議会報告・資料

6月定例会 議会議案討論を公開します

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 日本共産党は3件の提案者として、また1件の提案に加わることを含め、すべての意見書案に対する「賛成」討論を行うものです。第1に、賛成はするものの意見表明が必要な第3号・食品ロスに関して。食品廃棄物の廃棄を委託された産廃処理業者が、食品卸売業者に転売し、複数の卸売業者を介して店頭に並んだ事件は、大きな衝撃を呼び起こしました。ここには、もうけ優先で食の安全をおろそかにし、しかも処理を消費者に担わせるという“魔のサイクル”というべき問題があり、その解決が求められますが残念ながら意見書案にはこの指摘が見当たりません。加えて、大量の食品廃棄物がコンビニエンスストアから生まれているという事実に目を向ける必要があります。それは、大量生産・大量消費という社会システムのなかで、コンビニの本部が「売れなくてもいいから発注してください」などとする一方、「廃棄した商品の仕入れ額を、売り上げた商品の仕入れ額から除く」という、“コンビニ会計”と呼ばれる不公正な取引があります。すなわち、本部は廃棄ロスの負担を負わず、加盟店に廃棄ロスを負わせ、もうけが大きくなる…この解決も求められており、こうした記述もありませんが、趣旨にかんがみ賛成するものです。

 次に、これも意見表明の必要な、第2号・介護保険制度における軽度者への対応に関して。「骨太方針2015」の目標を達成するために。昨年12月に閣議決定した「工程表」、その原案となった財務省案には、「要支援1・2」に続いて、「要介護1・2」の在宅サービスも保険給付から外し、意見書案にあるように、生活援助や福祉用具貸与を「原則自己負担」にすることが盛り込まれました。「要介護1・2」は、要介護者全体の多数を占めます。特養入所枠から締め出されたのに続き、生活援助や福祉用具まで“いったん10割負担”となれば、施設でも在宅でもサービスを受けられない「介護難民」が大量に生み出されるのは必至です。すべての高齢者から介護保険料を徴収しながら、「要支援1・2」に続き「要介護1・2」まで保険給付から除外していく改悪には、介護保険導入を主導した厚労省元幹部も、“このままでは介護保険が国家的詐欺になってしまう”と危惧の声をあげています。意見書案にある改悪は、介護保険の存在意義を失わせ、制度を空洞化させる大改悪であり、いまや日本社会の大問題となっている「介護の危機」打開のうえでは、意見書案のような「慎重に検討」などの立場は不十分ですが、趣旨にかんがみ賛成するものです。

 次に、共同提案に加わる第1号・介護報酬の見直し・介護労働者の処遇改善と人材確保を求める意見書について。同趣旨の請願が、石川県医療労働組合連合会から先の2月県議会で提出され、私が紹介議員となりましたが、請願に賛同する署名は、短期間に県内92介護事業所から寄せられ、中には地域の社会福祉協議会からの署名もありました。問題の切実さから、まさに党派をこえて取り組むべき問題であることから、共同提案に加わるものです。

 次に、提案者として各位に賛同を求める立場から、まず第4号・熊本地震対策などを求める意見書案について。熊本県をはじめ、被災自治体からは「10分の1が地元負担という激甚災害制度では、町や村の年間予算の全部をつぎ込んでも復興できない」という切実な声があがり、東日本大震災をふまえて、特別法を制定するなど、被災自治体の財政負担を実質ゼロにすることを強く求めています。被災自治体が「財政負担」への不安で、被災地への支援や復旧・復興に積極的に取り組むことができない状況に陥り、被災者と被災地の希望を奪うことになってしまうことは、絶対にさけなければいけません。甚大な被害の実態と、被災自治体の実情をふまえ、法的措置を含め、復興は全額国庫負担で行うことが早急に必要です。いつまでも、「以前の災害との整合性に欠ける」などとする姿勢では、被災地の願いにこたえることはできないことを強調し、心ある諸氏の賛同を求めるものです。

 次に、第6号・労働基準法の改正を求める意見書案について。意見書案にある内容は、全労連、連合、全労協など労働界の一致した要求にこたえた、先の国会で提出された野党共同提案の法案の一つです。継続審査になっているときだらからこそ、地方から声をあげることが大事です。諸氏の賛同を求めます。

 最後に、第5号・保育士等従業者の人材確保に関する意見書について。意見書案にあるとおり、保育士給料は全産業平均より月平均約10万円も低く、保育士不足の最大の原因になっているにも関わらず、政府の「1億総活躍プラン」なるものに盛り込んだ賃上げは、わずか2%で月額6000円、自民党参院選政策では「これまで7%改善してきた」と誇っていますが、消費税増税分と公務員給与引き上げ分を反映させただけにすぎません。先の国会での、この問題での野党共同提出法案には、意見書案にあるとおり、裏付けのある財源も示した責任ある対案です。各位の賛同を求め、討論を終わります。

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