お知らせ

9月定例会 知事提出議案・請願討論を公開します。

カテゴリー:

 遅くなりましたが、9月30日県議会最終日の本会議で行った、知事提出議案・請願討論の大要を紹介します。
 

<知事提出議案>
 日本共産党は、知事提出議案第2号のみ反対、残余の6件には賛成します。以下その理由を述べます。
 
 反対する第2号については、経済協力開発機構=OECDの調査で、国内総生産=GDPに対する、国や地方自治体による教育機関への公的支出の占める割合が、日本は6年連続で、比較可能な32か国中最下位となりました。このことが世界でも異常な高学費や劣悪な教育・研究条件を生んでおり、この観点からすれば少なくない負担を強いることになる今回の提案については賛同しかねます。さらなる減免制度などの充実を求めるものです。
 次に、第1号補正予算については、賛成はするものの切実な願いにこたえる施策が不十分であること指摘しなければなりません。
 第1に、保育料無償化へさらなる努力が必要です。
 山梨県では所得制限を緩和し、世帯の年収入が640万円未満相当まで、第2子以降の保育料が3歳になるまで無料となっています。鳥取県では、県の中山間地域保育料無償化事業を始め、それを使って保育料完全無償化をはじめた町が広がっています。こうした事例を参考に、さらなる知事の努力を期待するものです。
 第2に、熊本地震や台風・水害被害の教訓を直ちに生かす立場から、予算編成の考え方を根本から改め、施策の前倒しをすることが必要です。
 2013年6月の災害対策基本法「改正」を受け、政府や県からも「自助・共助・公助」という言葉が多用されますが、基本法3条・4条・5条にある「生命身体及び財産を災害から保護する」国や地方自治体の責務が薄まるものではありません。森本・富樫断層帯による地震に特化した対応、危険個所の総点検と緊急対策、また、災害を未然に予防する観点から、傾斜地や軟弱地盤地、河川や海岸に近い低地など、総じて災害を受けやすい土地への人口と施設の集積を避けるなど、適正な土地利用を図ることも求められます。そのためには、都市計画等を防災面から見直し、開発規制と都市構造の改善をはかることが必要です。これらの点を腹にすえれば、おのずと予算編成の考え方を大もとからあらため、県政運営の転換が必要であることを指摘し、12月補正、来年度予算編成に直ちに生かすよう求めるものです。

<請願>

 次に請願3件の紹介議員として、賛同を求める立場から討論します。
 第34号、安倍政権のもとでの憲法改悪に反対する意見書提出を求める請願について。安倍首相は先の参議院選挙では、本音である憲法改悪について一言も語らず、選挙が終わるやいなや「憲法調査会を動かす」などと公言し、それを始まった臨時国会冒頭の所信表明演説で述べるなど、まさに国民「だまし討ちの政治」そのものではありませんか。安倍内閣に対し、国民は白紙委任を与えたわけではないことは明らかです。ましてや、憲法を憲法でなくする「自民党改憲案」をベースにした議論をとする安倍政権の方針に対し、野党のしっかりした一致点ができあがりつつあります。各位の賛同を求めるものです。
 
 第35号、後期高齢者の保険料軽減特例の継続に関する意見書提出の請願について。特例軽減の廃止によって、今でさえ保険料が払えない高齢者24万人がさらに増え、保険証取り上げである短期証になった人約2万5千人もさらに増えることになるでしょう。75歳以上の高齢者が、経済的な理由で必要な医療が受けられない…この悲劇を絶対に生んではなりません。長野、愛知、宮城各県の後期高齢者医療広域連合は、継続を求める意見書を可決、「安心して医療を受けるため、恒久的な制度とする」よう政府に求めています。各位の賛同を求めます。
 第36号、年金積み立て金の危険な株式運用中止の意見書採択を求める請願について。今年上四半期で5.3兆円の運用損をだしたGPIFの、2014年度の保有全銘柄の保有株数は2037銘柄、時価総額の合計は31兆円余であることが公表されました。「しんぶん赤旗」の調査によれば、GPIFが大企業の大株主となっていることが明らかになりました。時価総額1位は、トヨタ自動車の1兆5,500億円で、保有比率5.4%、株主順位は第4位。時価総額2位は、三菱UFJファイナンシャルグループの8、300億円で、筆頭株主。このように時価総額1,000億円を超える72社のうち、半数近い33社がGPIFが筆頭株主となっています。GPIFは、政府の全額出資であり、この保有比率が高まれば、政府による民間企業への介入が起こりかねず、株主によるチェック機能も失われてしまいます。国民の年金で、大企業の株価を支えている…こんな運用を中止・撤回し、過大な積立金は計画的に取り崩して給付に活用することこそ必要ではないでしょうか。各位の賛同を求め、討論を終わります。

▲ このページの先頭にもどる

© 2013 - 2024 SATOU MASAYUKI