◎佐藤正幸委員 1年間どうぞよろしくお願いいたします。最初の質問ですけれども、厚生労働省が3月31日に発表した病院の耐震改修状況調査、新聞報道にございました。厚生労働省のホームページでも公表されておりますけれども、県内では災害拠点病院の耐震化率は100%。一方で、病院全体でみると耐震化率は70.8%で、全国平均71.5%より若干下回っております。報道によれば、厚生労働省は耐震化が進まない理由を「財源がない」など3つほど挙げているようですが、県内の場合、3割ほど耐震化が進んでいない理由はどこにあるのか、また100%に向けた目途はどうなっているのか、お尋ねしておきたいと思います。
◎山本陽一健康福祉部長 県内病院の耐震化についてでございますけれども、これまでも国庫補助制度などを活用した取り組みを行っていただいているところでございまして、特に県では平成21年度から25年度までに国の交付金を活用して基金を造成いたしまして、災害拠点病院、そして救急告示病院が実施する耐震化整備を支援してまいりました。こうした取り組みなどによって、今委員からも御紹介のありました昨年9月時点において、10か所すべての災害拠点病院、またのこる36の救急告示病院のうち、29の病院で申請があると、こういうことになったわけです。現在も加えて複数の病院で耐震化改修が進められているという状況にございます。今後の病院の耐震化でございますけれども、いろいろ病院関係者の方にお話を聞いてみますと、もちろん財源の問題もあるもの事実ではございますが、やはり入院患者の利便性なども考慮して、改築を機に耐震化を図りたいというような御要望をおもちの方が結構多く、なかなか我々も一挙にいついつまでに、ということもいかないのが事実でございます。 一方で、患者の安全性、災害時の医療提供体制を確保するという観点から、非常に重要な課題であるという認識は持っております。今後とも、耐震化が完了していない病院に対して、その整備をしっかりと働きかけてまいりたい。また、国に対しても、財政支援の充実強化を訴えて、求めてまいりたいというふうに考えているところです。
◎佐藤正幸委員 今、ひとつの理由に、財源の問題があったと思うんですが、今の説明からすると、国からの交付金により基金が造成され、活用されたと。今後100%に向けての対応が必要となってきますが、県としては国の交付金以外の財政的な支援の枠組みはあるのかないのか、もしないとすれば検討すべきではないかと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
◎山本陽一健康福祉部長 基本的に医療施設の耐震化については、これまでもすみわけ、役割分担として国、国庫補助制度、もしくは国が交付金を出して県が造成した基金で対応をしてきたという経緯もございます。私は今は国庫補助制度が残っておりますけれども、国庫補助制度で対応していくのが基本であると考えており、足りない部分は国に要望を出していく案件ではなかろうかと思っております。
◎佐藤正幸委員 ぜひ、県としても支援策を頑張ってもらえればと思います。 関連して学童保育施設の耐震化についてお尋ねしておきたいと思います。先日県の学童保育連絡協議会の総会がありまして、厚生文教委員の一員として私も委員長とともに参加をしてまいりました。そこでの資料に学童保育施設の耐震化に関する記載もあったのでお聞きする次第でありますが、県としては学童保育施設の耐震化状況をどう把握しているのか、把握しているのであれば現状はどうなっているのでしょうか。私が特に心配しているのは、森本・富樫断層のある金沢市、白山市、野々市市、津幡町あたりでの耐震化の現状です。非常に心配をしておりますので、ぜひお聞かせ願いたいと思います。
◎山本陽一健康福祉部長 厚生労働省の調査によりますと、若干古うございますが、平成26年の10月時点での放課後児童クラブの施設耐震化率は、県内平均で85.1%となっております。このうち委員御指摘の金沢市、白山市、野々市市、津幡町の4市町のおける耐震化率は、ならして80.3%という状況です。国及び県において、施設耐震化をおこなう放課後児童クラブに対して補助を行う制度がございますので、そのような補助制度を活用していただいて、ぜひとも耐震化を進めていただきたいというふうに思っておりまして、そういう働きかけを関係市町に対して行っているところです。
◎佐藤正幸委員 ではもう少しお聞かせ願いたいのですが、補助の仕組みといいますか、国や県の補助割合などというのは詳しくご説明できるのでしょうか。
◎山本陽一健康福祉部長 基本的にまず国庫補助がございます。基本は国庫補助制度でみるものは割と大規模はものですけれども、国庫補助制度にのるものについては国、県、市町が各々3分の1ずつ負担をするということとなっております。ちなみに補助基準額というものがございまして、おおよそ2,500万円ほどなんですけれども、それをいま申し上げた3者で3分の1ずつ持ち合うこととなっております。それに加え、県単独の施策も持っておりまして、これは建て替える場合、上限1,000万円とし、県と市町それぞれが2分の1ずつ負担するという制度も作っております。ちなみに金沢市は市単独での補助制度をお持ちというふうに聞いております。
◎佐藤正幸委員 ちょうど昨日、政府の地震調査委員会が全国地震動予測地図なるものを公表したということでございますので、今後支援策もぜひ充実させていってほしいというふうに要望して、最後の質問に移したいともいます。 最後にお尋ねしたいのは介護保険についてです。2年前になりますが、2015年4月に、要介護1、2の方が基本的に特養ホームへの入所ができなくなるという制度改正というか、制度改悪が行われております。しかし要介護1の方の中にも、認知症で単身生活が苦しいという方たちがおられますし、特例として入所ができるというふうにせざるを得なかったというふうに私は思うんです。ただ現場では要介護1、2であるというだけで、門前払いをされてしまい入所の申し込みさえ、できないというような状況が全国的に相次いだため、厚生労働省から要介護1、2の方の入所申込を排除しないように求める通知が自治体へ出されたというふうにお聞きしました。当然県にも来ていると思いますので、県としてこの通知をどのように県内で周知徹底をしたのか、あるいは県内に門前払いをされてしまったような事例はなかったのかどうか、最後にお尋ねしておきたいと思います。
◎山本陽一健康福祉部長 県では従来方入所申込書の様式に、今委員御案内のあった特例入所の要件に関する、申込者側の具体的事由が記載できる項目欄を設けております。適切な運用を行うよう、市町村に対して指導してきたところでございます。しかし、今回門前払いと新聞で書かれたような事案が発生したということを受けまして、国の方が通知を出しました。県はその通知を受けまして、先般改めてでございますが、県内の市町と事業所に対してこの制度の趣旨、及び入所手続きに係る通知を出しまして、周知の徹底を図ったとこです。県内においては要介護1,2の方で門前払いを受けたというような事例は今のところは我々は承知しておりませんので、要介護1,2の方についても特例的に入所が認められる場合は、順次入所をされていると、そういうふうに承知しているところでございます。県といたしましては、引き続き特別養護老人ホームにおける要介護1,2の方の特例入所が適切に運用されるようしっかりと指導してまいりたいと考えております。
◎佐藤正幸委員 介護保険料がどんどん上がり、保険料を支払ってもサービスが受けられないという状況が進んでおりますので、ぜひそういう悪政からくらしを守る防波堤としての役割をしっかり果たしてほしいことを最後に要望して質問を終わりたいと思います。