委員会

防災安全対策委員会 質疑・答弁全文を公開します

カテゴリー:

5月26日に行われた防災安全対策特別委員会の質疑・答弁全文を公開します。

◎佐藤正幸委員 

私は、まず木造住宅耐震化の支援策についてお尋ねしたいと思います。るる説明もあったように、今回の熊本地震では最大震度7、マグニチュード6.5を観測したのちに、その約16倍ものエネルギーであるマグニチュード7.3の本震が起こったと。最初の揺れでもちこたえても次の16倍ものエネルギーにより倒壊してしまったということで、多くの皆さんが自分の家は大丈夫なのだろうかという不安を持ったと思うんです。金沢では回覧板も回ってきまして、木造住宅耐震アドバイザー派遣制度というものがあり、報道にもあるように建築基準法改正以前の建造物に対し、問診や劣化度チェックなどをおこなっていると、一応確認までに。おそらく全市町で行われていると思われるのですが、このようなアドバイザー制度というものは全市町で行われているのか、また、どのようなチェック内容なのか。あるいはチェックにはどの程度の時間がかかるのか、県として支援策はどのようになっているかお尋ねしておきたいと思います。

◎畝本秀一参事(建築・営繕担当)

まず1点目。委員御指摘ございましたように、金沢市内の木造住宅耐震アドバイザー制度です。これは金沢市さんが、独自で設けた制度です。御指摘のとおりの内容というふうに聞いておりまして、おおむね1、2時間程度のアドバイスを行うものというふうに聞いております。全く同じ制度がほかの市町にあるかといいますと、そういうふうにはなっておりませんので、ただ、耐震に関することとなりますと、耐震の無料の簡易診断制度をいうものを設けております。各自、ご自宅の図面を出していただいて、無料で診断する制度というものがございます。ただそれは、現地調査というものはございません。県内11市町では、図面がないなどとの理由で現地調査が必要となった場合、一部有料ではありますが、個人負担5千円から1万円程度の負担で現地調査をおこなう制度を設けております。このような制度はあるので、同等の対応効果はあると考えております。そのほかに、一般的な住宅アドバイザーの派遣というものがございまして、いしかわ住宅相談・情報ネットワークというものを、県、市、そのほかの関係団体、建築士会、建築事務所協会などと策定しております。そのなかで、相談者の要請があれば建築士事務所協会から住宅アドバイザーを現地に派遣し、おおむね2万円程度の実費で現地にてご相談に応じられるという制度も設けております。県としては以上のようなご支援を設けております。

◎佐藤正幸委員

全市町に制度があるとおもっていたものですから、そんな意味では金沢市のような援助、対応が、市町全部でおこなえるように、県としても対応を強めてほしいというふうにおもいます。その関係でいうと、熊本のことを考えれば、先ほども申し上げましたように、金沢市の無料のアドバイザーは、昭和56年5月31日以前のモノが対象となっているんですが、それ以降についても必要だとおもうんです。いわゆる住宅の耐震改修工事等になれば、それは莫大なお金がかかることとなりますが、それは予算の使い方の問題ですので、私はそのような方向で使うべきだとおもうんですが、せめてチェックぐらいは無料にするなど、多くの皆さんが自分の家は大丈夫かと不安を持たれているときに、そういう不安にこたえるような対応をすべきではないかとおもうんですが、県の所見をお伺いいたします。

◎畝本秀一参事(建築・営繕担当)

まず耐震改修に関しましては、阪神淡路大震災以降、耐震改修促進法なるものを国が制定いたしまして、大きいものから小さいもの、特に住宅関係の耐震改修ですとか、建て替えですとかの促進というのを進めてきております。そのもとになりましたのが、阪神大震災の折に、これは抽出調査でございますけれども、いわゆる新耐震基準以前と以降とでは大きく被害が違うということで、まずは以前のものから重点的に耐震改修の促進を図ろうということで、法律自身もそのような骨組みで行っていますし、私どももそういう形で行ってきています。だからといって御指摘の今回の地震に関して、報道その他で、大きな地震が繰り返されたということが被害に影響を及ばしたのではないかという意見もあるということで、ただ一方で、この地震に関して技術的な総括が終わっている段階ではございませんので、そこらへんがどのような考え方になるのかというのは、一方であるんだとおもいます。これは耐震化するといっても、地震力と耐える力のどちらが強いかによって被害が発生するか否かということが決まるわけなので、強い建物であっても強い地震が来れば損壊しますし、またある程度脆弱なものであっても震源からある程度距離があって力が弱ければ倒壊しないというようなこともあります。一概にそこらへんは難しい。どのくらいまですればいいのか、どのくらいのものからまず対象にするのか、というのは非常に難しい側面がございます。

そういう意味では、県としては、今の耐震基準以前のものからまず促進していくという考え方をしています。もちろん耐震基準以降の建物も被災したという報道もございますので、大丈夫だということではございませんけれども、しかし場合によっては一部施工ミスがあるのではないか、また不手際があるのではないかということなども含めて議論されております。そこら辺は国のほうが総括しいろいろな機会にでてくるとおもいますので、注視していきたいと考えております。

 ◎佐藤正幸委員

邑知潟断層や森本富樫断層などもありますので、ぜひ対応を強めてほしいと思います。次に福祉避難所の開設についてお聞きしておきたいとおもいます。さきほども障がい者の方々の避難問題について言及がありました。残念ながら熊本ではいまだに福祉避難所が開設されていないとの報道もあります。熊本市に180ヵ所程度が福祉避難所として指定されていたそうなのですが、被災などを理由にいまだ開設されていない。特に障がいをもたれている方が過酷な状況に置かれているということです。たとえば、ある精神障がいをもった方は、小学校が避難所となっているが周囲に迷惑がかかるのではないかとおもい、足を運べなかったそうです。また、自閉症傾向にある方は、避難所生活が続き多動症状が強まったため、ご家族の方々が支えきれず相談に来られたという例もあったそうです。

そういう点では、県の防災計画にも福祉避難所の設置が一応盛り込まれているようですが、報道によれば県内の市町の福祉避難所設置マニュアルが不十分だとありました。その報道には、県内の福祉避難所の事前指定は315ヵ所、約1万4,000人の受け入れが可能というふうになっているようですけれども、実際に設置する上でのマニュアルの策定状況はどうなっているのか、これは重要な問題ですからぜひ全市町で策定できるように県としても具体的な支援を行ってほしいとおもうのですが、その辺はいかがでしょうか、お尋ねしておきたいと思います。

◎北野喜樹健康福祉部次長

福祉避難所の開設に係るマニュアルの策定ということでご質問をいただきました。福祉避難所も市町村が開設するということでございますけれども、県内4市において現時点で福祉避難所の開設、運営に係るマニュアルを策定しているという状況です。災害時に備えまして、福祉避難所の開設あるいは運営のマニュアルを策定しておくということは大切なことだとおもっておりますので、市町のほうでマニュアルの作成が進みますように、県といたしましては今年度、市町がマニュアルを作成するための参考となる事項をとりまとめまして指針として策定をして、こんなふうに考えておりまして、各市町がマニュアルを作成する際の支援をしてまいりたいというふうに考えております。

◎佐藤正幸委員

では、その策定をぜひ急いでいただきたいといふうにおもいます。

最後に一点だけ、原発についてなんですけれども、簡潔にいいますと、さっきいったように大きな地震が一回起きて、原発は耐えられたとしても、次に大きな地震が起きた場合、原発が損傷してしまう。一旦もとに戻ったとして、その後余震が続けば、徐々に耐えられなくなり、もとに戻らず損傷するという可能性は大いにあるわけですよね。

そういう意味では、今度の熊本地震を教訓にして、原発の耐震審査ガイドというのでしょうか、そこには一度持ちこたえたとして、次に大地震が来た場合どうか、というそういう評価基準になっていないんですよね。専門的な用語は避けますけど、そういう意味では、今回熊本のような地震が起こった際に、志賀原発も本当にたえられるのかどうか。1回目の16倍エネルギーの地震が来たわけですから。そういうことを国の規制委員会でキチンと審査、議論すべきだとおもいますし、すくなくともこの場でこういうことを質問しましたので、県の安全管理協会(安官協)や、専門委員会でもキチンとこのことを議論してほしいというふうに強く要望して、最後、県としての見解をお聞きしておきたいとおもいます。

◎絈野健治危機管理監

原子力発電所の安全性については、新規制基準等に基づきまして、発電所敷地内の地盤状況であるとか、周囲の活断層であるとか、過去の地震などの文献情報、そういった詳細な調査をおこないまして、発電所敷地内に影響を与える最大の地震動、基準値地震動を設定して、安全性が損なわれないために、新規制基準が設定されておるところです。熊本地震の教訓を今後どう生かすかということでございますけれども、原子力発電所の安全規制については、一元的に国のほうで法的な権限と責任を有しますので、それを有する規制委員会において今後適切に判断されるものというふうに理解しておるところです。

▲ このページの先頭にもどる

© 2013 - 2024 SATOU MASAYUKI