定例会

第1回定例会 知事提出議案・請願についての討論を公開します

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【知事提出議案】

 日本共産党は予算関係の1号、2号、49号の3件に反対。また、21号・22号など9件、あわせて12件に反対します。その理由を予算委員会での討論もふまえて述べます。

 

 予算関係の3件に反対する第1は、暮らしを痛みつける来年度政府予算案に追随し、「住民の福祉の増進」を第一とする地方自治体の役割発揮という点では極めて不十分な予算であるからです。帝国データバンク金沢支店が、2月14日に発表した「北陸3県『休廃業・解散』動向調査」によれば、休廃業・解散を選択する企業は2016年で867件と、倒産企業の5.1倍で依然と高く、石川県は前年比増加。労働者の実質賃金も、安倍政権誕生から4年間で年額19万円減少しています。このもとで、社会保障の自然増を1400億円も削る悪政に対し、「防波堤」となって県民の暮らしを守ろうとする積極的な姿勢は見受けられませんでした。すでに、保育料・学童保育料の第2子以降無料化の所得制限撤廃を求める声が大きく広がっていることは、不十分さの表れであり、要求の切実さの反映です。県内でも広がる学校給食費無償への県の支援、大学生への県独自の給付制奨学金も予算化されず、来月4月から要支援1.2の訪問・通所介護が介護保険給付から外され、「総合事業」に県内全自治体が移行する問題での、県としての対策も不十分です。

 消費税増税前提の第26号、県民への負担増となる第24号にも賛同できません。また、国保の都道府県化そのものに異議を唱える立場から、第32号に反対。あわせて、運営協議会の被保険者代表には、公募枠を設けること、議論の公開と情報開示を強く求めるものです。加えて、教職員の負担軽減のために欠かせない教員増を求める声に背を向ける第48号にも反対するものです。第47号についても、子どもたちと教職員に多大な負担をかけ、教育現場への管理統制をさらに強めかねないことから賛同できません。

 

 予算関係3件に反対する第2の理由は、ダブルラダー輝きの美知など不要不急の大型開発推進構造を温存・継続するからであり、そのことが本来やるべき森本・富樫断層による地震災害の未然防止策まで極めて不十分にしているからです。いつまでたっても総工費を明らかにしないまま建設を先行する加賀海浜産業道路の手取川架橋、当時者の合意形成が不十分なまま「先に移転ありき」ですすめる国立近代美術館工芸館移転費用などは、その優先度が問われます。金沢港の整備に反対するものではありませんが、船舶会社1社頼みの無量寺ふ頭整備に5億円の予算には疑問が残ると同時に、軍港化に道を開く動きには強く反対するものです。最新の「統計でみる都道府県の姿」では、土木費全国8位、地方債残高の割合2位、民生費・教育費36位とゆがんだ財政構造を転換し、子育て支援・貧困と格差是正の施策、森本・富樫断層による地震災害の未然防止策の抜本的強化が求められます。また、安倍政権の大規模偏重の「攻めの農業」に追随するのでなく、大小多様な家族経営が続けられ、農村地域が維持できる県独自の施策を抜本的に強めることが必要です。あわせて、345億円もの繰り越し明許費が第49号補正予算に計上され、総額464億円と昨年比100億年増、県予算全体の1割に近づく額となりました。その多くは、土木費202億円、北陸新幹線建設費33億円などであり、こうした財政運営でいいのかとの立場から反対します。

 

 第3の理由は、原発再稼働に固執した予算であるからです。県の再生可能エネルギー推進計画に、期日を定めた導入目標がないのは、原発依存の象徴であり、太陽光・風力・森林・畜産資源を活用した再生可能エネルギー導入を、能登に新たな雇用を生み出し、過疎化に歯止めをかける起爆剤として位置付けるよう、県の姿勢転換を求めるものです。

 次に、学校スポーツを除くスポーツの所管を、教育委員会から知事部局に移管する21号・22号について。スポーツを国民の権利と高らかにうたったスポーツ基本法にもとづいて設置された、スポーツ庁も文部科学省の外局にあたります。スポーツ振興のための総合的な施策の推進は、部局横断でやればいいことであり、知事部局から一定の独立性のもとに、安定的にスポーツ振興に全力をあげるという、この見地から、賛同しかねるものです。

 第28号に関しては、登山届の義務化に反対するものではありませんが、その周知徹底こそが大事であり、罰則規定は必要ないと考えます。

 第19号は、マイナンバー記入を拡大するものであり、社会保障の給付削減をねらい、国民のプライバシーを危険にさらすこの制度の中止・廃止を求める立場から反対するものです。マイナンバーの記載がなくても書類等は受理され、不利益も罰則もないことの周知徹底こそ必要です。

 

 

【請願】

 次に、請願40号の紹介議員として賛同を求める立場から討論します。法務省の共謀罪法案原案に、「テロ対策」の文言がまったくなかったことは、法案の根本目的が二転三転する深刻な混迷です。日本弁護士連合会も、3月14日に反対集会を開き、「起きていない犯罪を取り締まるとなると、警察組織が日常的に監視しないと取り締まれない」と共謀罪の本質も鮮明になってきました。また、識者からも「例えば、メールが届いて たまたま開いたら、何もアクションを起こしていないが開いてあるから合意だと判断されかねない」「たまたまどこかへ行ったのが犯罪行為の下見なのではないかと判断されてしまう可能性がある」などの指摘があがっています。憲法が厳しく要求する 罪刑 法定主義を根本から覆す、共謀罪の国会上程・成立を許さない、石川県議会としての良識を示そうではないかと呼びかけ、討論を終わります。

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