◎佐藤正幸委員 私も教員の多忙化の話も出ましたので、関連してお尋ねしたいんですが、恐らく、わが県の学校現場でも青年教職員が増えて、その中で働きながら、妊娠、出産、子育てができる支援を行うと。これは答弁のことだと思うんですけれども。その関係で、全日本教職員組合、全教ですね。6月5日に妊娠・出産・子育てにかかわる実態調査を発表して、その中で、産前産後休暇とか、育児休業などの制度取得について、とりにくいというふうに答えた人が35%。その理由が多忙で休みづらい80%、代替者が見つからないが26%という結果だったようです。この代替者が見つからないという点について、少しお聞きしたいんですけれども、代替者が見つからないまま、実際、産休を取らざるを得ないわけですから、とった場合に、ほかの教員や管理職が対応せざるを得ない。それが多忙化にまた拍車をかける。こういう要因になっているというふうに聞きました。このあたり、県教委としては、産休、育休などの代替者がみつからなくて多忙化に拍車がかかっている、こういう現状はどんなふうに認識されているのかということをまずお尋ねしておきたいと思います。
◎田中新太郎教育長 佐藤委員御指摘の調査は、全日本教職員組合の行った調査で、たしか700人ぐらいのアンケート調査だと思いますが、そういう結果が出ているということは承知をしております。私どものほうで、5月1日の現在の状況を申しますと、産休、育休代替の講師の総数は311人という状況になっておりまして、小学校は200人、中学校は52人、高等学校26人、特別支援学校33人、という内訳になっております。この311人の部分については、すべて手当てを済んでおります。ただ産休がとりにくい、あるいはなかなか代替が見つからない、という話でございますけれども、要は手をあけて待っていただいている、いわゆる産休でも年度途中からわかっているものは全部私どもで手当てをしておりますけれども、その後わかったものという形で産休、育休が新たに出てきたものを手当てする場合は、すぐ代替の講師を手配しなければいけないわけです。教員を目指して臨任の教員で入ってしまっている方はもう配置されていますし、来年以降またさらに採用試験を目指すという形の方がたくさんアルバイトか何かで勉強中で、世の中にいらっしゃれば、ぜひお願いしますという形で探せるわけですけれども、なかなか今こういう景気の状況がよくなったりして、もう既にほかの仕事に就いたほうがいらっしゃる。あるいは、そういう形で来年に向けて勉強したいから、現場に入ってしまうと、勉強の時間がとれないから、来年の採用試験に向けて勉強したい。いろんな話があったり、要は、ミスマッチといいますか、お願いしてもなかなか引き受けてもらえないということもありまして、若干苦労しているということは事実です。ただ状況を申しますと、5月1日現在、先ほど言いましたように311人は全部手当てをしておりますけれども、その後、一部数人出てきております。そんな中で、かわりを探すのに少し時間を要した面もありますけれども、現時点で、全部手当ては済んでおります。ただ、1件1件、相手を探しマッチングをおこなうという作業が要るものですから、例えば、2週間、3週間、どうしても後任がみつからなくて学校現場の教員でやりくりしてもらっているという現実はございます。これは1件1件、しっかりと対応していくしかないと思っております。そんな中で、例えば再任用という形で退職教員を採用しておりますけれども、再任用を希望されない方も相当数いらっしゃる。そんな先生方にも年度当初からそういう話が来たらお願いできないかとか、そういった形でいろいろ私どもも頑張っております。そういうことで御理解いただきたいと思います。決して放置しているわけではございません。
◎佐藤正幸委員 現場の人たちの声を聞くと、急な病気とかならともかく、産休とか育児休業というのは、今教育長がおっしゃったように、年度当初にわかっている。ある程度分かっていると思うんですね。ある程度分かっているのに、見つからないという事態は、探したけどいなかったで済まされない問題ではないかというような指摘もあるわけです。急病なら仕方ない部分もあります。しかし、これは、ある程度前からわかることですし、ちゃんともっと真剣に対応すべきではないでしょうか。もう少し抜本的な対応が必要になるのではないかというふうに思うんですよね。今教育長から、るるお話がありましたので、ミスマッチというふうなことも言ったんですけれども、それだけでは済まされない問題があると私は思うんです。それで、思い切って臨任講師の数を減らし、正規採用枠を増やす。これそのものが多忙化の解消につながるし、正規の採用枠を増やすということは、今お話しがあったように、受験者も増えていくことになるわけですから、そうなると毎年の教員採用試験に合格するために頑張る、未来の教員となる人たちも増える。そうした方々が代替教員になるという可能性も出てくる。そうしたことも含めた、なにか従来と違った対応が必要ではないかなというふうに私は思うんですけれども、そのあたしはもう少しなにか対応はどうでしょうか。
◎田中新太郎教育長 ちょっと反論させてもらいますけれども、臨任教員であろうが、正規教員であろうが、現場に入っていただいて、それで埋めてしまっているわけですから、遊んで手を挙げて、いつでもなにか仕事があったら、そんな方を常にプールするというのは現実にはなかなかできないので、アルバイトで翌年の採用試験のために耐えている。それは私もわかるので、そんな方々に早くから声をかけるなど、いろいろやっているわけです。根本的な話は、臨任か正規かではなくて、学校現場に教員の加配をふやして、定数をふやして、余裕のある先生が学校にいれば、臨時にそういう欠員ができても他の先生に裕があり替ができる。これがたぶん理想なんだと思います。正規か臨任かではなくて、全体の定数を、かに余裕をもって増やすかに尽きるんだろうと思います。そういうことになるんだろうと思います。これも多分、財源の話とかいろいろあるんだろうと思います。常に私どもも、過去から定数改善は要望してきておりますし、今働き方改革、いろんな形で大きな課題にもなっておりますので、来年度以降については、非常に応援団も増えたということでございますので、期待をしてみていますし、私どもも、また機会を捉えてしっかり定数改善を要求していきたいと思います。繰り返しになりますけれども、年度当初ですでに把握している産休は全部手当てにしておりますので、そのあと出てきた分については、その都度対応せざるを得ないということだけは御理解いただけませんか。
◎佐藤正幸委員 これからもっと恐らく青年の教職員が増えていくことになりますよね。先ほどお話があった時に、小学校で英語が科目となり35時間増えた場合、その根本的な解決策は、私が言う前に教育長がおっしゃっていただいた、教員定数を増やすということ。これは本当に真剣に取り組まなければ、大変なことになるんではないかというふうに思うので、そこは教育長、ぜひ強く国に向かって、同時に県としても税金の使い方を改め、県独自として増やしていくということで、ぜひ決断をしていただけたらなというふうに思っております。
では最後に一つだけ質問したいんですけれども、これも文部科学省が7月11日に、学校施設等における石綿含有保温材等における使用状況調査、アスベストの使用状況についての発表がございました。なかなかNHKでは報道をしていたようですが、一般の新聞は報道していなかったようなので、お聞きをしたいんですけれども、報道では全国の公立小中学校や高校などで、アスベストが周りに飛散するおそれのある煙突が227校。北海道が133本、東京が42本、そして次に石川県40本とくるわけです。煙突がゼロ本である県は33県。なのに県内には40本もあると。これは暖房とか給食設備用のボイラーの煙突などの断熱材として使われていた例が多くて、煙突が老朽化あると飛散する可能性があるという報道もありました。この辺、県内の実態を県教委としてはどのように把握されているのか。対策が進まない理由もあるようですので、そこの理由も、それに対してどういう対応をとっていくおつもりなのか、ということを最後にお尋ねしておきたいと思います。
◎広川達也庶務課長 今回の文科省の結果ですけれども、県内の公立学校の状況です。煙突に石綿のアスベストを含んだ断熱材を使用しているもの、公立学校で34校。煙突の数で申しますと、40本です。これは公立ですけれども、小学校、中学校ということでございますので、市町立になります。県立学校の状況を申し上げますと、全て飛散のおそれはないということです。具体的に申し上げますと、この文科省の調査指示を受けまして、実態調査をいたしました。具体的には設定図面などの確認、それから専門業者に委託いたしまして、それぞれの学校現場、現地視察をいたしました。そういった中で、専門業者の目からみて、アスベストがないかどうかということがまずひとつ。その結果、県立学校でアスベストを使用していた煙突は31本でございます。このうち、31本のうち16本については、劣化は見られなかったということ。のこり15本については、経年劣化はどうしてもいたしますけれども、あわせまして実際に、空気中の粉塵濃度測定をいたしました。この結果、アスベストは飛散していないということを確認しております。いずれも直ちに対策を要するものではないということで認識しておりますが、そうはいたしましてもだんだん古くなってまいりますので、15本については、今後順次、今年度以降になりますが、改修工事など、具体的に対策を進めていく予定にしております。先ほど申し上げました34校、40本。これは市町立の学校になりますけれども、アスベスト対策については、文科省、厚生労働省の省令改正もございましたし、それに基づいて文科省からのさまざまな通知もございましたので、当然ながら県教委としては、その都度、市町に対しまして周知を図りました。また、担当者の会議みたいなものもございますので、そういったような機会を捉えまして、アスベスト対策の速やかな進捗といったようなことを求めてきたところです。先ほど県立の学校、状況を申し上げましたが、各市町におきましても県立学校同様、これまで順次対策を進めてきているというふうに承知をしております。今般、文科省から調査結果の公表がございましたので、また改めまして、我々のほうからも当該市町のほうへ焼酎な対策を進めてほしいというふうに周知を改めてしたところです。