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厚生文教委員会 教育委員会関係(6/28) 質疑答弁を公開します

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◎佐藤正幸委員 まず私、夜間中学の設置について、お聞きしたいと思うのですが、議事録をみてみますと、さまざまな議論もあったようです。ただ、昨年12月に、義務教育機会確保法というんですか、これが成立して、その14条で、地方公共団体が、学校での学びを希望する義務教育未修了者が多数存在することをふまえて、夜間中学における就学の機会、そのほか必要な措置を講ずる義務を負うと。義務を負うということをされたと思うんですね。15条で連絡調整を行う協議会を組織することができるとか書いてありますので。では県教委としては、協議会をいつごろ、どのような形で立ち上げようとされているのかということをまずお聞きしたいと思います。

◎田中新太郎教育長 夜間中学、いわゆる中学校の夜間学級というのが正確ないい方でございますけれども、委員御指摘のとおり、中学校のこれは戦後の混乱期の中で生活困窮などの理由で昼間に就労していた、あるいは家事手伝いをしていて、学齢時に義務教育を十分受けられなかった、そういった方々がまた学びなおす。そういう趣旨で昭和20年の初頭からこういうものができたわけでございますけれども、そのあといろいろ世の中も変わりまして、直近の県外の状況をみますと、たとえば全国では大阪、東京、兵庫などの大都市を中心に、8都府県に31校が設置をされています。ただ、その内容、どんな方々が入学していらっしゃるかをみると、日本に働きにきている外国人労働者、あるいはその家族が日本語を学ぶために夜間中学に入っている方が、なんと8割というような状況が現状なようでございまして、今そんな中で、御指摘もありましたけれども、不登校等で通常の学校にいけない方、あるいはそういう人々も、28年12月に新たな法ができまして、そうした方の受け皿としても、しっかり夜間中学を、ということで御指摘があったように法律ができました。その中で、夜間中学を開設するに当たって、必要に応じて御指摘の県教委、市町教委等からなる協議会を設けて、いろんな形で調整することができる。これはできる規定、義務ではございません。できたわけです。県内の状況を正直に申します。実は国からそういう通知もその都度来ておりますし、それについては市町に対して、その都度周知を図っております。実はそういうこともございまして、一昨年の10月、12月、昨年の9月、ことしの6月と、これまでに市町異教に4回、その調査をかけております。その結果で申しますと、実は県内19市町どこにおいても、具体的に住民等々の方から夜間中学がないのかとか、夜間中学ができないのかとかいう、そういう御要望。問い合わせがいまのところないという回答がずっと続いているのが現状です。今後、具体的にそういうお話があれば、市町には周知を図っておりますので、具体化が見込まれる段階になって、どんな対応をするか、協議会が必要かどうかも含めて、また私どもも関わっていきたいと思っております。

◎佐藤正幸委員 今のあれにも関わると思うんですが、一方で20条では、その相談窓口の設置などに努めるものとするということもあります。この間、教育委員会の答弁を調べてみますと、教育長も去年確か、「潜在的なニーズはあるのだろうと思います」というふうに答弁されておって、実際調査をかけたら今いないということらしいんですが、ただ夜間中学そのものを知らないという方もおられるという面もあると思うので、そのPRとか、あと潜在的なニーズの把握のために、この相談窓口の設置というあたりは、今後どのような見通しになるとお考えなのか、お聞かせ願います。

◎田中新太郎教育長 先ほど言いましたように、3か月毎くらいに市町には注意喚起もしていますし、そういう声があがっていないかということも確認して、現在ないという状況です。おっしゃるように、相談窓口に特化したものはないわけでございますけれども、各市町には必ず教育相談の窓口が開設されています。そういったところにも、そういう声がないということが現状だと思います。今後の様子を見ながら、そういう必要性についても、また御相談を市町としていきたいと思います。

◎佐藤正幸委員 文科省が3月31日に出した基本方針の中では、全ての都道府県に少なくともひとつは夜間中学が設置されるよう明記もされておりますし、県が仮に夜間中学を設置する場合にも、教職員給与費3分の1の国庫負担をするというふうになっていると思いますので、今まで以上の積極的な対応をぜひお願いしておきたいと思います。

◎田中新太郎教育長 今、国庫負担3分の1というお話がありましたけれども、実は私どももよく調べてみました。問題なのは中学校の校舎を夜使うわけですから、ハードはいらないわけですね。問題は教育の確保ということなんです。昼、中学校で教えていた先生が、先ほど言いました大都市圏の中学校では勤務の調整をして、夜の授業も行っているという状況です。国の支援措置は実は1人なんです。夜間中学が開設したら1人先生を増やしますよと。こういうところでは、今後もし、ニーズがでてきてもこの措置だけでは、今の多忙化の中で、先生1人増やすから夜間中学も設置しろというのは、なかなか私ちょっと現実的に難しいんじゃないかなと。実は昨年の県政の懇談会で、県選出の国会議員の皆さんにもこのお話はさせていただきました。ただ今、具体的に改善されたという話はないので、こういったことも課題だと思っていますので、先生もそこは御理解をいただきたい。

◎佐藤正幸委員 ではまた、ぜひ自民党の皆さんに頑張っていただければと思いますが。よろしくお願いいたします。教員研修に関して、少しあとお尋ねしたいと思うんですけれども。去年の11月に教育公務員特例法一部改正があって、教員研修を中心に改正が行われたと思うんですけれども、私が危惧するのは、教員研修を中心に改正が行われたと思うんですけれども、私が危惧するのは、教員研修が、なにか政府があるべき教員の資質はこうで、そのためにはこういう研修を行いなさいみたいになりかねない。もっと言葉を変えると、この教員研修が教育支配の手段とされかねないという懸念を私はもっております。それで、県も4月から、教育総合研修センターというふうに改組されたと思うんですが、そこでもそうならないかという危惧を私は持つのでお尋ねしたいんです。一応この特例法では22条で、県教委が教員としての資質に関する指標を定めて、しかもそれに基づいて研修計画を定めると。しかも、その指標は教育委員会と教育系養成大学等と協議を経る必要があって、そのための協議会を設置すると、こういうふうに書かれてあります。

◎田中新太郎教育長 国の方で法律が改正されまして、今委員おっしゃったような手続を踏んで、毎年の研修計画をきちんと立てて、体系的にやりなさいということです。その背景にあるのは、本県もおなじでございますけれども、教員の大量退職、大量採用の時代を迎えまして、そんな中で、経験豊富な教員から若手教員への知識、技能等の伝達をスムーズにやり、教育の質を落とさず、学校現場の教員がしっかりとした教育ができる体制を維持していこう、という背景もあるんだろうと思います。そんな中で、もともと私どもも、毎年研修計画というものをつくって、それに基づいて予算もとり、研修をしているわけで、大きな何か変わったことを、急にやれという話ではないと、私は思います。そういう危機感から、もう一回、研修体制をしっかり再構築する体制をとりなさいということ求めているんだと、私は理解をしております。私どものほうでは、予算も出させていただきましたし、総合研修センターというものもこの4月から改組してやり始めました。そんな中で、同じ危機感を持って岩手の早期育成プログラムを2年ほどかけて、つくりあげる。その分、校内研修で対応できる分は集合型のセンターでやる。学校現場はなるべく研修を減らすという方向にもっていっておりまして、すでに15%、この4月から集合型研修を削減もさせていただきました。これは教員の多忙化、子どもと向き合う時間の確保ということにも配慮させていただきました。中堅教員については、将来の管理職を担う資質を早いうちから育成して、そういう研修をしっかりやって、将来の管理職、いわゆる50代が10年後に薄くなって管理職の登用率が非常にあがってしますう。それに対応するようにしっかり中堅を育成しよう、あるいは管理職の方々には危機管理とかマネジメント、そういったものをしっかりやろうということで、もう一回この4月から見直しを再スタートさせていただきました。御指摘のように、国の方は法律で、まずは国が指針、要は教員にはこういう一定の資質をしっかり確保するための研修をやりなさいということですね。ただ、国は指針のなかで別にこうしなさい、ああしなさいと、例えば管理職はこんな資質、中堅はこんな資質というものを具体的に示しているわけではなく、必要な職種あるいは、経験年数に応じて、必要な力を身に着けるように、研修をしっかり体制をとっておこないなさいということが、示されています。その上で、その指針をシンシャクして、県で指針をつくれと。これは今申したように、若手には3年でこのぐらい、あるいは10年間にはこのぐらいの能力、資質を身に着けてもらう。中堅にはこういう力を身に着けてもらう。そういうことをある程度、指標としてわかりやすく教員の皆さんにも示し、それに基づいて研修計画を毎年毎年きちんと見直しながらやっていきなさいということなので、逆に言えば、私ども、実はこの4月に見直した、大きな方向性の中でもう一回、御指摘のありました協議会、うちの場合は金沢大学に養成課程がございますので、金大の先生、もともと研修センターは金大と連携して研修をやっていますから、そういった方々にもお入りいただいて、近く協議会を立ち上げて、改めて指標、これは指標を作るときに意見を聞きなさいと、協議会の中でということで、それも去年っから実は今回の研修体制の見直しについては、金大ともいろいろ連携してやってきておりますので、協議会で改めてもう一回お諮りをして、今年度中に指標をつくり、それをもとに来年度の研修計画をつくると。その後、毎年毎年そういう形でやっていくということで、これまでも研修計画を毎年作りながらやっておりましたので、もう一回原点に返って、国の法律の趣旨も踏まえて、淡々と粛々とやっていきたいと思っております。

◎佐藤正幸委員 ではもう少し突っ込みますけれども、研修といっても一般公務員の場合と教育公務員の場合は随分違って、法律上も区分されていると私、勉強しました。教員の研修というのは、教育基本法とかで研究と修養と。しかも自由と自主性が尊重されなければならないと、こうなっているわけですね。先の法改正は、衆議院、参議院で、たった1日で決まっちゃったという経過があって、ただ、国会の審議を反映して附帯決議があると思います。そこでお聞きしたいのは、この附帯決議の中に、地域や学校現場に対する押し付けにならないようにする。それから、人事考課や人事異動と結びつくものではないと。こう確認さえれていると思うので、その辺はきちんと今後反映されていくことになると思うんですが、その辺は教育長としてはどんなふうにお考えですか。

◎田中新太郎教育長 附帯決議は承知をしておりますが、文部科学大臣が定めた指針には、県が策定する指標については、教員等の年齢構成や経験年数の状況など、さまざまな現状が各地域によってことなることを踏まえ、各地域の実情に応じたものとするよう留意しなさいと、こうされておりますし、3月31日付で文科省から出された通知の留意事項にも「指標は教員の人事評価と趣旨・目的が異なるものであることに留意すること」、こういう通知も来ております。その趣旨を踏まえて、適切に対応していきたいと思います。

◎佐藤正幸委員 最後に。さらに、研修における教員の自由と自主性は尊重されるべきだと。教員の自主性尊重。そして多忙化改善のために、研修の精選が必要だというふうに確認されていると思います。そこも教育長としては、どんなふうに留意されているのか、最後、お尋ねしておきたいと思います。

◎田中新太郎教育長 委員御指摘のように、教員の研修については、まず教員自らがその職責の重要性に鑑みまして、自発的に研修する、これが大事なことです。また、一方で任命権者といたしましては、教員の資質向上を図る責任を負っております。社会の変化や新しい教育課程等に対応するため、教員に対し、体系的な研修の機会を提供していく、これも重要な責任だと私は思っております。先ほど言いました校内研修を充実する。いわゆる集合型研修ではなくて、学校の実情に応じた研修、そういったものも充実していきたいと思っていますし、先ほど言いましたように、集合型研修はもう既に15%削減するということで集合型研修の精選ということももう既に行っております。そういった方向性は今後も変わらないと思っておりますので、そういったことに十分留意して、しっかりとした研修体制、実のある研修体制を作っていきたいと思っております。

◎佐藤正幸委員 危惧しているのは、指導力向上という名のもとで画一的な研修にならないように、ぜひお願いしておきたいと思います。

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