県として定数を増やすということが必要だというふうに思うんですけれども、お金の問題で無理というふうにいつもおっしゃいますけれども、私、そこで遠慮する必要はないと思うんですよ。教育長として、今の教員の時間の改善のためにはこれだけの教員が必要なんだと要望することはできるわけですから。何か財政課とか知事とかに遠慮してやらずに、そこはずばりといって、国の改善はもちろんですけれども、県としても教員を増やすんだというふうに思いますので、この機会に強く要望しておきたいというふうに思います。
関連して、学力テストの話もお聞きしたいんですけれども、この学力テストですが、私の理解では、答弁は返却されない。問題ごとにできたかできなかったかを示す個人表というのが渡されて、採点も民間会社丸投げだというふうにお聞きしています。となると、子ども達からすると、どこが間違えたのかわからない。教師もそれに対して、具体的な指導ができないのではないかと素朴な疑問を持つんですけれども、そこは教育長としてはどうお考えでしょうか。
◎田中新太郎教育長 佐藤委員、ちょっと誤解があるようです。まさに全国学力・学習状況調査は、そういう形で国のほうにお出しして、国のほうで採点して分析してくるわけですけれども、実は各学校、当然コピーをとりまして、自己採点し、国の分析結果が出る前に、いち早く学校で一人ひとりの答案を見て、それぞれの学校全体での対応、個別の弱点の補強、そういったことも国の分析を待つ前にやっております。
◎佐藤正幸委員 コピーして。それがまた多忙化の原因になっているような気もしないんですけれども、結論だけでいえば、この費用、毎年50億から60億かかるわけですよね。学力テスト、全国で。これをやめて教員の数を増やすほうに回したらいいんじゃないかという声があることも、ぜひこの機会にお伝えしておきたいというふうに思います。県の学力テストもあると思うんですけれども、これは採点方法とか、その結果を子ども達にどう返していくのかということを簡潔にお答えいただけますか。
◎田中新太郎教育長 県でやっております基礎学力調査でございますけれども、これも同じような形でやっております。ただ、国の調査とは、例えば学年を変えたり科目を変えたりして重複しないようにやらせていただいています。これは国の学力テストが再開する前から取り組んでおります。採点については、各学校の1学級を抽出して業者に採点委託し、その後は各学校、そして個人に返却しております。一方で、学校においては、自校で採点をし、回答用紙を児童生徒に返却しております。そういう意味で、しっかりと個別の指導にもいかされるような形でやっております。
◎佐藤正幸委員 じゃ県の場合もコピーして、採点は業者がやっているけれどもコピーして。
◎田中新太郎教育長 抽出で一部だけ採点して分析に使い、それ以外は学校で活用しております。
◎佐藤正幸委員 それも、だからお話をお聞きすると、これも多忙化のひとつになっている気もするわけです。私は率直に言いますと、学力テストが全て悪いといっているわけではないんです。これは2年前の厚生文教委員会でもやりましたけれども、フィンランドなんかではテストをやってないわけですよ。学力というか教育力の高いところは。そこまでしろとは言いませんけれども、学力テストというのは子ども達の一部だと思うんです。短時間で正解することが求められているという点では。これだけで子ども達を判断することもできないし、本当に学力を確かなものにするためには、じっくり考えたり議論したりするということが大事なのではないかというふうに思います。私は繰り返し出されているように、過去問対策、点数対策、それが教職員の負担になっているのではないかということだけはきちんと把握しておく必要があるのではないかなというふうに思っております。
あと小学校における道徳教科書の採択についてお尋ねしておきたいと思うんですけれども、御承知のとおり、来年から特別の教科、道徳が小学校の教科書採択。その関係で今まさに行われている最中だと思います。県の場合も恐らく特別支援学校の小学部用の教科書採択を行うことになっており、いつ開かれるのかなとおもっていましたら、昨日恐らく教育委員会議が開かれて、採択されたのではないかというふうに予想しております。そこで県の教科書用図書選定審議委員という方がおられますね。どのようなメンバーに委嘱されて、審議会はいつ開催されたのか。ホームページを見ても見当たらないものですから、どうなのか。あるいは、第6回の教育委員会議で採択方針が決められていると思うんですけれども、これがどんな内容なのか。あるいは、第8回の教育委員会議では、その選定資料というものが示されているんですよね。それがどんなものなのかというのが公開されてない気がしたので、少しそこはどんなものになっているのかということをお聞かせ願いたいと思います。
◎堀田葉子学校指導課長 お答えします。選定審議委員ですけれども、これは法令に基づきまして、1号委員、2号委員、3号委員がございます。1号委員は校長及び教頭、教員ですね。2号委員というのは教育委員会事務局の専門知識を有する職員、それから3号委員が教育に関して学識経験を有する者ということでなっております。また、今年度の本県の選定審議会は5月8日、月曜日及び6月27日、火曜日に開催されました。第6回教育委員会議で決定した平成30年度使用の採択方針は、教育基本法や学校教育法が示す教育の目的や目標、あるいは学習指導要領の趣旨を踏まえまして、児童生徒の心身の発達の段階や特性を十分に考慮することとして示しておりまして、留意点として、問題解決的に学習、あるいは道徳的行為に関する体験的な学習の充実が図られるように配慮することなど7点を示したところです。次に第8回の教育委員会議で提出されました小学校用教書、石川県教科用図書選定資料、これは今回検定合格いたしました全ての発行社、8社あるんですけれども、それにつきまして平成30年度使用教科書の採択方針に基づきまして、7点の注意点についてどのような工夫や配慮等が見られるか調査、研究を行いまして、その特徴、特筆すべき事項を一覧表に示したものです。以上です。
◎佐藤正幸委員 わかりました。教育関係者の方からお話をお聞きしますと、今検討合格した8社、実際に66点あるということですけれども、このまま採択されて子どもの手に渡ることに強い懸念を持つと指摘せざるを得ないものが含まれているようです。きのう採択されたものがそうなっていないように、また各市町で採択されたものがそうなっていないように私は望んでおりますし、かつ今後の教科書採択に当たっては、現場の教員の判断とか、あるいは保護者や住民の意向が反映されるように、そんな形でぜひ教科書が採択されるように要望して質問を終わりたいと思います。