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総務企画委員会 企画振興部・県民文化局関係(1/25)質疑・答弁を公開します

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◎佐藤正幸委員 工芸館の移転についてお聞きしたいのですが、今あったとおりにこのシンポジウムに私も参加をしておりまして、展示も見てまいりました。関係者の方々がどのような思いでおられるのかを直接お聞きしたく、興味深く聞いていたのですが、今あったとおりに移転に関する基本構想がまだないという懸念もあり、率直な印象としては結論先にありきといいますか、移転先にありきということで推進されているなという印象を拭い切れませんでした。そもそも今の日本の文化芸術における近代工芸館の役割は何なのか、あるいは金沢に移転することによってこの工芸館がどのように発展していくのか、そうした議論の積み重ねがないままに、先に結論ありきになっているのではないかと。また一方で、工芸館はそもそも東京国立近代美術館の分館という位置づけで始まってきているわけですよね。そうすると両者の連帯が不便になるのではないのか。あるいは分館という機能そのものが低下するものではないかという懸念の声もあります。そういう意味では金沢に移転することで、国の責任や財政負担などが後退し、その分県に新たな負担がくるのではないかという懸念ももちますが、その辺は県としてどのようにお考えになっているのか、お尋ねしておきたいとおもいます。

◎東高士企画振興部長 そもそもの大前提として、今回の移転については政府関係機関の地方移転だということの中で、文化庁に加えまして、工芸館を運営する独立行政法人国立美術館、それから、県、金沢市の4者で協議を重ねたうえで、昨年8月に2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催時期を目途に移転をするということで合意がとれているというものです。そうした中で、移転ありきとおっしゃいましたけれども、近代美術館の職員の方からは「移転の基本構想は現時点ではない」との御発言もありましたけれども、そういった状況も踏まえて地元の方々に御意見を聞きたいということで、シンポジウムの開催もされているということです。費用のお話が出ましたが、移転費用については昨年8月の合意で、施設は県と金沢市が協力をして現工芸館と同規模程度の施設を整備するということになっております。この整備費については、概算で30~35億程度ということで、県:市、6:4で負担するという形で合意もしてございますし、施設運営そのものについては、工芸館の設置者である国立美術館が行うこととなってございまして、運営の基本は国立美術館とし、県、市が協力をしていくということとなっております。その協力のなかで地元負担となるものが生じた場合、県:市、5:5で負担することで合意しているところです。今後とも金沢市ともしっかり連携をおこないまして、国等と協議をきちんと進めてまいりたいと考えてございます。

◎佐藤正幸委員 本来そうしたそもそも論の議論と、関係者の合意があってから、初めて、よし移転をおこなおう、となるのが筋ではないのかとおもいます。しかも今お話しあったとおりに東京オリンピック・パラリンピックの2020年までに間に合わせると、その点も早急に推進がなされているような印象を拭い切れなかったんです。今、移転費用について少しありましたが30~35億全部が県と金沢市の負担ということになっていくと。今ある、司令部庁舎と偕行社、非常に歴史あるものだとおもうんですが、あれ全部壊すんですよね。

◎米澤賢司委員長 外壁を持ってくる。

◎佐藤正幸委員 外壁をもってくるとしても建物自体は壊すこととなるんですよね。恐らく。

◎沖津千万人委員 再利用や。

◎佐藤正幸委員 再利用といえば、再利用なんでしょうけど、今の建設予定地に新たな建物を作ることになるわけですよね。しかもかなりの大型事業になるかなと、負担も大きくなるであろうというおもいもあるわけなんですよね。繰り返しになりますけど、率直にいって関係者の議論と合意が不十分なまま、先走っているんじゃないかなという印象を受けますし、県としてもそのような認識をもつべきだとおもうのですが、そこを最後にお尋ねしておきたいとおもいますが、いかがでしょうか。

◎東高士企画振興部長 まず司令部庁舎と偕行社についてですが、再利用できるものを活用して工芸館となるべき建物をつくることが求められます。内部については、きちんとした温度管理が求められるため、美術館仕様でつくられます。いまの建物を活用して新しい工芸館向けの建物をつくるということで、関係者内で議論をし合意も得ております。関係者の範囲という問題もあるとはおもいますが、基本的には関係する機関で協議をしながら合意をとって進めているという認識をしております。

◎佐藤正幸委員 しかしながら、どうもシンポジウムに参加している限りでは、関係者間での合意がとれているふうには、おもえなかったわけですよね。結論的にいいますと、東京オリンピック・パラリンピックに間に合わせるために、見切り発車みたいなことにならないように、そういう意味では冷静で慎重な対応が必要ではないかということを意見表明して質問を終わりたいとおもいます。

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