1:知事提出議案
日本共産党は、知事提出議案第1号、6号、報告2号に反対、残余の6件には賛成します。以下その理由を述べます。反対する第1号は、いわゆる「マイナンバー」の運用拡大のための条例改正です。わが党がこの間指摘してきたように、マイナンバーは、個人情報を危険にさらし、国民の国家管理と監視強化につながるものであり、この運用拡大には賛同しかねます。次に、第6号は、紹介状なしで大病院を受診する患者に上乗せ徴収をする、国の診療報酬改正によるもので、政府は「軽症であっても患者が大病院に集まる現状を是正し、病院勤務医の負担軽減につなげる」などと説明していますが、ほんとうにそうでしょうか。結局は、高額な負担で強引に受診を抑えこむ、安倍政権による医療費削減路線のなかにあるものだと指摘せざるを得ません。お金のあるなしで命と健康が左右されないようにする立場から、反対するものです。次に、反対する報告2号は、資本金1億円以上の企業への外形標準課税の拡大です。法人事業税の所得割が3.6%引き下げられるのに対し、赤字企業にも負担を課す形標準課税の、付加価値割と資本割をそれぞれ増やす、国の法改正による県税条例改正の専決処分です。総務企画委員会でも指摘しましたが、増税となる付加価値割は、報酬給与総額から算出するため、赤字企業でも雇用を拡大し、賃金を多く払っている企業には、負担が重い制度です。今回の措置で、「賃金を増やした企業の課税が強化されるので、雇用を増やすことに及び腰になってしまう」との指摘もあります。一方、「外形標準課税が強化されることで産業の新陳代謝が進む」と評価する見方もありますが、地方では新陳代謝のしようがない現実があり、中小企業の実態を軽視し、「稼ぐ力」のある大企業支援の法改正にほかなりません。こうした見地から、同意しかねるものです。
2:請願
次に、請願1件の紹介議員として、賛同を求める立場から討論します。請願趣旨にあるとおり、来年2017年からの後期高齢者医療保険料の「特例軽減」打ち切りが実行されれば、2倍、3倍、5倍、なかには10倍以上になる人も出てきます。自公政権による、後期高齢者医療制度の導入時2008年、“列島騒然”の怒りの世論に包囲され、負担増の“緩和”をせざるを得なくたったものを、安倍内閣が「骨太方針2015」で打ち切ることを表明したのです。低所得者・低年金の高齢者を狙い撃ちにした大負担増は、高齢者に際限ない保険料の値上げを押し付け、“負担増を我慢するか、医療を受けるのを我慢するか”をせまる、制度本来の害悪が高齢者に襲いかかろうとしています。わが党は、差別と負担増の制度を廃止し、元の老人保健法に戻すことを提案していますが、請願項目にあるとおり、少なくとも保険料軽減特例の継続が求めまれます。心ある諸氏の賛同を求め、討論を終わります。